芸人・クロちゃん(黒川明人)の半生をドラマ化した Paravi オリジナル人生ドラマ劇場『クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~』(全5話)が、動画配信サービス「Paravi」にて独占配信中。クロちゃん役を野村周平が務め、各話には豪華女優陣がヒロイン役として登場する。さらに、バイきんぐ小峠英二、クロちゃん、藤本美貴、高橋みなみがスタジオMCとして参加し、ドラマを見ながら好き放題感想を言い合う。クロちゃん本人への取材を元に作られた"嘘のようで本当"のドラマを、MC陣たちと一緒に楽しむことができる。今回、本作で主役のクロちゃんを演じた野村周平にインタビューを行い、役作りなどについて話を聞いた。
――クロちゃんの半生をドラマ化するという企画を聞いたときの率直の感想は?
嬉しかったですが、正直「何で俺?!」というのはありましたね(笑)。
――ちなみに、どのような形で野村さんの元にオファーがきたのでしょうか?
そのまんま、「クロちゃんが実写化されるんですよね」って。「クロちゃんって実写じゃなかったの?」と思いましたし、クロちゃんの半生を描いた作品と聞いても、「半生って言うほど生きてなくない?」みたいな感じでしたね(笑)。
――そんなツッコミどころ満載の企画ですが、それでもこのお話を受けたのはなぜですか?
わけが分からなさ過ぎて(笑)。でも、これをしっかりやったら、めちゃくちゃ面白いものになるなとは思っていたので、やっぱり受けて良かったです。これを断った人がいたとしたら、今ごろ後悔してますね多分。
――ちなみに、もし自分の半生を描いた作品が作られるとしたら、どなたに演じてほしいですか?
アル・パチーノとかロバート・デ・ニーロとかジョー・ペシとか。若い頃のスターたちかな!今の日本にはいないですね(笑)。
――顔が半々のキービジュアルも印象的ですが、それをご覧になった感想はいかがですか?
タイトルがなかったら、すごく良いドラマが始まりそうな感じのポスターですよね。だから、なんかもったいないなと思いました。『クロちゃんずラブ~やっぱり愛だしん~』って入って、めちゃめちゃ台無し!って(笑)。
――ドラマを拝見して、あまりに似ていることに衝撃を受けたのですが、役作りでこだわったところや、クロちゃんのように見せるための一番のポイントを教えてください。
そもそも、クロちゃんに寄せるのか寄せないのか、すごく悩んでいたんです。撮影がスタートしても、まだ悩んでいたくらい。そこで、「やっぱり声は高い方がいいんじゃない?」となって、ちゃんと"クロちゃんをやろう"ということになりました。なるべくぶりっ子にしとけば、大体はクロちゃんに近づけたので、ぶりっ子を意識しましたね。
――体重も増やされたそうですね。苦労されたのではないでしょうか?
楽でしたよ、このタイプの役作り!食べたいものを食べて、ずっとビールを飲んでおけばいいんですもん。それで「この人すごいな」って言われるんだから、こんなに自由にやっていい仕事は初めてでしたね。これが許されるんだったら、ずっとこれがいいな(笑)。
――撮影現場では、野村さんご自身もかなり意見を出されたのですか?
もはや監督が2人いるぐらい、僕も「カメラワークはこうがいいじゃない?」とか、もうクリント・イーストウッドばりに言っていましたね(笑)。 本当に楽しくて、意見交換をしながら撮影ができる、すごく愛の詰まった現場でした。みんなが撮りたいものを撮って、僕も映してほしいものをやっているという感じ。毎回こんな撮影できたらいいのにねって思いました。
――クロちゃんも現場にいらしていたようですね。
クロちゃんはクランクインとクランクアップのときに来てくれましたね。最初は、あの"ビッグサンダーウェーブ"のやり方が「真っ直ぐじゃなくて、振り下ろし気味がいいんです!」って言われて(笑)。後半は、もう僕もクロちゃんになりきっていたので、ダブルクロちゃんで喋っていました(笑)。
――その他、何か面白かった撮影中のエピソードはありますか?
4話にクロちゃんがプロデュースしている「豆柴の大群」というアイドルグループがキャバ嬢役で出演していて、クロちゃん役の僕は、その子たちのパンツを覗こうとしているんです。でも、クロちゃんからすると「豆柴の大群」は娘みたいな感じだから、「自分の娘のパンツを見ようとしてるような感じがして、僕はすごい嫌だ!」って言っていて、それが面白かったですね。
――野村さんから見たクロちゃんはどんなご印象ですか?
昔からクロちゃんのことが結構好きだったんです。最初は、"クズだけどめちゃめちゃ面白い人"と思っていましたが、演じるうちに、クロちゃんは男の欲求をさらけ出している人なんだなと思うようになりました。ただ欲に素直に生きていたらああなったんだと思います。もし世の中の男性が我慢をせず、欲に忠実に生きたらああなると思います。
――クロちゃんのどんなところがお好きだったのですか?
笑いの神に愛されている人っているんですよね。面白すぎる人って、どれだけひどくても許されるんですよ。だから好きですね。"面白すぎる"というところが人を魅了しているところなのかなと思います。何の世界でもそうですが、面白すぎる人とかっこよすぎる人って何しても許されるじゃないですか。
――劇中には、クロちゃんの生い立ちで衝撃的なエピソードが盛り込まれていますが、共感できるようなものはありましたか?
先ほども言ったように、あれを我慢するのが人間っていう生き物だと思いますし、その部分が欠如しているのがクロちゃんなんです(笑)。だから、男性は多分みんな共感するんじゃないかな。男性の欲望の象徴みたいな・・・いや、もう三大欲求のひとつがクロちゃんと言ってもいいかもしれない!
――全5話の中で一番印象に残っているお気に入りのエピソードは?
全部印象に残っていますが・・・電車で夢精をするシーンがあるんです。クロちゃんから、「あんなのやってくれていいんですか?!」って言われたのですが、クロちゃんにそれを言わせたというのが誇らしいなと思います。
――そのシーンを演じたご感想は?
撮影初日の夜、その日の最後に撮影したシーンだったのですが、流石に「そこまでやる?」って言いましたね。とはいえ、今までも映画『日々ロック』をはじめ、結構尖がった役をやってきたからか、そこまで抵抗はなく、スーッと入ってきた感じはしました。
――クロちゃんを完璧に演じられて、普段の生活でクロちゃんっぽさがでてしまうことはないですか?
クロちゃんが出ちゃうというよりかは、友だちに「ちょっとクロちゃんやってみてよ!」って言われるのが、ちょっと癪ですよね。クロちゃんの気持ちが分かり始めてきたというか、ただ振られるってちょっと嫌だな・・・と思います(笑)。
――最後に、これから番組を観る視聴者の方々に向けてメッセージをお願いします。
これがもし地上波放送のドラマでできていたらもっと面白いというか、日本のエンタメや制作方法までもが変わるぐらい、衝撃的な作品じゃないかなと思います。日本でも、これだけ面白いことをできるということを感じ取ってもらいたいなと思うし、「まだ日本も捨てたもんじゃねえな!」って思ってもらえたらいいなと思います。
◆番組情報
Paraviオリジナル 人生ドラマ劇場
『クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~』(全5話)
動画配信サービス「Paravi」にて全話配信中
(C)Paravi
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