Plus Paraviが注目する人物にフィーチャーする「オシダン!plus」。今回は、テレビ東京にて5月に放送予定、動画配信サービス「Paravi」では、全話独占先行配信中の『私と夫と夫の彼氏』に出演する本田響矢にインタビューを行った。原作はコアミックスで人気の綾野綾乃による同名作。夫の不倫相手は、教師である妻の元教え子で男性、しかも彼は、かつての先生のことも愛していて・・・。「妻×夫×夫の彼氏」といういびつな三角関係が織りなすヒューマンラブストーリーとなっている。

本田が演じるのは、堀田茜演じる仲道美咲の元教え子で、彼女の夫である悠生の不倫相手でもある、伊奈周平。今回のインタビューでは、複雑な三角関係を演じてみての感想や現場の裏話に加え、俳優になったきっかけなど、たっぷり語ってもらった。

――まずは、伊奈周平という役柄をどのように捉えて演じられたのかということから教えてください。

僕にとっては、ポリアモラスな性質を持った人物がいるということを知るきっかけになりました。そのため、どういった気持ちで生きている人間なのかということを、しっかりと自分の中に入れていく作業を大切にしました。複数の人をどちらも同じくらい好きな気持ちを持っているということは自分の軸としてあって、"平等に人を愛する"というワードをすごく大切にしていました。

――演じるうえで特に難しかったと感じるシーンや表現はありましたか?

自分の中で、本当に周平としてこの言葉を話せているのかと考えてしまうセリフがありました。堀田さん演じる先生と古川(雄輝)さん演じる悠生の2人がいるところで、「僕の好きな人がこうやって揃うなんて運命感じちゃうな」というセリフがあって、それが僕にはなかなか理解できませんでした。監督の「OK!」を信用して、撮影をしながら(気持ちの部分を)埋めていけたらと思いましたね。

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――現場での堀田さんと古川さんのご印象はいかがでしたか?

お2人とも僕より年上の先輩なので、最初は「どうしようかな?」と思っていました。でも、僕は楽しい現場がやっぱり好きなので、たくさん話をしにいきました。本当にしょうもない話もすごく優しく聞いてくれて、撮影はとても楽しかったです。

――古川さんにお話を伺ったとき、本田さんが車のことを聞いてきてくれたりして可愛らしかったとおっしゃっていました。

そうなんです。僕は車が好きなのですが、古川さんも車が好きみたいだったので、「どんな車がいいですかね?」って聞いてみたりしました。それで色々と教えてもらいつつ、「こういう車に乗っている男はどうですか?」というのを堀田さんに聞いてみたり(笑)。撮影の合間は結構明るく賑やかでした。

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――先輩2人に甘えていたんですね!お芝居の面では、何かアドバイスを貰ったりしましたか?

アドバイスをいただくというよりかは、「このシーンのときって、どうやって演じていたんですか?」みたいな、僕が気になったことや学びたいと思ったことを聞くようにしていました。

――この作品を通して、ご自身の中で特に成長できたと思う部分はありますか?

こういった内面、恋愛スタイルを持った人物として生きられたこと、ちゃんとクランクアップまで走り抜けたことが、きっと成長に繋がっていると思います。監督からも、すごくリアルな芝居を求められていたのですが、僕も心から共感できないことは言いたくないし、何か違うなと思ったところに関しては、監督に確認と相談をしながら、一緒に進めていく感じがすごく好きなんです。周平というキャラクターは、「どう思っているんだろう?」という瞬間がすごく多くて、それを適当に流したら成立しないなと思ったので、ワンシーンごとにちゃんと噛み砕いていきましたね。

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――ここからは本田さんご自身のことについても、もう少し深く掘り下げていきたいと思います。まず、演技というものに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

最初は、「お芝居ってどういうものなんだろう?」っていう気持ちでした。僕は剣道をやっていたのですが、「剣道ってかっこいいからやってみたいな」というときと同じくらいの感覚でした。それで、ワークショップみたいなものに参加させていただいて、すごく奥深いものだなって。

――お芝居に興味を持ったのは、ドラマや映画を観て、という感じでしょうか?

そうですね。学生時代はドラマとか映画をかなり観ていたので。いわゆる"胸キュン"モノです(笑)。次の日、学校に行って、「あれ観た?」って友だちと話していました。

――特に好きだった作品は?

テレ東さんのドラマじゃないのですが・・・(笑)。『好きな人がいること』(フジテレビ)という、山崎賢人さんと桐谷美玲さんが出演している作品です。見ていてとてもキュンキュンして、「うわ、いいな!」って(笑)。ああいう作品にもいつか出てみたいな。

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――これまで出演してきた作品の中で転機となったものはありますか?

ひとつひとつの作品に取り組む中で、自分の中で「あ、こういうことだ」みたいな、変わる瞬間やきっかけになるものは常にありますね。その中でも、去年はABEMAオリジナルドラマ『ANIMALS -アニマルズ-』でカメラマンの役を演じさせていただいたのですが、お芝居に対しての考え方が、自分の中で一個変わるようなところがありました。

――具体的に、どういったところで変わったのでしょうか?

これまでは、何話のゲストだとか、メインキャストだけど実際に出ているのは数話だけということが多かったんです。実際に演じる時間が長ければ長いほど、キャラクターの奥行きがしっかりと描かれているというか、台本を読んでいる段階から、その人間がよく見えてきます。そうやって見えてきたものに対して、自分の言葉として話すということを、メインキャラクターとして最初から最後までフルで全話出演できた作品が『ANIMALS -アニマルズ-』でした。

――そこから、さらに役作りにも深く向き合うようになれたのですね。

元から真剣に向き合ってはいたのですが、向き合い方が変わったのかもしれません。もちろん、お芝居をするときの感情も全然違います。ただ、ずっと変わり続けているので、具体的にどこがどうというのは難しいです。ここ数年は常に更新していく感じで、今年に入って挑戦しているものも、「こういうものかな?」と悩みながら取り組んでいますね。

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――今回もかなりチャレンジングな役柄だったと思います。今後、自分に「プラス」していきたいものは?

「こういう技術をプラスしたい!」というのは、今はまだ分からないですね。プラスしたいものばかりですし、経験してプラスされたときに初めて気づくものだと思います。

――こういう俳優になりたい!というような目標はありますか?

まさに今回もそうですし、これからやらせていただくことになる、初めて出会うような性格や想いを持った役柄を、お芝居を通して表現していくために、目の前にきた壁としっかり向き合って、誰よりもキャラクターを愛して、ひとつひとつ大切にやっていけたらいいなと思います。

――最後に本田さんが思う本作の注目ポイントと併せて、視聴者へのメッセージをお願いします。

ポリアモラスな内面を持った周平という人間が、1組の夫婦の中に入っていって、3人で折りなす生活模様に注目していただければと思います。人をちゃんと愛すること、好きになることにおいて、果たして自分の持っている感性が正しいのか、考えるきっかけになる作品となればいいなと思います。

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◆番組情報
『私と夫と夫の彼氏』
2023年5月31日(水)より放送予定(テレビ東京)
動画配信サービス「Paravi」で全話独占先行配信中