藤原季節主演『ギルガメッシュFIGHT』の第3話が配信。ディレクター・加藤竜也(藤原)たちの新企画が功を奏し、『ギルガメッシュFIGHT』はテレビ東洋の看板番組の一つになろうとしていた。ディスコでは "ギルガメ"という言葉だけで女性たちが湧きたつほどの人気ぶり。番組内で西岡亜紀(真島なおみ)が履いたTバックの影響力もあって、女性たちがこぞってTバックを履くようになるなど、"ギルガメ"は男性だけでなく、女性たちのハートも動かしていた。西岡をはじめ、"ギルガメ"に関わる女性たちの奮闘が、世の女性たちにも響いていたのだろう。
だが、"ギルガメ"次週放送の裏番組は五輪開会式の生中継。ここで視聴率が下がれば、再び打ち切り対象になってしまう。会議室では制作陣の焦りや諦めが見えるなか、加藤はピンチをチャンスに変えろ!と言わんばかりに、たくさんの人がテレビを見ている日だからこそ新企画を生み出すべきだと訴える。そんななか、プロデューサー・栗田淳一(大東駿介)は最新ランジェリーの紹介によるファッションショーを提案。放送日までの時間もなく、さっそくスタッフたちが動き出すも、加藤は納得がいかない様子・・・。
前日リハを迎え、栗田の気合も入る中、 "裸エプロン"で活躍した石川あゆみ(杉本愛莉鈴)は浮かない顔をしていた。兄にAV女優であることを知られ、番組を降板することになっていたのだ。
それを知った加藤は、あゆみが出ていたAVのインタビューで言っていた「夢は歌手でした」という言葉からヒントを得て、栗田のファッションショー企画を、独断で「ランジェリー歌謡祭」に変更。急な変更にディレクター・名高圭介(堀井新太)もアタフタするが、加藤は「番組はプロデューサーのもんじゃない、俺たちディレクターのもんだ!」と言い切る。リハーサルを見ながら、「これじゃ"ギルガメ"になってない」とこだわっていた加藤の快進撃がいよいよ始まる。
そこで加藤は、何とテレビ東洋のベテランアナウンサー・高田敬(安東弘樹)に「ランジェリー歌謡祭」の司会を頼み込む。実は高田もまた、加藤の「高視聴率研究会」(その人にあったAVを紹介する加藤の活動)のメンバーだったのだ。とはいえ、「局アナが"ランジェリー歌謡祭"なんて出られるわけないだろう」という高田の言葉が、至極真っ当で・・・。だが、高田にあゆみのAVデビュー作を渡していた加藤は、「石川(あゆみ)が夢を叶えるチャンスは明日が最後なんです!」「本物の舞台を用意したい」と高田に歌謡祭の司会を務める必要性を訴え続けた。
本番当日、企画の変更を聞いた女性たちは困惑。新たな台本を読むあゆみに、加藤は「やれるな?」と聞き、不安そうに頷く彼女を「自信がみなぎるぐらい練習しとけ」と鼓舞した。
そんななか、「GNNヒップライン」に出演する西岡は、「ランジェリー歌謡祭」で女性たちが着るランジェリーが男性目線であることを指摘。「全然かわいくない」と一蹴し、彼女たちに自分でランジェリーを選ばせてあげてほしいとお願い。それを聞いた加藤は「それはそうだ。俺たちも女が選んだ下着で興奮する」と言って、西岡の意見を即採用。そんな加藤の言葉を聞いて、「気持ち悪い」とつぶやく西岡の声が本当にリアル。ブレない西岡のカッコよさも伝わる一幕だった。
収録が始まり、何も聞いていなかった栗田が怒鳴り込んでくる。視聴率獲得のプレッシャーがかかる栗田は、「オリンピックと戦ってんだぞ!(怒)」と加藤の演出に不満噴出。だが、加藤はあゆみの夢に言及し、「そんなあいつの夢が叶えば、その輝きは、オリンピックのアスリートにも負けません!」と言い切る。
