「サプリ」「&」のおかざき真里の同名漫画を原作に据え、前田敦子が主演を務めるドラマ『かしましめし』(テレビ東京系)の第4話が5月1日に放送された。
本作は、美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサー男女3人が、それぞれの人生に悩みながら"おうちごはん"を囲む中、一緒に暮らし始める物語。
小田千春(前田)とナカムラ(成海璃子)と雨海英治(塩野瑛久)の共同生活に、それぞれ変化が起こり始めていた。
個展に招かれ、再会した美大の同級生・瀬川榮太郎(若林拓也)に淡い恋心を抱き始めた英治は、3人が暮らす家に榮太郎を招き、手料理を振る舞う。
一方、ナカムラは恋人・田口祐也(倉悠貴)とデートを重ねる中、24時間一緒にいる窮屈さを感じ始めていた。眠くないのに一緒に寝たり、お腹が空いていないのに相手のためにメニューを考えたりすることなどは、恋に恋する頃であれば幸せを感じることだろう。しかし、一人暮らしが長くなればなるほど、自分のペースが確立されてしまい、誰とも一緒に過ごせない気がしてくることは多々あるものだ。
それでも、婚約破棄されているナカムラは、結婚願望はあると言うから、ままならない。そんなナカムラの悩みを聞いた英治も、いつでも笑顔でいることで自分がどんどん追い詰められていくと語った。「笑うのって、ゆっくりとした自殺みたいやな」とも。
そんなナカムラと英治は千春の家での共同生活では疲弊しない。自死した大学時代の同級生という、共通の欠けたピースで繋がる者同士のためなのか、3人のバランスは奇跡的に成り立っている。
ある日、千春は仕事で取材を受けることに。しかし、話題は次第に千春の前職の有名デザイン事務所のことに。千春が仕事を辞めたのは、千春のセンスに嫉妬した上司のパワハラのせいだったが、この仕事を続ける限り、いくら本人の作品が評価されようとも「有名デザイン事務所出身」という目で見られてしまうのか。それは千春をずっと縛り続ける鎖のようでもある。
一方、英治は恋愛でもう傷つきたくないという思いから、マッチングアプリで自分と同じゲイの男性を探し、会うが、そこに嫉妬した彼氏・辰也(吉村界人)が現れ、一悶着に。
英治が階段から転がり落ちて怪我をすると、辰也は介抱しながらこれまでの浮気などを白状する。しかし、英治は、常に自分を翻弄していた辰也がやっと自分のために感情を動かしてくれたのに、全然嬉しくなかったことに驚き、涙する。追い続けてきたモノがようやく手に入ったのに、それが色褪せて見えてしまうほどに、英治は辰也との恋に疲れ果て、心が枯れてしまったのだろうか。
恋を失った英治はナカムラと会い、「腹減ったー、酒呑みたい」と言うデリカシーのなさが今は助かると笑う。傷ついているときは、むしろその傷を気にも留めないような人と一緒にいるほうが楽なときはある。繊細で優しい千春とは異なる方向性の、ナカムラの実直で大雑把な優しさ。つくづく3人の性質、関係性は絶妙だと思う。
ある日、3人の家に美大予備校時代の講師・蓮井亮史(渡部篤郎)が招かれ、共に食事をする。お酒も進み、千春が寝てしまい、英治は榮太郎からの電話で出かけると、ナカムラは蓮井に千春をどう思っているのか尋ねる。
千春は蓮井の前では固まったり、挙動不審になったり、少女の初恋のような様子を見せる。しかし、蓮井と千春は共に最悪の時に再会したのだと蓮井は語り始める。それはむしろ恋愛よりももっと色濃く厄介な繋がりではないか。千春の過去、ナカムラの行き詰まり始めた恋、そして英治の新しい恋の行方がそれぞれに気になる展開になってきた。
文:田幸和歌子
【第5話(5月8日[月]放送)あらすじ】
蓮井(渡部篤郎)を招待した日の夜、ナカムラ(成海璃子)は蓮井から千春(前田敦子)と再会した夜の出来事を聞く。その中で、自分たちが一緒にいることは千春にとってよくないのでは・・・と思い始めるナカムラ。その頃英治(塩野瑛久)は、榮太郎(若林拓也)と仕事上のパートナー・土屋(坂東希)の希望に満ち溢れた夢の話を聞いて、自分も絵を描きたいと決意した矢先、車が飛び出してきて・・・!?一方、千春は元上司である沢渡(田村健太郎)から連絡が来ていることをナカムラに打ち明けるが・・・。
◆番組情報
ドラマプレミア23『かしましめし』
毎週月曜23:06~23:55(テレビ東京系)
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」でも配信
(C)「かしましめし」製作委員会
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