「サプリ」「＆」のおかざき真里の同名漫画を原作に据え、前田敦子が主演を務めるドラマ『かしましめし』（テレビ東京系）の第3話が4月24日（月）に放送された。

本作は、美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサー男女3人が、それぞれの人生に悩みながら"おうちごはん"を囲む中、一緒に暮らし始める物語。

「私たちは起きてから眠るまで自分に優しい人たちとごはんを食べる」(第1話　千春のモノローグ)優しく穏やかな共同生活の中で、3人はそれぞれままならない現実と向き合っていた。

雨海英治（塩野瑛久）は明るく前向きな性格が営業向きだと言われ、デザイナーから営業に異動させられたり、プライベートでは音信不通だった彼氏・辰也（吉村界人）が舞い戻り、仕事を辞めたからと金を無心したり、バレていないと思って平気で浮気をしていたり。そんな辰也に振り回され、傷つけられ、自分がすり減ることを感じている英治はマッチングアプリを入れてみたりしていた。

また、ナカムラ（成海璃子）は、同じ会社だと発覚した田口祐也（倉悠貴）との仲が進展しそうな気配の一方、社内の厄介者を集めた新規部署に異動させられる。小田千春（前田）は、お絵描き教室を手伝うことになった沙耶（工藤綾乃）の夫から、広告デザイナーの仕事を受注するが、打ち合わせ先でパワハラ現場を目撃し、自身がデザイン事務所を辞めるきっかけになった上司のパワハラの記憶が蘇ってしまう。

そうした迷いや葛藤が生じる度、3人が「気分転換」する方法――巻きずしをしたり、千春とナカムラで「絶対に1人では買わないフルーツ選手権」と題してスイカやアボカド（フルーツか否か問題も議題に）、パイナップルなどを購入したり――が、どれも共同生活ならではの楽しみ方であるのが愛おしい。

そんな中、3人は大学時代の同級生・キクヨ（サーヤ）が表紙を飾った雑誌を発見。すると、キクヨが3人のもとを訪ねてくる。「私は世界を見てる！」が口癖だったという"野心家"のキクヨは、朝が超弱かったのに「モーニングルーティン」を雑誌で語っていた。おまけに、雑誌の表紙を飾ったのも、取引先のアメリカのブランドがアジア進出するためのプロモーションで、中国に勢いがあるから「アジア人でひとくくり」という理由でもらえた仕事だと説明し、「雑なカテゴライズありがとう」と言ってのける。

それぞれ表出の仕方は異なっていても共通して繊細な3人とは別世界の人に見えたキクヨ。しかし、千春がデザイン事務所を辞めたことについて、目も合わせずサラリと尋ねるキクヨもまた、繊細な人物であることがよくわかる。実はキクヨは、千春の勤めていた事務所を受け、落ちたという。どうしても入りたかったという思いが、キクヨにアメリカ行きを決意させたのだった。

キクヨが言う「実力あっても芽出ないヤツがほとんどじゃん」「たくましくないと死ぬからな」は、千春へのキツめの激励にも聞こえる。さらにキクヨは、千春は才能があるし、今もライバルだと思っていると伝え、慌ただしく去っていく。

「ゴールしたように見えて、置いて行かれた気がしたけれど、そんなこともなかった。みんな等しく道の途中だった」という千春のモノローグには、キクヨからもらったエネルギーのようなものが感じられた。

それにしても3人の相性・バランスの良さが回を重ねるごとに増してくる。この3人なら贅沢する必要もなく、巻きずしとヘアピンで祭り気分が楽しめるし、そうめんでも、面倒臭いヒゲとり作業に没頭した丼いっぱいのもやしナムルでも、パーティになってしまう。そして、千春の誕生日を、ナカムラが帰宅時に背に隠していた花束と、そうめん＋線香花火を立てたパイナップルで、サプライズで祝うナカムラと英治。幸せの沸点が低く楽しみ上手な3人の生活が、ずっと続けば良いのだが。

そんなある日、英治に新たな出会い（正確には再会）が･･････この出会いがはたして3人の日々にどんな変化をもたらすのだろうか。

文：田幸和歌子

【第4話（5月1日[月]放送）あらすじ】

千春（前田敦子）とナカムラ　(成海璃子)と英治(塩野瑛久)が住む家に、美大の同級生の榮太郎（若林拓也）がやってくる。榮太郎に恋心を抱く英治が自慢の手料理を振る舞い、４人は賑やかなランチを過ごす。そんなある日、家に戻らない英治を彼氏の辰也（吉村界人）が迎えに来て･･･。一方、ナカムラも恋人の田口（倉悠貴）と過ごす時間にどこか違和感を抱きはじめていた。そして、千春は仕事で取材を受けることになるのだが･･･。

◆番組情報
ドラマプレミア23『かしましめし』
毎週月曜23：06～23：55（テレビ東京系）
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」でも配信

（C）「かしましめし」製作委員会

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