4月7日(金)より、テレビ東京系にてドラマ24『シガテラ』(毎週金曜24:12~)の放送がスタートする。原作は「行け!稲中卓球部」「ヒミズ」などで知られる人気漫画家・古谷実による同名作で、単行本は全6巻で発行部数200万部のベストセラー。いじめられっ子の高校生が送る"日常"と、その中に潜み平穏を侵略する"非日常"を描いた青春サスペンスとなっている。

今回、主人公の荻野優介を演じる醍醐虎汰朗と、荻野の恋の相手である南雲ゆみを演じる関水渚にインタビューを行い、本作にかける想いなどを聞いた。

――まずは、原作・脚本を読んだ感想を教えてください。

醍醐:僕が演じる荻野というキャラクターは、普通だったら言葉には出さないようなことも長々と喋るので、「これをどう撮っていくんだろう?」という不安がありました。撮影に入って3日目くらいまでは、監督とも色々と話し合いながら、探り探りでキャラクター性を掴んでいった感じでしたね。

関水:初めて人を好きになったとき、その一挙一動にドキドキするのは、やっぱりみんな共通なんだと思って、微笑ましく懐かしい気分になりました。高校生のときの繊細な気持ちが男女ともにすごくリアルに描かれていて面白かったですし、多くの人が共感できるリアルな終わり方だと思いました。

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――荻野役を実際に演じてみて、難しかったシーンや苦労した点はありますか?

醍醐:長ゼリフです。特に南雲さんと一緒にいるときは、荻野が自分のゾーンみたいなものに入って、たくさん喋って捲し立てるようなシーンが結構多くて。それから今回は、漫画では心の声として描かれているモノローグの部分も、実際にその場で声に出して喋っていたりするんです。普通のモノローグだったら台本を見ながらアフレコできるのですが、その部分も含めていっぱい喋らなくてはいけないので、毎日セリフに追われています(笑)。

――関水さんは、事前のコメントで「南雲ゆみというキャラクターは男性の理想が詰まった女性」と分析していらっしゃいましたね。

関水:普段、男性が女性にやってあげていることをできる女性なのかなって思うんです。女性には生理があるから、情緒不安定になりやすかったり気持ちが一定でないことが多かったりする。それを、なんだかんだ男性が支えてくれている部分が結構あると思います。それは彼氏彼女とかパートナーの関係じゃなくても、です。荻野君に「落ち着いて」とか「また今度にしよう」って言うのって、男性が"こういうふうに包み込んでもらえたら幸せなんだろうな"っていう理想を詰め込んだもので、それが南雲さんなのかなって感じています。だから私は、そういった男性をモデルにして役作りしていたりもするんです。

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――原作も読まれたということで、役作りのヒントになった部分があれば教えてください。

醍醐:やはり人間が演じるので違うこともありますが、原作がある分、ベースとして"こんな感じ"という大きな道しるべになりますね。監督も原作に寄せてイメージを作っている部分が多いと思うので、お芝居でそれに応えていけたらと思います。

関水:漫画って表情がすごく豊かじゃないですか。言葉じゃなくて表情で表現されている割合が大きいなと思うんですよね。例えば、荻野は自分の思っていることを素直に伝えるのが怖いと感じている部分が少なからずあって、それをセリフで遠回しに言ったり、相手に断られないよう、自らあえて断る方向に持っていったりしますが、漫画を見ると、そういうときって(荻野は)大体真顔なんです。きっと相手に気持ちを悟られないように努力している結果なんだろうなと感じて、そういうことが大きなヒントになったりもしました。

――今回が初共演ということで、お互いのご印象は?

醍醐:しっかりと理詰めをして、自分の役だけじゃなく全体のバランスを考えながら演じてくださいますね。物語の主軸は荻野ですが、基本的には"受け芝居"が一番重要だと思っていて、(関水さんから)受け取れるものはすごく大きいです。やりやすいですし、頼れる存在です。

関水:私は虎汰朗君の真っ直ぐさに毎日胸を打たれています。私も真っ直ぐでいたいと思うのですが、多少なりとも曲がってしまう部分はあると思うんです(笑)。それが彼には全くないんですよ!眩しくてしょうがなくて、キラキラしているから、ちょっと分けてほしいなって思うくらい。今回の役にもピッタリで、虎汰朗君以外にはできないんじゃないかなって感じています。

