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瀧口:実際どんな成分なのか見ていきましょう。エンドウ豆のようなタラタンニン。(植物名は)カエサルピニアスピノサ。

奥平:噛まずに言えましたね(笑)。

瀧口:キャスターの仕事をやらせていただいています(笑)。

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佐藤:この舌を噛むようなカエサルピニアスピノサという植物は、ペルー原産のものでございまして、実際はあの一つの豆がこんなに大きいんですよ。30センチ以上ある。その豆じゃなくてさやの中に入っているタンニンの一種(がタラタンニン)です。

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瀧口:ただこれを体に取り込むのに条件があって、佐藤さんのNILが独自に開発された、SNP(スーパーナノ粒子)ということなんですね。一般的なナノ粒子よりも更に小さいサイズなので、毛根から体に成分を吸収できると。

奥平:これで直径はどれくらいですか?

佐藤:20~30ナノメートルですね。

奥平:やはりナノテクの世界ですね。

佐藤:ナノ粒子を作ること自体はそれほど難しくない。いろんな方法で作れます。ただ弊社のこの技術というのは、浸透性、吸収性を高めるために非常に凝っています。どういう風に凝っているかと言うと、この20ないし30ナノメーターの非常に小さな粒子の中に、内部構造の模式図を描いてありますが、芯の部分から外側に向けていくつかの物質を秩序正しく配置しています。

タラタンニンは少し内側にあって、最も外側の殻の部分にはサポニンという成分を配置している。このサポニンという成分は細胞の細胞膜の構造とよく似ていまして、このサポニンの効果によって、非常に浸透性が高まります。

奥平:(成分が)毛根から取り込まれやすくなると。

佐藤:取り込まれた後はタラタンニンが独自のメラノサイトを活性化し、メラノサイトを増やすという効果を発揮して、結果としてメラニン色素がどんどん増えて白髪が黒くなるというものでございます。

奥平:思わずこの後電話番号がこの辺りに出てきそうですが、今日はそういうコンセプトではないですね(笑)。これは実際に売っていらっしゃるということですが、どこで買うことができるんですか?

佐藤:現在セールスの大部分はネット通販です。Amazonさんやロハコさん。今度楽天さんも入ります。

奥平:売上規模はどのくらいですか?

佐藤:まだ数千万円のオーダーですね。真ん中くらいです。

奥平:でも120店舗くらい開拓できて、ネット通販も東急ハンズも。急拡大といえば急拡大ですよね。

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佐藤:そうですね、おかげ様で。我々はベンチャー企業ですので、技術にはかなり自信がありますが、いかんせん認知度、知名度がない。これをどうやって上げるかというのが一番大きな課題です。こういう効果をはっきりアピールすると薬事法に触れるということもありまして、なかなかプロモーションが簡単ではない。そこが苦労していますね。

奥平:なるほど。化粧品もそれに近いところがありますよね。

佐藤:はい。これは化粧品の扱いです。医薬部外品で出すともっと売りやすい部分もあるのですが、今は化粧品として出しています。

瀧口:ということでお二人にたっぷり伺ってきましたが、ここまで森さんのアイメック農法、佐藤さんのスーパーナノ粒子というそれぞれの技術革新を見せていただきました。これらは画期的な技術でしたけど、どうやって誕生したのか、というところを更に後編で掘り下げていきたいと思います。

奥平:お二人とも大企業出身でいらっしゃるので、どのようにして現在に至ったかというところも、次回もう少し突っ込んで伺いたいと思います。

瀧口:森さん、佐藤さん、次回もよろしくお願いします。ありがとうございました。