90年代に「深夜お色気番組」の代名詞となった伝説の番組『ギルガメッシュないと』(1991~98年・テレビ東京)。そのスタッフたちの実話から着想を得た、番組制作陣視点のフィクションドラマ『ギルガメッシュFIGHT』の第1話がParaviにて配信された。

時は1991年10月。路上で1万円札をヒラヒラさせてタクシーを止めるような羽振りのいい時代に、テレビ東洋ディレクター・加藤竜也(藤原季節)は夜の公園で女性といちゃつく。かたや「いいテレビマンっていうのは自然と女にモテちゃうんだよ」とディスコで後輩に語るテレビ東洋プロデューサー・栗田淳一(大東駿介)は、担当する情報番組『ギルガメッシュFIGHT』の打ち切りが迫り、芸能事務所関係者に圧力をかけられていた。冒頭から、危うさと物々しさとエロスが同居する、独特の世界観が広がる本作。さまざまなものが渦巻くにその世界観に引き込まれずにはいられない。

テレビ東洋内で、「高視聴率研究会」と書かれた封筒をこっそり渡し続ける加藤。一方、栗田は低視聴率と予算オーバーを指摘され、3ヵ月後までに視聴率3%を突破することを突き付けられる。『ギルガメッシュFIGHT』の視聴率が伸び悩み、"魔王"の異名を持つ栗田ですら窮地になるなか、女子キックボクシングの番組が、加藤のとある助言で視聴率の数字も上々だったことを栗田は知る。

20221226_girugame_02.jpg

ちなみに、「高視聴率研究会」=その人にあったアダルトビデオを紹介する加藤のお小遣い稼ぎのようなもので、栗田はその研究会への参加は拒否しつつも、加藤の分析力に目を付け、『ギルガメッシュFIGHT』を見てもらうことに。「これ作ってる奴、人間の心理がわかってない」「裸にすれば見るだろうって感覚、絶対モテない奴」と番組を酷評する加藤は、同時に核心をついた意見も。歯に衣着せぬ物言いが清々しい。それを聞いた栗田は、番組の演出を加藤に任せることにする。「その言葉、忘れないでくださいね」と栗田を真っすぐ見つめる加藤。何かが生まれそうな予感に満ちた、2人のギラギラとした空気感が画面からも伝わってきた。

加藤はいきなり、全セットの変更を指示し、スタッフは困惑。会議室では、「何にエロスを感じるか?」と加藤がスタッフに問いかけ、隠されているから見たいという"のぞき"、さらに見る者がギャップを求めているという心理を熱弁し、何と「裸エプロン」を提案!

イメージが追い付かないスタッフたちの妄想を加藤が先導し、やがてその場にいる全員が妄想で「裸エプロン」姿が見えてくるように(笑)。裸エプロンで料理→料理は精力がつくものを→調味料は高い棚の上に・・・など、続々とアイデアが生まれ出し、神々しいまでの裸エプロン姿の女性が料理をする「夜食ばんざい」コーナーが誕生(妄想)。

20221226_girugame_03.jpg

さらに、カメラアングルを低くする提案も加わり、このアイデアをどう具現化するかの勝負が始まった。苦戦を強いられてきたスタッフたちが、加藤に先導されてどんどん熱を帯びてくる姿が圧巻! 並々ならぬ熱量で"エロ"と向き合っていた姿は、どこか滑稽に感じられながら、真剣さがあって目が離せなかった。

小道具、カメラ、照明・・・さまざまなスタッフを巻き込みながら、着々と加藤演出の『ギルガメッシュFIGHT』が生まれようとしていた。「あいつらアホだな」と周囲に揶揄されながらも、そんな加藤の演出を見てしまう部外者たちの存在は、この番組が求められていること暗示しているかのよう。

20221226_girugame_04.jpg

加藤はさらに、芸能事務所に圧力をかけられていた栗田に対して、司会交代を要求。そして予算がないことを考慮し、編集なしの疑似生放送で収録することに。裸エプロンで放送事故があったら・・・と現場に緊張感が走る中で、ギリギリの臨場感を出すことを加藤は提案したのだ。

栗田がさすがに「無理だ」と危惧するも、加藤にやれるのかと問われたカメラマンは「見えるか見えないかギリギリの角度、任せてくれ」と頼もしい返答。最初は戸惑っていたスタッフたちのやる気がみなぎっている姿が胸アツで・・・。そんな光景を見た栗田が半ばやけくそながらも「全責任俺が取る。やっちゃえ!」と言い放つ姿もカッコよかった。

そんな栗田は、結果的に無理だと思われていた巨乳グラビアアイドル・大沢ゆりえ(出口亜梨沙)の出演にもこぎつけ、いよいよ新生『ギルガメッシュFIGHT』の収録がスタート。"カメラは低く、志は高く"――そんなテレビマンとしての誇りを懸けた制作陣の熱気が伝わってきて、いよいよ始まるという高揚感もMAXだった。

これからの展開に期待が高まる第1話。モテ男の加藤ならではの説得力とエロへのあくなき探求心、いたるところで板挟みになりながらも口だけにはならない栗田の行動力、そして、各分野のプロフェッショナルたちの士気の高さ――それらが合わさったからこそ"伝説"が生まれたのだろう。熱量たっぷりのこの制作チームがどんな化学反応を起こすのか、次回が気になって仕方がない。

20221226_girugame_05.jpg

文:小松加奈

【第2話(1月7日[土]放送)あらすじ】

「カメラは低く、志は高く」とテレビ東洋プロデューサー・栗田(大東駿介)が声に出し、番組「ギルガメッシュ FIGHT」の収録が始まった。収録後も興奮しているキャスト・スタッフであったが、サワリ―尾中(永野宗典)だけは、番組に不信感を募らせていた。視聴率も目標を遙かに超え、さらに熱が高まる中、テレビ東洋ディレクター・加藤(藤原季節)は、本気じゃないサワリ―をクビにし、新たなスターを探そうとする。
そして、夜のディスコで出会った西岡亜紀(真島なおみ)を起用し、新たな新コーナーが誕生した。その名も「GNNヒップライン」。"ニュースを読み、最後にパンティーを見せる"という斬新なコーナーに、「どうせクビなんだ」と吹っ切れたサワリーも、一か八かのアドリブで高速ベロを披露するが・・・。果たして、新コーナーの行方はいかに・・・!

◆放送情報
Paraviオリジナルドラマ『ギルガメッシュFIGHT』(全5話)
第2話は1月7日(土)深夜1:15配信
以降、毎週土曜深夜1:15~
第1話は無料配信中。