テレビ東京にて、5月7日(日)深夜1:35~『好感度上昇サプリ』が放送となる。原作は、応募総数16,848件のnote主催投稿コンテスト「創作大賞」で優秀作品賞を受賞した目からウロコの同名作。出版社の営業として働く地味でさえない主人公は、「好感度サプリ」を服用したことで、 "自分に好感を持つ人間の数"=好感度を数字で視認できるように。好感度が「数値化」された世界における、人間のリアルな心理や行動を描いた新感覚のヒューマンドラマとなっている。
今回、主人公の谷村雄二役を務める三浦貴大にインタビューを行い、共演者の印象や「好感度」についての考えなどについて話を聞いた。
――まず、最初にオファーを受けた時の感想を教えてください。
題名を聞いて、すごくSFチックなものを想像していたのですが、台本を読んでみると、現代社会でも起こりうるお話だと思いました。今はSNSのフォロワーとかを、皆さんが気にしている世の中なので、そういう面で、今こそやる意義がある作品だと感じました。
――好感度が数字になって見えるという設定ですが、もし三浦さんご自身、そういう状況に置かれることがあったとしたら?
耐えられないかもしれないですね。やっぱりこの仕事をしていると、そういうことってすごく気になるんです。俳優はそうでもないですが、今はフォロワー数が仕事に直結することもあると思うので。それがさらに細かく1人1人数字で見えてしまうとなると、生きづらいだろうなと思いますね。
――三浦さんにとっての「好感度が高い」とは、具体的にどのようなことを思い浮かべますか?
これが本当に難しいですね。やっぱり好感度にもいくつか種類があるような気がしていて。親友や家族として好きというのもあるし、自分の生活や仕事に役立つという意味での好感度もあると思います。利用価値があるというか。本当に色々な種類の好感度があるから、このドラマに参加して「好感度ってなんなんだろう?」っていうスパイラルに陥っています(笑)。
――今回演じられた谷村雄二という役について、どんな人物ととらえてお芝居に挑まれましたか?
"好感度サプリ"を飲み始める前は、雄二自身のセリフでも「今まで上手くやってきた」ということを言っているのですが、僕は実はそうじゃないんじゃないかと思っていて。本来はすごくフラストレーションが溜まっているというか、できていないことを自分の中で隠すために、「上手くやってきたよな、俺は」って、自分に言い聞かせているような人だったんじゃないかな。それが"好感度サプリ"を飲んで数字が見えるようになって、今まで抑え込んできたものが、どんどん表出していく。そういう人物なのかなと思います。
――最初は自信がなくて虚勢を張っていたようなところから、どんどん自信をつけていくようなイメージでしょうか。同じ役を演じながらも、その差別化をしていく必要があったのでは?
こういう短い話の中で、人が成長して変化していく様を演じるのは非常に難しいんです。もちろん、気持ちの部分で変えてはいますが、髪型や衣装にも、かなり助けられていたような気がします。おでこを出すだけでも全然違う感覚になりました。服装も本当に大きかったですね。
――共演者のご印象をお伺いしたいです。まず、生駒里奈さんはどのような方でしたか?
今回初めて共演させていただいたのですが、すごく自然体な方でした。どこから芝居に入っていくのか分からないくらい、自然と芝居に入っていく不思議な人でしたね。
――なるほど。三浦さんご自身は、逆にお芝居とそうじゃないときはバチっと切り替わるタイプなのですか?
僕は切り替わる方ですね。特に今回の役は色々な変化がありますし、役と自分が全然違ったので、特に切り替わる感じがありました。
――インフルエンサーのNORI役としては、とろサーモンの久保田かずのぶさんがキャスティングされていますが、久保田さんのご印象はいかがでしょう。
とにかく面白かったです。台本の5倍ぐらいの容量をアドリブで喋ってこられるんです。しかも毎回ちょっとずつ変えてきて、どんどん面白くなっていくんですよ。作品の中で僕がNORIさんに貶されるシーンがあるのですが、結構辛辣なことを言ってくるのでヘコみましたね(笑)。
――サプリを処方してくれる松原医師役は萩原聖人さんですね。萩原さんはどんな方ですか?
今回は、無表情で不思議なことをずっと言っている役でしたが、よくこんな役が成り立つなと思いました。これ、萩原さんじゃないと成り立たないんじゃないかっていうくらい。やはり尊敬する先輩だなと思いました。萩原さんは毎回難しい役を演じられているイメージですが、それをすごく直球で捉えていらっしゃるような気がしていて。奇をてらったことをしようとか、そういうことではなく、不思議な役でも真っ直ぐに演じられている印象があるので、今回もたくさん勉強させていただきました。
――最後に、親友の長谷川を演じた山口大地さんのご印象も教えてください。
山口さんは初共演でした。山口さんご自身の普段の喋り方とか物腰から、本当に良い人なんだろうなということが伝わってくるような方でした。だから、ぶつかり合うようなシーンを演じるときは本当に悪いことをしているような気持ちになって心苦しかったです。いつか、山口さんが悪役をやるときに、また共演してみたいなと思うような役者さんでした。
――本作は全体を通して、雄二が本当に大切なものを見つけていく物語だと思うのですが、三浦さんが大事にしていることや、ここは譲れないと思うことはありますか?
友だちと、あとは自分の生活かな。好きなものを食べるとか、お風呂に入るとか、寝るとか、そういうことを当たり前にやる。それが削られるようなことは絶対にしないですね。俳優って、役について調べたり、考えたり、時間があればあるだけやれる仕事で、それで体調崩しがちだった時期もありました。だから、なるべくそこは崩さないようにと思いながら生きています。
――本作はnoteの「創作大賞」受賞作品を原作としていますが、三浦さんはnoteを利用したことはありましたか?
ありました。そこで友人がずっと文章を書いているので、それをよく読んでいます。その他にも日記だったり、コラムだったりを読むことが多いです。
元々、こういう賞があるということは存じ上げなかったのですが、そのこと自体がすごく面白い試みだなと思います。noteは、すごくクリエイターを応援しているサイトだと思っていて、SNSみたいに「いいね」をそこまで気にしない作りにしているような気がしていました。そんなnoteだからこそ、こういう作品が生まれたのかもしれないですね。
――三浦さんご自身が、何か書いてnoteに投稿してみたいと思うことはありますか?
僕は本当に文才がなくて。喋るのもあまり得意じゃないですし、文章を書くと「どこどこ行きました。楽しかったです。」とか、小学生が描いたみたいな内容になってしまうんです(笑)。だから、自分で書こうとは思えないですね。
――noteでは、ドラマと連動して「レベルアップしたいこと」というのを一般の方から募集するという企画をやっているのですが、三浦さんがレベルアップしたいことは?
やっぱり芝居です!っていうことにしといていいですか(笑)。あと、編み物を始めたくて、それがレベルアップするといいなと思っています。地方ロケとかも多いので、ホテルで作ったりしたいんです。いつか、テレ東のナナナとか作ってみようかな。
◆番組情報
『好感度上昇サプリ』
5月7日(日)深夜1:35~放送スタート(テレビ東京)
動画配信サービス「Paravi」では全話先行配信中
(C)テレビ東京
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