テレビ東京系にて、3月24日(金)20:00より放送されるドラマスペシャル『ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者』。放送終了後、動画配信サービス「Paravi」でも配信される。本作は、とある事件の容疑者として浮上した解離性同一性障害(DID)を抱える青年・元村周太(竹内涼真)をめぐり、元刑事が真相に迫るべく奔走する姿が描かれるヒューマンサスペンスドラマ。
今回、妻を殺害されたことをきっかけに刑事を引退し、現在は1人娘を育てる専業主夫という主人公・獅子舞亘を演じる沢村一樹にインタビューを行い、役作りや共演者の印象などについて話を聞いた。
――最初に脚本を読んだ時の印象を教えてください。
今回、実は企画の段階から少しだけ関わらせていただいています。DIDという題材を表現するのに苦労しつつ、最終的にすごく面白い台本ができたのでワクワクしていたのですが、「元村役は誰がやるんだろう?」というのが脚本を最初に読んだ時の正直な印象です。自分の役というより、元村のことが気になって仕方なかったです。
――元村周太役が竹内涼真さんに決まったと聞いたときは、どう思われましたか?
そこまでのビッグネームがくると思っていなかったので正直驚きました。竹内君のイメージって、"イケメン"じゃないですか。今回イケメンじゃない人格も登場するので、大丈夫かなと思いました。でも、現場での竹内君を見ていたら、初日からすごいパワーを感じて。これはきっと面白いドラマになると確信が持てました。
――今回演じられる獅子舞亘という役柄について、どのように役作りをされたのでしょう?
それが結構難しくて。妻を亡くして父と娘二人暮らしという刑事を、今までもやっているんですよ。なので、新しい引き出しを用意しなければいけないんです。あまり細かいことは考えないで、元村といる時の自分の自然な感覚でやっていこうと思って、クランクインした時には、まだ全然役が仕上がっていませんでした。
――竹内さんが演じる元村の雰囲気を直接感じつつ、沢村さんも役作りをされたのですね。竹内さんの演技はいかがでしたか?
そうですね。リアクションした時の雰囲気をしっかりと焼きつけてやろうかな、という。"イチかバチか"みたいな、手探り状態で現場に入りました。竹内君と会ってすぐ、最初に見たのはカブト君の演技でしたが、圧巻でした。今話していても鳥肌が立つくらい。
――沢村さんから竹内さんにアドバイスはされましたか?
アドバイスはなかったです。ただ、彼が今回すごく高い熱量で臨んでいて。いろんなアイデアを現場に持ってきて、家で考えてくるものもありますが、その場その場で"生"の感じを大事にする役者なので、共演していてすごく楽しかったです。
――すごいお芝居が見られるということで、視聴者としても楽しみです。
彼の目つきや仕草がパッと変わるのが、このドラマの一番の魅力と言ってもいいかもしれませんね。竹内君に負けないくらい、畑芽育ちゃんもすごかったです。僕にはできないなと思いながら見ていました (笑)。
――その畑芽育さんが娘の獅子舞音を演じられますが、ご本人の印象はいかがですか?
この間、パク・ウンビンという韓国の女優さんのファンミーティングに行ったんですよ。ものすごい透明感のある方で、日本の女優さんとはまたちょっと雰囲気が違うなと思いました。そのパク・ウンビンさんの雰囲気と、畑芽育ちゃんと会ったときの雰囲気がすごく似ていて!同じ透明感を感じました。それは彼女にも伝えていて、そういう話も現場ではしましたね。
――先ほど、今までも刑事役を演じてきたとおっしゃっていましたが、現場に入って演じてみて、どんな"獅子舞らしさ"が見つかりましたか?
獅子舞のセリフの中で、「人は誰だって、いくつもの顔を使って生きている。そんなに大差ないんだよ」という話をするシーンがあるのですが、それはちょっと意識をしていました。父親としての獅子舞と、刑事としての獅子舞。それから同期といる時と、部下といる時はまた違う表情になるし、聞き込みをしている時は相手によって表情を変えることもあって、そういうことを意識していました。
――普段は、役作りをするにあたってどんな準備をされるのですか?
台本を一回読んだ時点で、「どうやって演じよう」とか「あのセリフはどういうふうにしたら伝わるかな」ということは、常に頭の片隅にあるのですが、そうするとアンテナが勝手に伸びるんですね。ドキュメンタリーや、実際の出来事を参考にしたり、似たような題材の映画があったら見たりもします。
――少し話が戻りますが、今回の役名、"獅子舞"という苗字がすごく変わっていると思ったのですが、企画段階から携わっていたということで、命名について何か込められた思いなどはあるのですか?
僕も台本を読んで、シシマイという名前を見た時に、変わった名前だなと思いました(笑)。僕自身は命名には関わっていなくて、何で獅子舞にしたのか理由も聞いていないんです。変な名前だなって思ったんですけど、(作中で)僕の名前がよく出てくるんですよ。竹内君演じるカブトが、僕の名前をよく呼ぶんですね。あの響きは聞いていて、すごく気持ちが良かったです。
――今回のドラマのタイトルにかけまして、沢村さんご自身はいくつの顔をお持ちですか?
まず、僕はよく"煙に巻く"って言われるんです。押しても引いても反応がないというか、フワっとしたキャラクターでいるように無意識のうちにやっているみたいで。バラエティで共演した時によく言われますね。そんな顔もあるし、役者をやっているときはまた違う顔があります。父親の顔と、旦那の顔もたぶん違うでしょうし、いっぱい顔を持っています(笑)。
――逆に「こんな顔があったらいいな」というのはありますか?
僕は「生真面目すぎるところがある」って言われるので、「まあいいじゃん、そのくらい」って楽しく気楽に過ごしている人を見ると、うらやましいなと思いますね。
――視聴者の方に見どころを含めてメッセージをお願いします。
いろんな人格を一つの作品で演じるというのは、役者にとって醍醐味であり、きっと勇気がいることだと思います。それを思い切ってやっている竹内君と畑芽育ちゃんのお芝居は、何といっても見どころのひとつです。それから、刑事ものは謎解きが一番のキーになると思いますが、これで終わりかなというところで終わらない、どんでん返しの繰り返しも楽しみのひとつなのかな。視聴者の皆さまには推理も楽しんでいただけたらと思います。
◆番組情報
ドラマスペシャル『ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者』
2023年3月24日(金)20:00~21:48放送(テレビ東京系)
動画配信サービス「Paravi」では、放送終了直後より配信開始
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