テレビ東京にて、5月7日(日)深夜1:35~『好感度上昇サプリ』が放送となる。原作は、応募総数16,848件のnote主催投稿コンテスト「創作大賞」で優秀作品賞を受賞した目からウロコの同名作。出版社の営業として働く地味でさえない主人公は、「好感度サプリ」を服用したことで、 "自分に好感を持つ人間の数"=好感度を数字で視認できるように。好感度が「数値化」された世界における、人間のリアルな心理や行動を描いた新感覚のヒューマンドラマとなっている。
今回、主人公の谷村雄二が所属する営業部の同僚で、ライバルの恋人でもある斉藤佳奈役を務める生駒里奈にインタビューを行い、共演者の印象や「好感度」についての考えなどについて話を聞いた。
――本作はサプリを飲むことで好感度が可視化されるという題材ですが、最初にオファーを受けたときの感想を教えてください。
「好感度」という言葉は昔からありましたが、特に表に出る仕事をする方だけの言葉だと思っていました。ですが、このSNS社会になってからの現代においては誰にも通用する、みんなが気にしている言葉になっています。好感度が良かった芸能人が悪いことや失敗をしてしまうと、その「やってしまったこと」以上に、「好感度が下がったこと」が原因となって、その後の人生や仕事に影響があるというのをたくさん見てきたので、そういったものを題材にしていると聞いて役者として純粋に楽しみでしたし、現代っぽいという印象がありました。
――ご自身が好感度をそこまで気にしないというのは、何かきっかけがあったのですか?
私の元々の性格なので、特にきっかけはないですね。強いて言えばアイドル時代、最初に1番目立つセンターをやらせていただいたことが関係しているかもしれません。好感度も何も、世間から見られる自分と(本当の)自分自身が全くの別物で、「私はこういう人です!」と言っても、良くも悪くも世間からのイメージや、いわゆる好感度というものでしか測られないんだということを幼いながらに知りました。その経験があったからこそ、そこにこだわらずに仕事をしていこうかなって、17歳くらいのときにはもう思っていましたね。
――では、もし実際に「好感度サプリ」が手に入っても、服用はしないですか?
絶対に飲まないですね。気にしたって仕方がないなって思うタイプなので。
――とろサーモンの久保田かずのぶさんが演じたインフルエンサーのNORIのような人物には、全く共感できずという感じでしょうか?
そうですね。そこまでして好感度を上げて、他人も蹴落としてまで上がろうっていう人間じゃないんです。自分の範囲で生きていきたいので、そこまで頑張らないと思いますね。
――生駒さんが思う「好感度の高い人」はどんな人ですか?
ちゃんとゴミが捨てられる人です(笑)。分別をちゃんとしないで、袋に詰めて全部燃えるゴミにしているような人は苦手ですね。ペットボトルとかも、ラベルを剥がして、キャップを外してって、その場でパパっとできるのに、そのままバーンと捨てるのってなんでだろうって。逆に、それをしっかりやっている人は好感度が上がりますね。
――生駒さんは、これまで色々な役柄に挑戦してきたと思いますが、今回は出版社の営業部員ということで、いわゆる普通の女性という役どころです。演じてみていかがでしたか?
私からしたら普通の女性が1番演じにくいかもしれません。会社勤めをしたことがないので想像でしか演じられないし、佳奈の内面や私生活は台本にもあまり描かれていなくて。街で見かけるOLさんの喋り方や格好、歩き方から人となりを想像して、それを演じる上でのネタとしてストックしているので、そこから引き出してきたりもしましたね。自分とリンクしていない役だからこそ、色々と想像を膨らませることもできるので、そんなことを考えながら演じていました。
――コメントでは、佳奈について「同性からよく思われない要素も兼ね備えてしまっている女性」とおっしゃっていましたが、どういったところから、そう感じたのでしょうか?
台本を読んでそういう風に描かれているなと思ったので、監督に「そういう子ですよね?」と確認しました。男性と女性でも、同性に対しての印象って全く違ってくるとも思うので、衣装さんやヘアメイクさんにも「佳奈って嫌われるタイプだよね?」と確認しましたね。
――主演を務めていらっしゃる三浦貴大さんの印象を教えてください。
私、『仮面ライダーBLACK SUN』を見ていたので、「わーい!」って思いました(笑)。初日に「『BLACK SUN』見てました。ビルゲニア、めちゃくちゃすごかったです!」って。ご自身でアクションされているじゃないですか。そういうお話をさせていただきました。
スケジュールもタイトでしたし、私が撮影に参加したのが数日だったというのもあって、たくさんお話することはできなかったのですが、クランクアップの日に、「またご一緒できるように頑張ります!」と挨拶を交わして終わりました。
――撮影中に何か印象に残っていることはありますか?
今回の役柄は、男の人に怒鳴られることが多かったのが印象的ですね。「ああ、今日は怒鳴られるな」って思いながら撮影に向かっていました。
――演技とはいえ、怒鳴られるのは結構心にくるものがあるのでしょうか?
今回もそうですが、最近は幸が薄い女性役を演じることも多くて、そこに引っ張られ過ぎてしまうと気持ちも沈んじゃうので、演じるときだけ集中して、それ以外は考えないようにしていました。
――生駒さんのInstagramで、今作に出演しますというお知らせの投稿を拝見したのですが、そこに「声がコンプレックス」ということを書いていらっしゃったのが意外でした。今回も、そのコンプレックスと向き合わなければならなかったと思いますが、苦労しましたか?
自分の声は多分一生コンプレックスのままだと思います。でも、だからといってふてくされるのをやめて、開き直って、コントロールしていこうと思っています。
――本作は、全編通じて主人公の雄二が本当に大切なものを見つけていく成長物語ですが、生駒さんご自身が大切にしていることはありますか?
うーん、あんまり考えてこなかったですが、貯金は大事かな。お金が大好きっていうわけではないのですが、お金がないと自分自身を生きさせることができないですよね。必要最低限の稼ぎをするということが、生きるうえで大事かなと思います。
――では、最低限のお金を稼げれば、あとは自分のやりたいことや自分の意思を尊重して生きていきたいというようなタイプですか?
そこまで意思を尊重して生きていくっていうタイプでもないような気がします。私は勉強も苦手だし、パソコンも使えないし、多分接客業とかも苦手だと思うので、芸能界でしかお仕事できないと思っています。今のお仕事は楽しいですが、半分は楽しいという気持ちで、もう半分は生きるために働いている感覚です。芸能界に夢を持って頑張りたいと思っている方からしたら、とてつもなく贅沢な悩みだと思われるかもしれませんが、私のようなタイプもいるんです。
――そういったお仕事の中でも、演技は楽しいですか?
そうですね。自分自身を見てもらうというよりも、何かの役を演じている自分の方が、人の前に立つときに楽だと感じます。"生駒ちゃんの発言"ではないので、そう考えると心が楽になるんです。
――演じてきた役から、得られるものや教えられることがあったりもするのでしょうか?
もちろん、心から動かされる作品に出会ったこともありますが、稀ですね。仕事としてやるときと、仕事とは関係なくとも自分の人生を変えてくれる作品に出会えるときとは、本当にびっくりするぐらい全然違うので、そういった意味で、お芝居ってすごいなって思います。
◆番組情報
『好感度上昇サプリ』
毎週日曜深夜1:35~(テレビ東京)
動画配信サービス「Paravi」で全話配信中
(C)テレビ東京
- 1