伝説の深夜番組『ギルガメッシュないと』のスタッフたちの実話から着想を得たParaviオリジナルドラマ『ギルガメッシュFIGHT』が、2022年12月24日(土)、当時の放送日時と同じく深夜1:15から動画配信サービス「Paravi」で独占配信される。
そして、『ギルガメッシュないと』にレギュラー出演し、番組に並々ならぬ愛情を持つイジリー岡田が本ドラマの"宣伝大使・ギルガメファイター"に就任。今回、直撃インタビューにて、当時の思い出やドラマに期待することなどを聞いた。
――『ギルガメッシュないと』にヒントを得たドラマが制作されるという話を聞いたときの率直な感想を聞かせてください。
ドラマ化されるにあたって、「『ギルガメ』の当時の様子はどうだったかというお話を聞きたい」ということでテレビ東京に呼ばれたのですが、率直な気持ちは「やっと主演か!」。と思ったら、ただ参考としてお話を聞かせてくれということで・・・「出られないんですね・・・」という落胆の気持ちの方が強かったです(笑)。
――その話合いの場では、スタッフさんたちにどのようなことを聞かれましたか?
毎週裸が出るという今の世の中では考えられない番組だったので、撮影方法などを聞かれました。エッチな深夜番組で、かつバラエティなのに、ドラマのように朝9:00入りで、本読みをして、カメリハをやって、それから本番という流れで、かなりきっちり撮影していたんですよね。他にも、ロケのエピソードとか、共演者の方々の人となりとか、番組作りの苦労秘話などもお話しました。
――番組はおちゃらけたイメージですが、とても真面目に作られていたのですね。
僕に関しては、コンビを解散して1年後だったので、この先、芸能界でどうやって生きていくかという瀬戸際。ピン芸人になって初めてのテレビのレギュラーが『ギルガメ』で、27歳という年齢もあって、「これは人生をかけなくちゃいけないな」と。
でも、萩本欽一さんに憧れて芸能界に入ってきた僕は下ネタが嫌いなんです。最初はここまでエロの番組になるとは思ってもいませんでしたが、なんとか一生懸命やらなくちゃいけないという葛藤もありました。「30歳までに何か当たりたい!」というのもありました。だから、『ギルガメ』はまさに人生のターニングポイントですね。
――今回のドラマはディレクター目線で描かれるということですが、当時のディレクターさんやスタッフさんのことは覚えていらっしゃいますか?
もちろんです、熱のある方ばかりでしたよ。それに、みんな偉くなっちゃって!当時のADさんが局長クラスだそうですよ。局制作だったので、照明さんもカメラさんも音声さんも、ほぼ全員がテレビ東京の社員さんでした。番組を6年半やるなかでスタッフは変わっていきましたが、濃密でした。
――今回、"サワリー尾中"というキャラクターも登場して、俳優の永野宗典さんが演じられますが?
44歳か。ということは、13歳から19歳、つまり中学生から大学生まで。一番良い時に『ギルガメ』を観ていたんじゃないかな(笑)。
当時、「イジリーが画面にでていると、どす黒いエロに感じないのが良いよな」とよく言われていました。だから、爽やかにエロを演じてほしいというのはありますね。エロいことだけをやるんじゃなくて、どこかにサワリーさん自身の爽やかさがあればいいと思います。
――『ギルガメ』には色々な名物コーナーがあったかと思いますが、特に印象に残っているのはどのコーナーですか?
「夜食バンザイ」と答えるのが優等生の回答なんですが、本当は自分で作った「デカチン刑事(デカ)」というミニドラマが一番好きなんです。苦情がきて1回か2回で終わっちゃったんですけどね(笑)。
「夜食バンザイ」は、なぎら健壱さんとセクシー女優の野坂なつみさんで始まったコーナーです。なぎらさんが夜食を作って、セクシー女優さんが真っ裸にエプロンをしている"裸エプロン"姿で始まったこのコーナーこそが、初めて『ギルガメッシュないと』という番組を世間に認知させたコーナーでもあります。そんなコーナーを、なぎらさんの次に2代目として継げたことも嬉しかったです。
料理を作っていて、「あれ、コショウは?」となると、必ず棚の上の方にある。それを取るために女の子が脚立に登っていくと、裸エプロン姿で丸見えなので、映しちゃいけないところを僕の肩で隠すとか、そういったカメリハが入念に行われていました。照明をどこから当てるとか、カメラの位置がここじゃないと放送できない!とか手作り感もありましたし、やっぱり視聴者の反応が一番あったのもあって、印象に残っていますね。
――イジリーさんといえば高速ベロですが、改めて誕生秘話を教えてください。
きっかけは「ギルガメ治療院」です。このコーナーでは毎回、院長役の僕が患者としてやってくるセクシー女優さんの問診をするんです。「どこが調子悪いの?」と聞くと、たいてい「腰が痛いです」って言うんですね。「どうして腰が痛いのか、ビデオを見てみよう!」ということで、毎回ゲストの方のアダルトビデオが30秒くらい流れる。ビデオを見終わったあとに、「これだけ激しいと腰が痛いのも当たり前だな」ということで、バックライトで照明を当てることでシルエットが浮かぶようになっているセットの裏に行って、そこで下着を脱いでもらう。番組を見ている男の子たちは、「次は裸で出てくるんだ!」って最高に盛り上がってくるなかで、そこにCMが入るんです。そのCM前に、もっとワクワクしてほしいということで色々と考えることになりました。
僕と一緒に本物のツボの先生がいて、本当に効くツボを教えるのですが、プロデューサーさんから、「先生は女性の体のツボを本当に押していい。だけどイジリー、お前は絶対に女性の体に触っちゃいけない。何か違う技で笑いをとれ」と言われたんです。お風呂場で色々と考えているときに、ベロが早く動けばいいなと思って動かしてみたら、最初から早くて。もう「これだ」と。女性の体の横向きのシルエットの前に顔が入ってきて、あたかも全身を舐めるようにしたんです。
――最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者に向けてメッセージをお願いします。
当時、番組をご覧になっていた方々は、「この番組どうやって撮っていたんだろう?」と思っていたでしょうし、「楽しいんだろうな」と想像していたと思うんです。「イジリーはいいよな」って当時はよく言われましたから。毎週裸のお姉さんと仕事をして、適当に喋って、羨ましいなって思われていたんじゃないかな。今回のドラマは裏方目線で描かれるので、ディレクター、演出陣、技術スタッフ含め、どれほど苦労して作っていたかということを分かってくれればいいなと思います。「エロこそ真面目に」ということで、決して楽ではありませんでしたから。
いちばん良い時期にドラマになったと思いますし、当時を知らない10~20代でもタイトルは聞いたことがあるような伝説の番組です。色々な人に、改めて『ギルガメッシュないと』を知ってもらえるのはすごく嬉しいことなので、ぜひみんなに見てもらいたいなと思います。
◆番組概要
Paraviオリジナルドラマ『ギルガメッシュFIGHT』
動画配信サービス「Paravi」で2022年12月24日(土)深夜1:15より第1話を配信。
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