テレビ東京にて放送予定のドラマ『私と夫と夫の彼氏』。動画配信サービス「Paravi」では、3月28日(火)19:00から1~5話を、4月11日(火)19:00から6~10話を独占先行配信する。原作は、コアミックスで人気の綾野綾乃による同名作。夫の不倫相手は、教師である妻の元教え子で、しかもその不倫相手の彼は、かつての先生のことも愛していて・・・。「妻×夫×夫の彼氏」といういびつな三角関係が織りなすヒューマンラブストーリーとなっている。
今回、地上波連続ドラマ単独初主演となった主人公・仲道美咲役の堀田茜、そして夫・悠生役の古川雄輝、夫の彼氏・伊奈 周平役の本田響矢にインタビューを行い、撮影に向けた意気込みや役作りで用意していることなどについて話を聞いた。
――これから撮影に入られるということで、原作や脚本を読んでの感想をお聞かせください。
堀田:ここまで繊細なお話のお芝居をするのは初めてなので、色々なことを考えながら台本を読みました。様々な立場の人がいて、それぞれがより生きやすくなるために社会が動いている、そういう波のある時代だと思うので、今の時代にあった作品だなと感じています。原作が漫画とはいえ、あまりに非現実的なストーリーかと思われるかもしれないのですが、こういった悩みに立ち向かいながら生きている人が身近にいるということを感じてほしいというか・・・。色々な立場でジェンダーの問題と戦っている人に寄り添えたらいいなと思っています。
古川:"多様性"という言葉をよく聞くようになりましたが、まだ焦点が当たっていない部分も多いと思っています。例えば、テレビなどで女装をしている男性はよく見かけるけど、レズビアンの方ってあまりメディアに露出していない。そんな中で、人が決めるのではなくて、自分がどういう生き方や恋愛をしていきたいのかというところに焦点を当てている話だから、すごく面白いなと思いながら読んでいました。こう話すと、議題がたくさんあって難しい話のようにも思えますが、3人で共存する方法を見つけ出すというストーリーで、この難しい問題を少しポップに描くというか、見ている側も色々と考えながら楽しむことができる話なので、すごく良い脚本だと思いました。
本田:まず原作の漫画のビジュアルを見たときに、内容が分かりやすく、理解しやすい作品かなと思っていたのですが、すごく繊細で、人それぞれの個性を尊重して生きていくことの大切さを考えさせられました。また、実際に一人ひとりが考えていることや、そこにある想いって、案外純粋なものなのかなとも思いましたね。
――古川さん、本田さんから見て、堀田さんの印象はいかがですか?
古川:堀田さんとの共演は今回で共演2回目になります。初共演は5年くらい前で、その時はあまりお芝居での絡みはなく、作品もポップな内容でしたので、今回真剣なお芝居を一緒にできるというのが楽しみですね。印象は、当時と変わらず明るいイメージがあります。
本田:すごい・・・良い香りがします(笑)。優しいオーラもでていて、一緒に撮影していくのが楽しみです。実際にこんな先生がいたら素敵ですよね。
――堀田さんからみたお2人はいかがですか?
堀田:古川さんは、クールでシュッとしていてオーラがあって・・・パブリックイメージと変わらないようなカッコよさがある方だなと思います。今回は夫婦役なのですが、すごく難しい関係性なので、たくさんお話しできたらいいなと思います。
本田さんはすごく柔らかい雰囲気をお持ちですよね。古川さんも、本田さんもお綺麗な顔立ちをされているので、「美しいな・・・」と思いながら、お芝居をしていくことになると思います(笑)。
――先生役という意味で、どういうアプローチをしようと思っていますか?
堀田:20代の頃は先生役と言われてもあまりしっくりこなかったのですが、30代に入ってから、年齢的にもどっしり構えられている部分が自分にも出てきたのかなと思います。美咲は、生徒に対して、ちゃんと"個"として向かい合いたい人だと思うので、先生と生徒という枠組みを超える存在になりたいなと思います。
――それぞれ、ご自身の演じる役柄について、どう捉えているかを教えてください。
古川:同性愛者だということに確信を持てないところから始まるので、繊細な気持ちの変化を上手く表現して、美咲と周平、2人に対しての想いの違いを伝えられるよう意識しようと思っています。
本田:人を愛する気持ちや感覚って、生きていれば自然と湧き出てくる感情ではあると思うのですが、その想いが"複数の人に対してある"というだけで、周平に寄り添った今はそんなに特別なものだとは思っていません。一人ひとりのことを大切に、ちゃんと真剣に見て感じられたらいいなと思います。
堀田:この物語は、夫が自分の知らない性的趣向を持っていたという衝撃なところから始まります。そこで、紙面上での結婚は男性と女性とでしかしてはいけないという決まりに疑問を抱いたり、そのルールの中で誰かを愛さなければいけないのかなど、色々と考えさせられる内容です。美咲がすごく成長するお話だと思いますし、このお話を乗り超えたら、この先怖いものはないんじゃないかというくらいどっしりと構えて生きていけると思うので、私も美咲と一緒に成長できるように、たくさん考えながら演じていきたいと思います。
――この難しい題材を演じるにあたって、どうやって演じる役柄に説得力を持たせられると思いますか?
