香坂佳恵(野波麻帆)の"最高のセックス"探しの旅が無事終着し、香坂夫婦の関係が修復した『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』(テレビ東京系)第11話。

仁科志保(佐津川愛美)に夫婦交換(スワッピング)サークル「ナイトアクアリウム」を紹介された百戦錬磨の佳恵が最終回前に言い放つ言葉がやけに言い得て妙だ。

「味気ないね。なんか大勢ですんのってさ、フードコートでご飯食べてる感じ?」
「いろんな場所でいろんなものを食べられる。しかもがっつくように」

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佳恵が探す"最高のセックス"とは"しわっしわのおばあちゃんなったときに、あぁ〜あの男とのセックスは良かったなぁ〜って思えるようなセックス"らしく、それは「ナイトアクアリウム」では得られなかったようだ。彼女が求める"最高のセックス"には心の通じ合いも必要不可欠だろう。いずれの夫婦もそうだったように、結局その役割は夫・剛(石垣佑磨)にしか担えないのだ。

ここで仁科夫婦が一芝居を打ち、香坂夫婦間に"タブーを犯すことで心に火を着け"させ、夫婦揃って「ナイトアクアリウム」に参加したわけではない香坂夫婦に、その擬似体験をもたらした。

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仁科浩介(千賀健永/Kis-My-Ft2)から"最高のセックス"相手になることを申し出られて戸惑うも、そのオファーを受けることにした佳恵。彼の到着を待つ間、佳恵の頭の中に浮かぶのは、仁科家に向かった剛が志保に手を出さないかどうか、そしてそうなった時には志保に対して許さないという気持ちが湧くのはやはり剛のことを好きな証拠だろう。あっけらかんとした調子で、剛のパパ活女子の彼氏に接近していたときの佳恵とは打って変わって、ある程度心を持っていかれるような割り切れない浮気となれば途端にソワソワし、心がとっ散らかる佳恵はなんだかんだ真面目でとても人間臭く魅力的に映る。

そして、自身の妻が浩介に抱かれるかもしれないという危機に瀕した剛からは、まさに佳恵が欲しかった言葉が溢れ出す。

「お前の相手は俺じゃないのか。(中略)やっぱりお前が誰かに抱かれるのは嫌なんだ」
「今からじゃダメか?お前の気持ちもお前の体が変わろうとしてることも全部教えてくれ。俺はお前の苦しみも一緒に抱えたい」

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苦しみも弱さもひっくるめて愛してくれ、一緒に背負ってくれるような相手とのセックス、それこそが佳恵が求めていた"最高のセックス"に違いない。

子どもが生まれてから寝室を別にしたことでセックスレスになったという香坂夫婦のエピソードもまたリアルだが、それでも剛は10年前に交わした夫婦の約束をしっかり覚えており、その約束を叶えようとしていたこともわかる。新婚旅行に行った際に「10年後も来ようね」と言った佳恵の言葉をちゃんと記憶していて、当時宿泊したホテルの同じ部屋を予約していたのだ。もしかすると香坂夫婦は仁科夫婦からのお膳立てがなくとも、このホテルで再度夫婦関係を取り戻していたかもしれないが、ただ剛からここまでダイレクトな愛情表現は引き出されなかっただろう。

豪快で明け透けに見えて、実は気遣いがあり相手の顔色を見る佳恵は、鈍感な剛を前にこれまでも様々な言葉を飲み込み諦めてきた一方で、その剛の単純さの裏にある彼の真っ直ぐな愛情を見過ごしてきてしまった部分もあるのかもしれない。同じく剛も「きっと佳恵はわかってくれるに違いない」と信頼しているが故の甘えがあったのかもしれない。

次話では、なんと「ナイトアクアリウム」主宰者の窪塚夫婦の闇に斬り込まれるようで最終回を飾るにふさわしい回になりそうだ。

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文:佳香(かこ)

【最終話(12月21日[水]放送)あらすじ】

ついに最終回!仁科志保(佐津川愛美)と夫の浩介(千賀健永)は、娘・梢(紙崎瑛茉)の誕生日が近づく中、大げんかをしてしまう。志保が窪塚洋一郎(平岡祐太)に、浩介が祥子(板谷由夏)にお互いの愚痴をこぼしていたところ、窪塚夫婦がナイトアクアリウムを始めた理由や夫婦の秘密、さらには離婚を考えていることが発覚。
そんな中、窪塚夫婦を救いたい志保と浩介はある考えを思い付く。それは、再び"夫婦交換"をすることで・・・!?

◆放送情報
ドラマ Paravi『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』
毎週水曜深夜0:30よりテレビ東京系で放送
動画配信サービス「Paravi」で全話配信中

(C)「夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~」製作委員会