岡崎紗絵主演ドラマ『花嫁未満エスケープ 完結編』の最終話(第4話)が配信・放送された。付き合っていたシングルファザーの作良亮介(井上祐貴)との距離を縮められないことに悩んでいた柏崎ゆう(岡崎)は、偶然会った深見一(浅香航大)にそのことを告白。すると、深見は思わずゆうを抱きしめ・・・。

「気にしないで。これはさ、俺の、柏崎に対するクセっていうかさ。つまり深い意味はないってこと」と言い聞かせるように言うのだが、ゆうを放っておけない深見の気持ちが切なくてたまらない。ゆうは「悪いクセだね」と苦笑いするも、深見に心配な顔を見せてしまう自分を反省し、幸せになるために、作良とも自分ともちゃんと向き合おうとするのだった。

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そんな折、作良は突然、経営していたウエディングドレスのショップを閉め、ブランドごとアパレル企業に売却しようとする。それは、娘の作良いと(沼田あきら)の育児環境を考えた末の苦渋の決断だった。

すると、ゆうはシングルマザーだった自分の母を引き合いに出し、母の気持ちはうれしかったが、母が我慢するたびに自分が悪いと感じていたことを明かす。「ここにある大切なもの全部捨てて、いとちゃんが幸せになれるならそれでいい。でももしそうじゃないなら・・・作良さん、傲慢だよ」と語気を強め、「一緒に考えよう。私にできることがあれば、何でもするから」とゆうは言うのだが・・・。

「じゃあ、結婚してよ。いとの母親になって。・・・背負えないでしょ? 俺も同じ。あなたのことまで背負えない。別れよう」

そうして作良は、ゆうの気持ちを聞かぬまま、自分で答えを出したのだ。何も言えず、ベンチで作良のことを思い出しながら涙するゆう。あまりの突然の出来事に言葉がでてこなかった心情が痛切に伝わってくる。宙ぶらりんのままの、ゆうの気持ちはどうなってしまうのか・・・。

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そして、作良と出会うきっかけとなった、原田恵里菜(森田想)と関海斗(齊藤友暁)の結婚式の日がやってくる。写真撮影のアテンドに来た作良は、恵里菜の幸せそうなドレス姿を見ても晴れない顔で・・・。そんな作良と、式の受付を頼まれていた深見とゆうが遭遇。深見が気を利かせて先を急ぎ、ゆうと作良は2人きりに。

ゆうは、自分が言ったことを作良に詫び、「作良さんがいとちゃんのために決めたことなら間違ってないと思う。仕事のことも、私とのことも。幸せになってね」と無理に笑顔を見せる。作良も「柏崎さん、今までありがとう。柏崎さんも幸せになってね」と固い笑みを見せ立ち去った。ゆうと作良の後ろ髪を引かれる思いが、2人の表情から十分すぎるほど伝わってくる。そんな2人の会話を、何と深見が聞いていて・・・。

結婚式のリハーサルの音を聞きながら、ゆうは深見に言う。

「(結婚の誓いの言葉は)自分でする覚悟の言葉だと思ってる。自分が選んだ人と絶対に幸せになるんだっていう覚悟。でもその覚悟ってさ、一人でしても意味ないんだよ。相手にも同じ気持ちになってもらうことがこんなに難しいなんて思わなかった。私、結婚なめてた」

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すると深見は、「つまり逃げたんだろ。覚悟を決めるのが怖くて、全部相手のせいにして」と珍しくゆうを否定。作良といとのために身を引こうとしたゆうに、「自分の幸せは犠牲にしたんだ? 随分と傲慢だな」と言い放つ。さらに、深見がその程度の気持ちだったんだと指摘すると、ゆうは作良への気持ちがあふれ出し、言葉は止まらず・・・「作良さんといるときの自分が一番好きだった」と言う。「それ、俺に言ってどうするの? まだ間に合うんじゃない?」という深見の言葉に後押しされ、ゆうは作良の元へ走り出していく。

ゆうを思う深見の悪い"クセ"が再び。「自分の幸せは犠牲にしたんだ?」とゆうに問いかけながらも、深見自身は自分の幸せを犠牲にするなんて・・・。深見が涙を堪える姿がつらくて、胸に迫る。

駆け出すゆうの姿を見送りながら「ゆう、好きだよ」と言う深見に、「ありがとう」と答えたゆう。そのやりとりが、運命の残酷さを物語っていた。それでも、深見が最後に穏やかな笑みを浮かべていたのが印象深く、大好きなゆうの幸せを望んで背中を押すことを決めた彼の"覚悟"が滲みでていたように思う。

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作良は家に帰る途中、姉からの電話で、いとが店のドレスがなくなってショックを受けたことを知る。母が我慢するたびに「自分が悪い」と感じていたゆうと同じように、いともまた、作良が店を閉めることに対して、「いと、悪くない」とは言いながらも自分を責める気持ちがあったのだろう。

そのことに気付いた作良は走り出す。その先には、作良を追って走るゆうの姿が! 息を切らした2人が出会い、そして・・・。

「私の花嫁になっていただけませんか?」
「私が幸せに生きていくためには、どうしたってあなたが必要なんです!」

何と、ゆうが作良にプロポーズ! そんなゆうを作良は抱きしめ、「俺の気持ち、全部先に言わないでください」「柏崎さんといるときの自分が一番好きです」と言う。思わず流れたゆうの涙に、あふれる想いが詰まっていた。

「あなたのためにすっごいドレス、作ります! それ着て俺の花嫁になっていただけませんか?」

完結編の第1話冒頭でステキなウエディングドレスを着ていたゆう。作良のプロポーズが、ここにつながるとは!

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ゆうが逃げずに覚悟を決めた、ジェットコースターのような恋の結末が描かれた最終話。チャペルでの結婚の宣誓で、隣にいる作良を見つめ、「誓います」と言うゆうの姿が凛としていてまぶしい。前作から見守ってきた人にとっても、感慨深いことだろう。これまで花嫁になることを夢見ていたゆうが、自分からプロポーズする展開も胸アツ!

自分の気持ちから逃げずに幸せになることを自分で覚悟を持って選ぶ、ふとした出会いを運命にするのは自分・・・そんなことを改めて感じさせてくれた、希望あふれる清々しいラストだった。

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文:小松加奈

◆放送情報
ドラマ25『花嫁未満エスケープ 完結編』
毎週金曜深夜0:52よりテレビ東京系で放送
動画配信サービス「Paravi」で全話配信中

(C)「花嫁未満エスケープ 完結編」製作委員会