この2人、どうして好き同士なのにうまくいかないんだ〜!
あかり(久間田琳加)の元恋人が、大和(塩野瑛久)じゃなかったら、またちがっていたんだろうなぁ・・・ともどかしくなった『ブラザー・トラップ』(TBS系)第8話。
ここまできたら、願うことはひとつだけ! あかりも和泉(山中柔太朗)も、そして大和も。過去のトラウマを克服して、前に進んでほしい。この3人が向き合わなければいけないのは、"恋"だけじゃないような気がするんです。
あかり・和泉・大和が、それぞれ解決しなければいけない"問題"
まず、あかりが乗り越えなければいけないのは、高校時代の恋愛のトラウマじゃない。他人に気を遣いすぎる性格を直さなければ、また同じことの繰り返しだと思うんです。
だって、急にそっけなくなった大和に、「何かあったの?」と聞けていれば、"気持ちが冷めたんだ"なんて勘違いをすることだってなかった。大和も、「実は、母親が入院してて・・・」と相談できていたかもしれない。
ただ、あかりが性格を変えたところで、和泉が自己肯定感を上げなければ、何も変わらない。たしかに、人気者でなんでもできる兄がいたら、自信を失くしてしまうのも分かります。
でも、大和にも大和でいろいろなコンプレックスを抱えている。大和だって、"和泉みたいにはなれない"って思っているんです。
和泉は「俺が今、あかりさんと付き合ってるのが正しくないんじゃないか」って言っていたけれど、恋愛に正解はない! お互いに好きで、一緒にいたい。その気持ちがあれば、いいんじゃないかな。
大和の存在があるから仕方がないのかもしれないけれど、あかりも和泉もものごとを重く捉えすぎている気がする(私もそういうタイプだから、分かります・・・)。もっと軽く、ふわっと、気楽な恋愛ができたらいいのにな。
そして、大和はなんでもひとりで抱えてしまうところを直さなきゃ。つらい時は、「助けて」って言えるようにならないと、いつまでも"なんで俺ばっかり"という不満を抱え続けることになる。
だから、大和が弟の気持ちを考えず、あかりに「俺のそばにいなよ」と告白をした時、なんだかホッとしたんですよね。ずっと纏っていた"お兄ちゃん"の鎧が、取れたような気がして。
大和があかりに告白をしたことで、三角関係はさらにもつれていくはず。でも、それでいい。3人とも、今までは自分を押し殺してきたからこそ、素直になって、バチバチしちゃえばいい。本気でぶつかってみて、最終的にもっと絆が深まる成瀬兄弟、そしてあかり&和泉カップルの姿が見たいです。
当て馬キャラが、ヒロインの背中を押す理由は"優しさ"だけじゃない?
第8話でいちばん印象に残っているのが、遥(工藤遥)の"片思いなんて不毛"発言。
「好きな人とうまくいくように応援したり、報われてほしいなんて綺麗ごと言ったり、結局またどっかで、お前のおかげだって言ってもらえるの期待して・・・そんなのつらいだけじゃん!」
幼なじみの駒井(若林時英)に、今まで抱えてきたしんどさをぶちまけた遥。この発言により、今まで抱えてきた"なんで好きな人の幸せを願ってしまうのか問題"の謎が解けた気がしました。
ドラマとかで、よく"当て馬キャラ"が言うじゃないですか。「お前の恋が叶うことを、願ってる」とか。私はそれを観るたびに「ほんまかいな!」と思ってきた。でもたしかに、"お前のおかげだ"って言ってもらえるのを期待しているのかも。そう考えると、すごく辻褄が合いました。遥、すごい!
さて、次週はいよいよ最終回。三角関係の行方はどうなるのでしょうか! ロスになるのが今から怖い・・・(涙)。
(文・菜本かな/イラスト・まつもとりえこ)
【最終話(3月21日[火]放送)あらすじ】
大和 (塩野瑛久) から告白されたあかり (久間田琳加) は、すぐに大和に言葉を返すことができなかった。
そんなことがあった数日後、あかりは由紀 (NANA) の病室を訪ねていた。あることがキッカケで、由紀に今の胸の内を話してしまうあかり。だが、自分だけでは気づくことのできなかった言葉を由紀から掛けて貰い、あかりは今の自分の気持ちとちゃんと向き合うことに。そして、向かった先は...
一方、和泉 (山中柔太朗) は大和を呼び出し、真剣な表情でこれまで大和に思っていたことを伝え始め・・・。
三角関係、ついに完結・・・! それぞれが出した答えは─?
◆放送情報
『ブラザー・トラップ』
毎週火曜深夜24:58よりTBSほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」では全話配信中。
- 1