DMMブックスの人気コミックを原作に据えた、馬場ふみか主演のドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』(テレビ東京系)の第8話が2月28日(火)に放送された。本作は、夫からモラハラやDVを受けてきた主人公・奥田茜による復讐を描く社会派サスペンスドラマである。

5つ目の復讐が書かれた手紙にあった「mugihara_a」というURLやこれまでのやりとりから、茜(馬場ふみか)は仮面の人物への手がかりに気が付く。迷った末に、茜は奥田大輔(野村周平)と同郷の麦原明(小柳友)にコンタクトをとることに。

麦原は大輔の友人で、いじめをしていた大輔を注意したことがあった。茜は麦原に対し、大輔のいじめ動画や、動画を投稿していたアカウントのことなどについて尋ねるが、「動画もこういうアカウントがあることも今初めて知りました」と関与を否定された。しかし、麦原は「これ僕のことなんじゃないかな、彼らと接点があるし」と続ける。

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麦原は過去に、お父さんに殴られ、目を腫らしている大輔を見かけ、うちに来ればいいと声をかけたことがあるという。また、「麦原と名乗る人物に心当たりがないといえば、嘘になります」と茜に打ち明ける。

後日、茜はこれまで優しくしてくれた奥田和美(森カンナ)の元を訪ねることに。2人のこれまでの結婚生活のことや、大輔から受けてきた暴力やモラハラの数々について、そして茜がしてきた復讐について話し始める。

しかし、真の目的は大輔がしてきたことの暴露ではなかった。茜には引っかかっていることがあり、そのことを和美に確かめるために来ていたのだ。

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仮面の人物からの動画の一部は、大輔の部屋から撮影されたものだったこと。そして、大輔の机の上に「ポジティブ心理学」と書かれた本が置かれていたことを打ち明ける。

これらの話を聞いた和美は「なんで。もう治ったのに」と呟き、衝撃の事実を口にし始めた。

なんと大輔は解離性同一性障害、いわゆる多重人格だったのだ。和美は、解離性同一性障害に悩む大輔を救うべく、心理カウンセラーになったのだ。親から暴力を受けていた大輔は、そのストレスのせいか、ある日突然「麦原明」を名乗り始めたという。虐待を受けた自分に手を差し伸べてくれた麦原になりたいと願ったのだろうか。

仮面の人物の正体は、麦原明の方の人格の大輔だった。これまで、大輔は誰よりも強く自分のことを憎み続けていたのだ。

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これまで救いようがないと思い続けていた大輔に、壮絶な過去があったと知り、途端に同情に気持ちが傾いてしまいそうな展開だ。ネット上でも、「観てるのが辛くて泣いてしまった」「切なくてやりきれない」といった声が多く寄せられていた。

また、同時並行で配信されているスピンオフでは、まだ幸せだった頃の茜と大輔の過去が描かれており、その映像も相まって「スピンオフ幸せなのが余計につらい」「対比がえぐすぎる」との声が上がっていた。

ただの復讐物語ではない意外な深みが出てきた本作。自分自身を憎み、社会的に抹殺しようとする大輔を、茜は救うことができるのか。また、この難しい役どころを演じる野村周平に、今後も釘付けになってしまいそうだ。

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文:田幸和歌子

【第9話(3月7日[火]放送)あらすじ】

これまで夫・大輔(野村周平)への復讐を指南してきた謎の仮面は、大輔だった・・・。衝撃の事実に辿り着いた奥田茜(馬場ふみか)は、義姉・和美(森カンナ)から大輔の過去の話を聞く。奥田家の長男として、大輔は想像を絶する教育を受け育てられていた。その矢先、親友で週刊誌ライターの工藤凛(佐藤玲)の元に、仮面から大輔の悪口の数々が書かれた手紙が届く。茜は、最後の復讐である「全ての告発」を行う決心をする。

◆番組情報
ドラマチューズ!『夫を社会的に抹殺する5つの方法』
毎週火曜深夜0:30~1:00放送(テレビ東京系)
放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)テレビ東京