秋元康が企画・原作を担当する『警視庁考察一課』(テレビ東京系)の第9話が12月12日(月)に放送された。本作は、事件の考察を専門とした部署「考察一課」を舞台とした物語。キャストには船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志ら、刑事ドラマやサスペンスドラマの"レジェンド"たちが勢揃いしている。

船越は、神妙な面持ちで葬式に向かった。新人時代に出会った弁護士・斉藤ゆり(斉藤由貴)が病死したのだ。かつて、斉藤のことを柳沢慎三(柳沢慎吾)と船越で奪い合っていたこともあるという。

そんな中、捜査一課から考察の依頼が舞い込む。計5件の殺人事件の被害者を撮影した写真が各所轄に送り付けられたのだ。これらの事件は、同一犯の犯行が疑われている。

早速、考察に取り掛かりたいところだが、シリアルキラーの気持ちが分からず頭をひねる山村と名取。西村はそんな2人に「知りたいですか?シリアルキラーのこと」と声をかける。しっかり資料付きのシリアルキラー講座が始まるが、いまいち考察には結びつかなかったようだ。

シリアルキラーの気持ちを汲み取ることは諦め、被害者の写真から手掛かりを探すことに。すると、5枚の写真に、ラテン語の単語が小さく記されていることを発見する。それぞれ訳してみると、"暴食" "嫉妬" "色欲" "憤怒" "怠惰"と、七つの大罪を連想されるような単語が現れる。それでは、残りの"傲慢" "強欲"の被害者はいかに。

タイミングよく、新たに2人の被害者の写真が送られてくる。"傲慢"は医師・藤原誠一朗、"強欲"は身元不明の女性だった。実は、藤原には、金のために病人を安楽死させているという黒い噂があった。調べていくと、どうやら他の被害者たちも同様の悪事を働いていたという裏の顔が判明する。果たして、被害者たちは自分の犯した罪の制裁として殺されたのか。

被害者たちの悪事についての情報元は、おおよそ「BUBCCA」。誰がいつ何年何月号に載っているか完璧に把握しているという高島のおかげで、違法薬物取引という被害者たちの意外なつながりが発覚。「BUBCCA」に万歳する一同。さながら怪しげな宗教のようだ。

そこに、斉藤の葬儀から船越が帰ってくる。被害者の写真を見た船越は、なにかを見つけ、はっとする。身元不明だった女性は、斉藤だと言うのだ。

実は、斉藤は過去に、資産家の夫を毒殺した疑いをかけられ、起訴されていた。しかし、いざ裁判になると、証拠不十分のため逆転無罪に。にもかかわらず、週刊誌により「疑惑の資産家未亡人」などと書き立てられ、斉藤は心を病んでしまった。

そんな中、斉藤の死亡診断書を書いた人物が、藤原であったことが判明する。藤原は斉藤の主治医で顧問弁護士という関係であり、死んだことにして世間から姿を消したかった斉藤のために、藤原が偽の診断書を用意したのだ。

7つの事件のうち5つは、余命僅かであった藤原が、妙な正義感によって法で裁けない連中を粛清する目的で殺害しており、藤原自身は自殺。斉藤がこの状況を利用し、自身を被害者にすることで、娘のことを世間の目から守ろうとしたのだった。

次週は、10・11話合体スペシャル。怪しげな動きを見せる柳沢について、ついにその真相が明かされるのだろうか。

文:田幸和歌子

【第10話・11話(12月19日[月]放送)あらすじ】

珍しく全員が揃った考察一課に顔面タトゥー事件の新たな被害者が出たとの一報が。だが柳沢慎三(柳沢慎吾)は「このヤマには触るな」と事件の考察を禁じる。今回は考察一課で犯人を挙げるといが、船越慶一郎(船越英一郎)は何かが引っかかっている様子で・・・。名取悠(名取裕子)は犯人の心理を探るべく、連続殺人事件を起こした死刑囚"こと忍(中山忍)に協力を仰ぐ。

◆放送情報
ドラマプレミア23『警視庁考察一課』
毎週月曜23:06~23:55(テレビ東京系)
※12月19日(月)は「10話・11話 合体スペシャル」で2話分放送予定。放送時間は、23:06~24:44となります。
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「警視庁考察一課」製作委員会