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――撮影中に面白かったことなど、裏話を教えてください。

醍醐:全裸で廊下を走るシーンが恥ずかしかったですね。前貼りではなくてTバックみたいなものを履いてやったのですが、スタッフのみなさんは特に意識してなかったと思いますがそれでも目線がとても恥ずかしくて・・・(笑)。

関水:虎汰朗君を見ていると、毎日が面白くてしょうがないです(笑)。漫画でも、荻野が「もう裸で抱き合わなきゃダメなんだ!」とか言いながら急に服を脱ぎ始めるシーンがありますが、その撮影のとき、(醍醐さんが)今まで上半身裸で堂々としていたのに、急に「裸が恥ずかしくなっちゃった」って言いながら、汗だくなのにフリースを着始めて。可愛いなって思いました(笑)。

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――荻野にとってのバイクのように、人生を変えたきっかけに思えるようなものがあれば教えてください。

醍醐:地元の友だちです。僕が芸能界に入ったのは15、16歳のときだったのですが、1年くらいエキストラなどの仕事を経て、初めて舞台の主演が決まったんです。その当時は高校生だったので、周りでバイトをしている友だちよりも、ちょっと多めのお金を初めてもらえて、それでちょっと気持ち良くなっちゃったのもあって、友だちにご飯をご馳走したんですよ。そしたら、その友だちから「なんかお前、変わったな」「同い年なんだから、そこらへんイーブンでいくのが普通なんじゃないの」って言われたんです。でも、僕も当時は「ご馳走しているんだから、そんな言い方ないでしょ!」みたいな気持ちがあって。それで喧嘩になって、1年間くらい本当に口をきいてくれなくなりましたね。思春期真っただ中だったので、僕も謝りたくなかったんです。でも今は、気づかないうちに少し調子に乗っていた自分を正してくれたんだなって思っています。今でもすごく鮮明にその出来事を思い出しますね。その友だちとは今も仲良しです。

関水:私はやっぱり、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」を受けて芸能界に入ったことですかね。それまでは、どうしてもやりたいことが特になかったのですが、同じ事務所の先輩である石原さとみさんに憧れて、「どうしてもやりたい!」と思えたので、自分にとってはものすごく大きな変化でしたね。初めてここまで執着したというか、とにかく猪突猛進。臆病で怖がりのクセに、「えいっ!」とやっちゃうようなところがあるんです。

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――「えいっ!」と芸能界に入ってみて、いかがでしたか?

関水:心が寛大になって"苦手な人"というのがほとんどいなくなりました。どんな性格、どんな職業、どんな育ちの役のオファーが次にくるか分からないので、常に構えていないといけないじゃないですか。だから、例えば少しムッとするようなことを言われても、「この人は何でこういうことを言ったんだろう?」と考えて、理解する方向に持っていくようになりました。人のことを「好き/嫌い」でジャッジしなくなったのは、良いことだと思います。

――醍醐さんはいかがですか?

醍醐:すごくポジティブに変化していると思います。僕が憧れている人は、新海誠監督が所属している会社の社長(川口典孝)さんなんですよ。よく笑うし、よく泣くし、本当太陽みたいな人だなと思いますね。僕の目指す理想像じゃないですけど、その方のように人に良い影響を与えられるようなポジティブな人間になりたいと思って、意識しています。今でも時々ガンって落ちちゃうこともありますし、まだまだ足りないですが、人間力みたいなものはこれからも磨いていきたいですね。

――関水さんは共演する中で醍醐さんのそんな一面も垣間見たのでしょうか?

関水:そうですね。元々明るい性格ではあると思いますが、そのポテンシャル以上に努力している姿が素敵だなと思います。座長がそういう心待ちでいてくれると現場の士気も上がりますし、私も引っ張ってもらっています。

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◆番組情報
ドラマ24『シガテラ』
2023年4月7日(金)放送スタート(テレビ東京系)
放送直後に動画配信サービス「Paravi」にて配信

撮影:山田健史

【醍醐虎汰朗】
ヘアメイク:カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)
スタイリスト:MASAYA(ADDICT_CASE)

•シースルーシャツ ¥27,500 (fEEL)
•アシンメトリーシャツ ¥24,600 (Mizuid)
その他スタイリスト私物

【関水渚】
ヘアメイク/井手真紗子
スタイリスト/津野真吾(impiger)

・シャツワンピース¥49,500/KLICHÉ(KEII Design合同会社)
その他/スタイリスト私物