古川:今回は「幸せ」も脚本のテーマのひとつになっているんです。そこも意識するのがいいのかなと思いました。何を以て「幸せ」だと感じるかというのが人それぞれある中で、世の中に固定概念となっているものがあったりもして、それを裏テーマとして考えてみると深みが出るのかな。あとは、人生経験が生かされる作品なのかもしれないとも思いました。若い頃の「好き!」「カッコいい!」とかじゃない、もっと複雑なものを出していけたら説得力が出てくるのかなと思います。
――悠生役は、葛藤もありつつもどっちつかずな印象を持たれて、視聴者に反感を持たれてしまいそうな感じもします。
古川:そうですね。ですので、「こういう生き方もあるんだ」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。
――堀田さんはいかがでしょうか?
堀田:一番大事にしたいのは、肩書とか性別じゃなくて、一人ひとりのことをちゃんと見ること。きちんと個性として捉えるというのを大切にしたいです。その人の生き様とか、何を考えて生きているのか、というのを踏まえて演じたいですね。
――美咲が驚きの決断を下しますがその葛藤もなかなか演じがいがありそうですね。
堀田:そこから話がどんどん展開していきますし、良い意味で"ちゃんとしたエンタメ"になっている部分だと思うので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
――本田さんはいかがでしょう?
本田:僕の演じる周平は、悠生や先生の美咲の考えだとか、決断の裏にある本心までは理解しきれないところもあると思います。だからこそ、周平の生き方は純粋で素直なものなので、そこをちゃんと見せることができれば、共感してもらえたり、納得してもらえたりするのかなと思います。
――「幸せ」が本作のテーマのひとつでもあるということで、みなさんの幸せだと思う瞬間、価値観を教えてください。
古川:悠生のセリフで、"相手が幸せだと、それで僕も幸せと感じられる"というのがあるのですが、僕自身もそういうタイプなんです。でもそれは、相手に自分の幸せを委ねていることになってしまうので、あまり良いことではないのかなと思っていましたが、それが脚本に書かれていて驚きました。だから、僕が演じる悠生と同じ価値観ですね。食事のメニューを考えるときも、相手が食べたいものを食べたいと考えてしまいます。相手が喜んでくれることが自分の喜びでもあると思っていますね。
堀田:毎日焼き肉でもですか(笑)?
古川:毎日焼き肉でも(笑)。でも、自分の幸せは自分で見つけるべきだし、誰といるときの自分が好きか?とか、そういう考え方のほうが幸福度が高いと思います。
――堀田さんはいかがですか?
堀田:古川さんが仰る、相手が幸せだと自分も幸せという感覚は私も結構ある方だと思います。
日々の中で幸せを感じる瞬間は、すごく喉が渇いているときに、お酒を飲む瞬間(笑)。次の日のことを考えずに友人と焼き肉に行くのが、自分にとってのご褒美ですね。
――本田さんはいかがですか?
本田:僕がこの仕事を始めたきっかけや頑張れる理由って、地元の友だちや家族がすごく笑顔で見守ってくれることが幸せだからなんです。そういうのが僕の幸せの価値観かなと思います。あと、僕は温泉が好きで!よく行くのですが、それが一番の幸せです。サウナも流行っていますが、僕は温泉に浸かっていたい派です。
――最後に、番組を楽しみにしている視聴者に向けてメッセージや撮影に向けての意気込みをお願いします。
古川:3人で力を合わせて番組を作っていきますので、楽しみにしていてください。
堀田:空気的には静かに過ぎていくお話なのですが、自分の価値観を改めて考え直すきっかけにもなると思うので、没入して見ていただければと思います。
本田:自分の今の生き方や価値観、人との付き合い方を、この作品を通して見つめ直す、そんな瞬間があったら嬉しいなと思っています。撮影頑張りますので、是非楽しみにしていてください。
◆番組情報
『私と夫と夫の彼氏』
2023年5月31日(水)より放送予定(テレビ東京系)
動画配信サービス「Paravi」で独占先行配信(※5話ずつの配信)
3月28日(火) 19:00より1~5話
4月11日(火) 19:00より6~10話
(C)テレビ東京
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