テレビ東京にて5月に放送予定のドラマ『私と夫と夫の彼氏』。動画配信サービス「Paravi」では、1~5話が独占配信中、6~10話は4月11日(火)19:00から配信される。原作は、コアミックスで人気の綾野綾乃による同名作。夫の不倫相手は、教師である妻の元教え子で、しかもその不倫相手の彼は、かつての先生のことも愛していて・・・。「妻×夫×夫の彼氏」といういびつな三角関係が織りなすヒューマンラブストーリーとなっている。
今回、地上波連続ドラマ単独初主演となった主人公・仲道美咲役の堀田茜にインタビューを行い、複雑な三角関係を演じてみての感想や、間もなく配信される後半の見どころなどを聞いた。
――珍しい三角関係を題材にした作品ですが、最初にオファーを受けたときの感想は?
最初に台本を読んだときは、キャラクターそれぞれの心情の変化や、いびつな三角関係が繊細に描かれていくお話で、すごく難しそうだなと思いました。また、登場人物全員が愛せるキャラクターだとも感じました。私の演じる美咲は、葛藤と戦いながらも新しく挑戦する姿勢がかっこよくて、大切に表現していきたいなと思いました。
――堀田さんご自身と美咲との共通点や異なる点を教えてください。
恋愛に関して、美咲は自分の気持ちを我慢して押し殺してしまうところがありますが、そこが自分とは相反するところかなと思います。私は、話し合いをしたいタイプなので、演じながらすごくもどかしく感じていました。美咲は突拍子もないと思われるようなことでも、世の中の目線を気にせず、自分の信じた道を提案できる人なので、そこは見習いたいですね。
――演じてみて難しかったシーンはありますか?
最初に台本を読んだときに「難しいな」と感じた通り、撮影でも頭を悩ませることがありました。自分の夫が同性愛者で、その不倫相手が自分の元教え子だということを知っても、美咲は別れるという決断をせずに、それぞれの関係の在り方を自ら作っていくのですが、見ている人に違和感を覚えさせないように、説得力を持たせるのが難しいところでした。
――先生役ということで、ご自身の学生時代に印象に残っている先生はいらっしゃいますか?
高校3年生のときの担任の先生です。最後の進路面談で、「芸能の仕事をしたい」と相談したら、「向いているんじゃない?」と言って背中を押してくれたのが印象的でした。否定することなく、「いいじゃん!」って言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。
――共演の古川雄輝さん、本田響矢さんのご印象をそれぞれお聞かせください。
古川さんはクールで寡黙なイメージがあったのですが、お話をさせてもらうと面白い方で、ギャップがありました。本田君は、天真爛漫なムードメーカーで、フレッシュな愛されキャラだなと思いました。気づいたら周りに人が集まってくるような方です。
――三角関係を演じるにあたり、古川さんや本田さんと「こんな関係値を築いていこう」というような話し合いはされましたか?
特にそういう話はしなかったのですが、気づいたら3人での空気が出来上がっていました。本当にそれぞれのキャラクターが存在しているように思えて、話し合いがなくてもすっと打ち解けられるようなオーラがお2人にあったので、すごく助かりました。
――印象に残っている撮影中のエピソードはありますか?
古川さんは、朝のメイク中にいつもチキンを食べているのですが、「そのチキン、何味なの?」と聞かれたときに、「プレーンだよ」と答えていて。でも、実際は焼き鳥味のチキンだったんですよ(笑)。「めちゃくちゃ味ついてるじゃん!」ってなったときに、古川さんが照れた感じで笑っていらして。博識でクールなイメージとはまた違う、可愛らしい一面が見られて嬉しかったです。
――すでにParaviでは前半5話が配信されていますが、本日4月11日より、後半5話も配信となります。堀田さんの思う後半の見どころはどのあたりになってくるのでしょうか?
最後に3人の関係性がどう着地するかだと思います。
お芝居をしていて私が一番グッときたのは、自分が同性愛者であることを両親や周りには言えずに生きてきた悠生が、家族とぶつかるシーンです。美咲も彼のことを支えようとするのですが、そのときのセリフも良いですし、そのシーンから一気にラストに向かっていくので、そこが見どころかなと思います。
――以前、撮影前にインタビューさせていただいたときは、今回の役柄を通じて「美咲と一緒に成長できたら」とおっしゃっていましたが、実際演じられて成長した部分はありましたか?
撮影中は一生懸命になりすぎて客観視している余裕はなかったのですが、終わってみて、すごく感じるところがあります。肩書や性別、年齢など関係なく、"一人の人間として見て、そして愛する"ということを、難しいけどやろうとしている姿勢がかっこいいと思うようになって。美咲役を通じて、改めて、私もそういう人になりたいなと感じました。今回、そんな経験を疑似体験できて本当に良かったと思います。
――今回の難しい役柄・挑戦を乗り超えて、堀田さんの次なる目標は?
お芝居では、楽しさと同時に様々な課題も見えてきていて、今はもっと振り幅が欲しいなと思っています。暗い役、怖い役、意地悪な役にもどんどん挑戦していきたいですね。以前、犯罪に手を染めてしまう女の子の役を演じたことがあるのですが、それがすごく楽しくて。悪い役を堂々と演じられるのってお芝居ならではなので、30代になった今、改めて挑戦したいです。
――タイトルにちなんで、堀田さんの思う理想の「彼氏」「夫」をそれぞれ教えてください。
私はお笑いが大好きなので、同じところで笑えたり、映画や本、美術館などでも同じところで「いいな」と思えたり、そういう人とだったら一緒にいて落ち着けそうだなと思います。彼氏の延長上に旦那さんがあると思うので、違いはあまりないかもしれませんが、子どもが好きな人がいいな、とは思います。同じ目線で、一社会人として、一緒に生きていける人がいいですね。
――最後に、視聴者に向けてメッセージをお願いします。
今のこの時代だからこそ見てもらえるような、すごく繊細なお話だと思います。3人の真っ直ぐな生き方や、表面だけではない、彼らの深い部分まで思いやりながら作った作品なので、観て感じてもらえるものがあれば嬉しいです。
◆番組情報
『私と夫と夫の彼氏』
2023年5月31日(水)より放送予定(テレビ東京)
動画配信サービス「Paravi」で1~5話が独占先行配信中
4月11日(火)19:00より6~10話が配信
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