毎週金曜22:00からTBS系で山田裕貴主演の金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』が放送中。本作は同じ電車に偶然乗り合わせた見ず知らずの乗客たちが突如、電波が通じないうえに水も食料もない荒廃した世界にタイムワープし、極限のサバイバル生活をしながら懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を描く、完全オリジナルの予測不能のヒューマンエンターテインメントドラマ。今回、自分本位な行動が目立つネイリスト・渡部玲奈役の古川琴音にインタビューし、撮影現場の裏話や演じる際に意識していること、印象に残っているシーンなどを聞いた。
――ここまで玲奈というキャラクターを演じてみていかがですか。
自由奔放でちょっと非常識だったり協調性がないキャラクターで、演じる上でそうやって自分の思うままに行動するのが楽しいんですけど、周りにうまく馴染めなくて孤独になってしまう玲奈の寂しい心を感じて悲しくなることもあります。気持ちがジェットコースターのような感じで揺れ動くので、総じて演じていて楽しいです。
――玲奈を演じるにあたって意識していることは?
一番は悪気がないこと。自分の欲望のままに動いているだけなので玲奈本人は悪気がないんですよね。だから演じる時も「この人に意地悪をしてやろう」とかそういう悪い気持ちではなく、素直に「これ食べたい」「あれ欲しい」という、純粋な感情で動いています。
――古川さんから玲奈についてご提案された設定などは?
監督とよく話し合ったのは衣装のことでした。私は玲奈にとってファッションは「自分はこういう人間です」と強く発信するものだと思ったのでその思いを伝えました。そこで玲奈が持つ"毒"の部分が見える衣装がいいという話になって、大胆に肌を見せていくとか、アクセサリーをもっとたくさんつけてパンクの精神が見えるようにしようなどを決めていきました。
――これまで放送された中で好きなシーンや印象深かった場面は?
第1話、第2話は起承転結の「起」の部分にあたるから緊迫感のあるシーンが多かったんですけど、3話になってみんながそこで生きるということにちゃんと向き合い始めて車内を豊かにするために工夫したり、寝るスペースを作ったり、色々と動き始めたので特に印象的な回だなと思います。和気あいあいとした雰囲気も増えて楽しかったです。
また、崖の上で撮影したシーンがあるんですけど、そこは車から降りて片道40分くらい歩かないと辿り着けない場所にあり、私が撮影に入って2日目くらいだったので、そういった壮大な場所にいることで「本当にこれからサバイバル生活が始まるんだな」という気持ちになりました。ある意味歓迎されたような、「これからこういう世界が始まるんだぞ」というメッセージをその場でもらったような気持ちですごい印象に残っています。
あと、第1話で山田さんが崖から這い上がってきて「疲れた」って涙を流すシーンはすごく胸に響きました。台本で読んだ時はそこまで深く想像できていなくて、落ちかけていたところから這い上がってペンディングした世界で色々な困難もあってその状況に「疲れた」というイメージだったんですけど、仕上がったものを見たら、直哉の過去が滲み出ていたんです。弟への思いや、ペンディングされる前に直哉が抱えてきたものがその「疲れた」に詰まっているように感じてとても切なくなりました。
――主演を務める山田さんの現場でのご印象は?
皆さんそれぞれ演じているキャラクターと重なる部分があるなと感じていて、山田さんは直哉のように責任感が強い方という印象です。直哉はこれまでの経験から自分の一言がどうみんなに影響するか考えたり、理想ばかりでなく、たまに厳しい言葉を掛けられる、そういう強さを持ってる人だと思うんですけど、山田さん自身にもそういうみんなのためを思って考えたことを伝えられる強さがある方だなと思いました。でも、直哉が一歩引いたところで見ている人だとしたら、山田さんは中に入ってみんなを引っ張ってくれるタイプですね。
――現在、大河ドラマ『どうする家康』の撮影も並行して参加されていると思うのですが、全く違う役を演じ分ける難しさや切り替えのコツなどあれば教えてください。
声の出し方から言葉遣いも全く違うキャラクターなので、切り替えは難しいと思ったことはないです。ヘアメイクをしていただいて衣装を着た時に、自然と切り替わっている感じです。
――2018年に放送された『義母と娘のブルース』でドラマデビューして5年目になりますが、女優業への向き合い方の変化やご自身でここは成長したんじゃないかなと思えることは?
まだわからないですね。もう5年もやってきたんだという驚きの方が強くて、何が変わったかと言われるとまだまだできていないことの方が多いし、もっともっと自分自身と役を繋げられるように・・・一体化させられるようにすることが目標になっています。そのために台本を読んだときの読み込み具合を昔よりもどんどん深くしていきたいですけど、お芝居をやってるときは、初心を忘れず、自分に制限をかけたりせずに演じられるようになりたいなと思います。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
5話はまた一難去ってまた一難ではないですが、新しい出来事がたくさん起きて、玲奈の内面がよく見える回にもなっていると思います。いつも強気な玲奈が本当は何を感じているんだろうというのを視聴者の皆さんにも感じていただけるのではないかなと。その玲奈の柔らかい部分というのは、たくさん共感していただける方がいるんじゃないかと思うので、それが届いたら嬉しいです。
◆放送情報
金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』
毎週金曜22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」でも配信。
また、Paraviオリジナル「ペンディングトレイン~終電後トーク~」も独占配信中。
(C)TBS
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