秋元康が企画・原作を担当する『警視庁考察一課』(テレビ東京系)の第6話が11月21日(月)に放送された。本作は、事件の考察を専門とした部署「考察一課」を舞台とした物語。キャストには船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志ら、刑事ドラマやサスペンスドラマの"レジェンド"たちが勢揃いしている。
「きな粉を飛ばさずに桔梗信玄餅を食べられるか」で盛り上がる考察一課。苦戦する一同だが、山村の手にかかればお手の物。桔梗信玄餅公式の食べ方で難なくクリア。
なぜ山村は、こんなにも桔梗信玄餅に詳しいのか。温泉地での殺人事件にめっぽう強い山村が、捜査一課の敏腕刑事だった頃につけられた異名は「湯けむりの山村」。温泉がらみの事件が発生する度に駆り出されていたことから、全国のスイーツに詳しくなったという。山村とほぼ同期で、ライバルであった船越と内藤にも、「崖の船越」「おいでやす内藤」という異名がついていた。さながら芸人である。
そんな捜査一課のもとに、「土下座の柳沢」から事件の考察依頼が舞い込んできた。温泉旅館「鬼武者温泉」で、近くの野天風呂に浮かぶ遺体が発見されたのだ。ベタなサスペンスドラマの設定のようなシチュエーションに嬉々とする一同。
被害者は、アプリの開発で大儲けした著名なITセレブ・上杉健二(永沼伊久也)。上杉は事件の直前、仲間のITセレブたちと、アプリを開発した前祝のために集まろうとしていた。しかし、上杉とアプリを共同開発した武田伸太郎(松川尚瑠輝)と毛利元哉(川郷司駿平)の3人は、権利配分でかなり揉めていたという。事件当日、毛利は急遽仕事が入り、リモートで途中参加だったという関係から、武田の犯行が疑われる。
無駄に鋭利な眉毛、ツーブロック、シャツのボタン3つ開けという典型的なITセレブルックの事件関係者たち。そして、"NFT"、"メタバース"というIT用語に完全に戸惑う考察一課。
得意分野の温泉地の事件に腕が鳴る「湯けむりの山村」。揉めていた3人が前祝のために、温泉に集まることは不自然だと気が付く。3人のうちの誰かが殺人を目論み、会合を開いたのだと考察。しかし、会合を開いたのはリモート参加で、アリバイのある毛利だった。
一筋縄ではいかない考察だったが、"考察一課のピン子"こと名取が解決の糸口を見つけ出す。事件当日、上杉は温泉コンパニオンを1人呼んでいたが、真のお金持ちは男性の数に合わせた舞妓を呼ぶのが一般的だという。このことから、現場にいたのは上杉1人だと考察される。
武田に関しては、ディープフェイクを用いて別人がリモート参加をしており、本人は事件現場に来ていたというのが考察一課の読みであった。しかし、動画配信サイトで「100万円を東京湾に捨ててみた」という短絡的な企画を考える武田にそんな緻密な計画ができるはずもない。殺人マニュアルでもない限り。
そこで、藤井龍(藤井流星)が思い出したのが、殺人方法を記載したダークウェブの存在だった。武田は、このサイトを見て、殺害を実行したのではないかと考えらえる。実は、このダークウェブを運営していたのは毛利であった。
毛利はそれとなくダークウェブ上の殺害方法を武田に紹介する。短絡的な武田は、それを聞き、権利配分で不満を感じていた毛利を殺害しようと画策する。また、毛利は上杉に対し、「武田がお前を殺そうとしている」と密告。つまり、毛利が武田と上杉に殺し合いをさせようと仕組んだのだ。
今回も、考察一課の活躍で、事件が解決された。しかし、柳沢が何週にも渡り、暗躍している(?)展開についてはまだまだ明らかになっていない。柳沢は「大人の隠し事」と表現するが、どのような事情が隠されているのだろうか。
文:田幸和歌子
【第7話(11月28日[月]放送)あらすじ】
慰安旅行を控えた考察一課に新たな依頼が。浮かれ気味な船越慶一郎(船越英一郎)らだったが、犯行内容を聞き表情を一変させる。かつて杉並区で男性3人が絞殺される連続殺人が起きた。しかもどの遺体にも額と手に十字の傷が。未解決のまま10年が過ぎたが、同じ手口の事件が杉並区で発生。『杉並の死神』と呼ばれた猟奇的犯人が再び動き出したと見ている。実は当時捜査にあたった名取悠(名取裕子)には、この事件に並々ならぬ思いがあって――。◆放送情報
ドラマプレミア23『警視庁考察一課』
毎週月曜23:06~23:55(テレビ東京系)
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信
(C)「警視庁考察一課」製作委員会
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