"クロサギ "こと黒崎(平野紫耀/King & Prince)と彼の本当の仇であるひまわり銀行の執行役員・宝条(佐々木蔵之介)との対決がついに幕開けした『クロサギ 』(TBS系)第7話。

宝条が目をかけている支店長の牛山(山口紗弥加)に"シロサギ"として狙いを定めた黒崎は、自分の父親の時と同様に "ひまわり銀行に家族を殺された"被害者一家に出会う。牛山やその部下の強引で悪どいやり口に騙され借金を返済できなくなった根岸礼二(福山翔大)は追い込まれ家族を遺して自殺していた。

元々自身が営むレストランへの融資を銀行から断られるも、系列のファイナンスから住宅ローンとしてなら貸し付けができると目的外融資を持ちかけられる。さらにコロナによる打撃で返済が苦しくなった礼二に対して追加融資を申し出るも、本人もその家族にも説明もなしに自宅を担保にしていたのだ。住宅ローンは礼二の生命保険で相殺されるも、彼がそこまでして守ろうとした自宅を銀行は追い打ちをかけるように容赦なく差し押さえしようとする。

黒崎が言う通り"人の命を道具みたいに使い捨てる"とはこのことだ。自身の銀行員としての融資や回収実績のために、支店の成績を上げるために、相手の返済能力を無視して自分たちが損をしないことだけを念頭に、相手やその家族の人生がどうなろうと"騙された方が悪い"と言わんばかりだ。にもかかわらず彼らが"金融のプロ"という立場を取っているのだから被害者家族にとっては到底やり切れないだろう。牛山なんてそんな彼らを前に「こちらは書類を偽造された被害者」だと平気で言ってのける。

しかしこの牛山の目標達成のためには手段を厭わぬガメツさに黒崎は取り入り、自身が代表を務める架空の会社に対して3億円の融資の交換条件として3000万円の銀行へのキャッシュバックを提案する。この架空会社は融資を受ければすぐさま計画倒産し、保証人も偽物。さらにキャッシュバックの件をマスコミにリークしこの事実を揉み消せないように白日の下に晒し、銀行にとって最も大切な生命線である"社会的信用"を揺るがす。

牛山とその部下の失態を宝条は、本店を胴体とするならば手足の支店だけで跳ね上がった泥を払えば身体までは汚れないと切り捨てた。ここまでくると桂木(三浦友和)に"表の顔と裏の顔がバランスよく存在している"と言わしめる宝条という人格がどう形成されたのかも非常に気になる。

また黒崎のこの復讐の序章を"泥"と揶揄した宝条だが、いつまでそう余裕をかましていられるだろうか。そして黒崎は胴体部分に喰い込むことができるだろうか。桂木のマネーロンダリング係を担っている宝条を喰うためにはその協力を得られず自分で詐欺のための人員やお金も用意しなければならない黒崎。桂木が宝条に忠告していた「歪みは隙を生み、隙は破滅を招く」は黒崎に対しても言えそうなことだ。

そして黒崎にとって今最大の"隙"になり得る存在である氷柱(黒島結菜)がバイト先から珈琲豆のデリバリーにやって来た甘味処「かつら」で、黒崎と桂木が何やら親しげに話しているところに出会し、彼らの接点を把握する。氷柱の恩師である助教・鷹宮(時任勇気)とはアパート前で黒崎との3ショットが見られる大渋滞ぶり。とにかく鷹宮の氷柱への執着ぶりが危険なレベルに達していて嫌な予感しかしない。

さらには彼女のバイト先に思わぬ来客として現れたのが警察庁への異動を言い渡された警察・神志名(井之脇海)だ。 "理想論"だと嘲笑されてしまいがちな正義感に燃える2人が思わぬ形で再会を果たした。しかも2人ともに自身の正義感が本当に正しいのか揺らいでいるタイミングで。この再会が彼らにとって、また黒崎にとっても良き未来に繋がることを願わずにはいられない。

何だか黒崎を取り囲む人間関係の点と点が一気に繋がりその全容が大公開された第7話。ここに宝条からまさにトカゲの尻尾斬りを喰らった牛山が加わる。次話、平野演じる黒崎が色恋を仕掛ける"アカサギ"に扮するようでこれは見逃すわけにはいかない。

(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)

【第8話(12月9日[金]放送)あらすじ】

黒崎(平野紫耀)は牛山(山口紗弥加)から、宝条(佐々木蔵之介)には"宝条帝国"と呼ばれる裏金作りのための資金源がいくつもあるという情報を得る。そして、その中のひとつである医療法人をターゲットに定めた。理事長を務める宇佐美孝也(津田健次郎)はひまわり銀行の元行員で宝条の後輩に当たる人物。赤字だった病院を立て直した救世主だ。

黒崎は、宝条帝国とそこに君臨する宝条を喰うことを"独断"で決意し動き出す。
宇佐美に近づくためにその妻・怜華(高田里穂)に接触を図る黒崎。彼女好みの金持ちなホスト風の男に扮し、あっという間に怜華の心を掴んだ黒崎は、怜華に「金が欲しいんでしょ?いい方法があるよ」と持ち掛ける。

同じ頃、宝条の元にひまわり銀行へ潜入した時の黒崎の防犯カメラ映像が届けられていた。ひょんなキッカケでその写真を見た宝条の甥・鷹宮(時任勇気)は、そこに写るのが黒崎ではないかと察知する。

一方、桂木(三浦友和)は黒崎の動向を邪魔するように、新たなシロサギの情報を黒崎に売り、北海道へ行ってこいと命じる。自分を宝条から遠ざけようとしていると勘づいた黒崎は、桂木に逆らい続けることに対して危機感を募らせる。

そんな矢先、氷柱(黒島結菜)はプライベートで甘味処「かつら」を訪れていた。それを知った黒崎は、これ以上桂木にも自分にも関わるなと突き放し・・・。

◆放送情報
『クロサギ』
毎週金曜深22:00よりTBS系で放送。
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」で配信中。