動画配信サービス「Paravi」で独占配信中のParaviオリジナルドラマ『悪魔はそこに居る』。小説投稿サイト「エブリスタ」で人気を博し、めちゃコミックでコミカライズもされた、累計100万DLを突破した話題作のドラマ化となる本作。嫉妬、憎悪、悪意、狂気。女性同士のコンプレックスやゆがんだ競争心、承認欲求が生み出す、ドロッとしていて、ヒリヒリ感のある愛憎サスペンスに注目が集まる本作だが、今回、W主演を務める吉谷彩子、石井杏奈にインタビュー。前編では、子どもの頃から一緒に育ってきたいとこ同士の今西詩と九条美園をそれぞれ演じる二人が、演じる際に意識していることや現場でのお互いの印象などを聞いた。

――初共演ということですが、現場でのお互いのご印象は?

吉谷:杏奈ちゃんはずっとニコニコしている印象です。本番が始まる少し前まで2人で共通の趣味の話で盛り上がったりしていて、すごい和やかな雰囲気で過ごせています。杏奈ちゃんは長ゼリフが多くて私は結構受けの芝居が多かったのですが、演じやすい環境を作っていただけたなと思います。

石井:私も吉谷さんは優しくて明るくてずっとニコニコされている印象が強いです。美園は"愛憎"から詩に執着していくんですけど、吉谷さんのその優しさが自然とそういう気持ちにさせるというか。途中で「こんなに優しい詩を、吉谷さんを傷つけてしまうなんて」と心が痛くなる瞬間もたくさんありました。こういう気持ちになるのは、詩が吉谷さんだったからだなというふうに思えた瞬間がたくさんありました。

吉谷:杏奈ちゃんは感情を爆発させるような場面が結構あって、怒りをぶつけるシーンのリハーサルでうるっとさせているのを見て、杏奈ちゃんの人の良さが出ているなと感じることがありましたね。精神的に大変な演技なんだろうなと思いました。

20230309_akuma_05.jpeg

――演じる際に意識していることは?

吉谷:詩は自分の思ったことをあまり言えないし、人に気を使いながら生きていているんですよね。それが相手に嫌味に捉えられることもあって、それで嫌われたり損する部分がある女性ではあるんですけど、繊細な人なのでその部分を壊さず丁寧に演じていくことを意識しながら演じました。それと同時に、美園との駆け引きがメインになってくるので、彼女とのバランスをみていきたいなと。現場で美園を直接感じながら決めていって、それをずっと大事にしながら演じています。

石井:最初に企画書をいただいたときに、詩と美園との関係性がなぜこうなったのか、なぜこういうふうに本性を隠して詩と一緒にいるのかというのを全部知った上で、台本を三話まで読みました。美園としてどう演じるかというのもそうですが、視聴者の方がどう美園を見るかというのを意識しながら演じています。最初の方は詩を騙すのと同じように、見てる方も騙せたらいいなという思いで、どこまで八方美人に演じるか、どのくらいあざとさやぶりっ子な要素を出したら嘘っぽくないかななどプロデューサーさんや監督と話し合って決めていきました。

――それぞれの役で似ているなと思ったところはありますか?

吉谷:杏奈ちゃんは全然違います!

石井:良かった(笑)。

吉谷:全く違うと思います。だからこそ演じるのが大変そうだなと。真逆じゃないかな。現場で一緒にお話ししてる時の印象が真逆なので、そんな真反対のタイプの美園を見事に演じている杏奈ちゃんはすごいなと思いました。

石井:詩は周りをちゃんと見ていて、自分よりも人のことを考えてるようなタイプなんですけど、吉谷さんもそのタイプなのかなと現場で感じました。自分が忙しい中でも、スタイリストさんやメイクさん、スタッフさんのことを見て気配りされていて、自分よりも人を大切にする方なんだなと感じました。

吉谷:褒め合いになっちゃったね(笑)。

石井:(笑)。

20230309_akuma_08.png

――"愛憎"を本作で感じたことは?

石井:美園と詩の代名詞ですよね、"愛憎"って。

吉谷:そうだね。似てるよね、愛と憎しみって。

石井:もう本当に愛と憎しみでしかないというか。

吉谷:美園の本性が分かるのは後半なんですけど、そこからは常に愛と憎しみが入り混じった攻防が続いていくんですよね。話し合いたいけどうまくいかなくて、駆け引きするような感じが多いんです。漫画も読ませていただいたんですけど、実は自分の人生があんまりうまくいかなかったのは美園のせいだったんだと知った時はゾワッとしました。ドラマではそれが後半にあるんですけど、改めて台本を読んで、全部美園のせいだったんだと分かった瞬間やっぱりとても面白い物語だなと思いました。

――ちなみに吉谷さんは美園のようなタイプの人がいたらすぐに察知できそうですか?

吉谷:・・・気付かないと思います(笑)。対面して感じる印象がその方の本当の姿だと思ってしまうので、目に見えて嫌な感じに来られたら分かると思うんですけど、でも美園みたいに本当の自分を隠していたら多分気付かないと思います。騙されるタイプですね(笑)。

――"愛憎"を本作で感じたことについて、石井さんはいかがでしょうか?

石井:この作品は詩と美園が復讐し合うというのが強く印象に残ってしまうと思うんですけど、人間みんな愛憎を持っていると思うんです。この作品のオファーをいただいたときに妬み嫉みとかも含めて自分もそういうところあるなと感じました。自分への愛が故の妬みとかもあるし・・・というのを考えると、二人ほど強くないにしろ、誰しもが共感できる部分なのではないのかなと。少しでも共感してもらえたらいいなという思いで演じています。

20230309_akuma_04.png

◆配信情報
Paraviオリジナルドラマ『悪魔はそこに居る』
動画配信サービス「Paravi」で独占配信中。
(C)Paravi

《スタイリング(吉谷)》

衣装協力/カーディガン¥12,980、中に着たキャミソール¥6,820、スカート¥12,980/Three Four Time(ジオン商事)、靴¥24,200/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)、イヤリング/yuu

スタイリスト/津野真吾(impiger)

【問い合わせ先】
ジオン商事▶03-5792-8003
ダイアナ 銀座本店▶03-3573-4005
yuu▶090-2380-2777