撮影が進む中、「ランジェリー歌謡祭」の司会を務める大沢ゆりえ(出口亜梨沙)の横には、何と局アナの高田の姿が! 栗田をはじめ、スタッフも驚き、なぜ高田が出てくれたのか不思議がるも、加藤だけは「高田さんなりの(石川への)餞別だな」とつぶやく。あゆみの夢をかなえるために奔走する加藤、出演を引き受けた局アナの高田の人情味がエモい。
司会の高田が読み上げる前口上は本格的で、女性たちの人生、人となりを知れるものに。そして、「歌は人間力です。人と違う人生を生きる彼女たちの歌には力がある」と加藤が語るように、彼女たちの歌には、すごい剣幕だった栗田さえも聴き入ってしまうほど引き込まれる魅力があった。人生を戦い抜いてきた女性たちの生きざまが滲み出ていたのかもしれない。
「今夜だけは、あなたは歌手です」
番組を降板するあゆみへの"はなむけ"の言葉ともいえるような高田の口上で呼びこまれ、あゆみの歌が始まる。
「出し尽くせ、石川。みんな、お前の歌を聴いてるぞ」と加藤もエールをおくり、スタジオのスタッフ・キャストたちの視線が、歌うあゆみに注がれる。それは、まるでアスリートを応援するような気持ちにも似ていて・・・。あゆみが歌う姿を見て、「石川、夢を叶えろ」と叫ぶ加藤。歌うあゆみの笑顔はキラキラと輝いていて、周囲からも温かなエールや拍手が贈られた。一体となった現場の充実した空気感が画面越しでも伝わってくる。
「ランジェリー歌謡祭」を放送した『ギルガメッシュFIGHT』は、何と五輪開会式の視聴率を抜く快挙を達成し、最初は冷ややかな目で見ていた局員たちも、その健闘を認めざるを得ない状況に。
その裏で栗田は、"ギルガメ"の姉妹番組を作ろうと画策。「加藤は黙っていないだろう」という芸能事務所会長・二階堂(羽場裕一)の言葉をよそに、栗田は「吠えたところで、所詮、奴は俺の駒です。どうにでもなる」と不敵な笑みを浮かべ・・・。
女性たちの全力勝負が番組の窮地を救った第3話。「ランジェリー歌謡祭」収録後、「最後にいい思い出ができました」と笑顔でお礼を言うあゆみに、「俺たちこそ助かったよ。妥協しそうだった。番組は一度妥協したら腐っていく」と伝えた加藤。「ランジェリー歌謡祭」で得たのは視聴率だけなく、番組作りに対する大事な教訓だった。
そして「これでもっとやりたいことができる」と静かにつぶやく加藤とは正反対の考えで進み始めた栗田。方向性がズレ始めた2人の運命、そして、「GNNヒップライン」の元ネタとなった本家「CNN」からの連絡がどう展開するのか、次回も見逃せない!
文:小松加奈
【第4話(1月21日[土]放送)あらすじ】
オリンピック開会式の視聴率に勝った「ギルガメッシュFIGHT」は本家CNNから取材を受ける。テレビ東洋ディレクター・加藤(藤原季節)は記者に流暢な英語で対応し、出演者たちから尊敬の目を向けられていた。新企画も次々と編み出し視聴率も順調に伸ばしていた「ギルガメ」。しかしその毎週の「新企画」、「疑似生」での収録による疲弊がスタッフにのしかかり、なにかが狂い始める・・・。スタッフらの様子を労うどころか語気を荒げ、さらに過激な要求をし始める加藤。耐えられなくなったスタッフが1人、また1人と番組を去っていく。そんな中テレビ東洋プロデューサー・栗田(大東駿介)は、ある決断をする・・・。
◆放送情報
Paraviオリジナルドラマ『ギルガメッシュFIGHT』
第4話は2023年1月21日(土)深夜1:15から動画配信サービス「Paravi」にて配信予定。
第1話は無料配信中。
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