秋元康が企画・原作を担当する『警視庁考察一課』(テレビ東京系)の第5話が11月14日(月)に放送された。本作は、事件の考察を専門とした部署「考察一課」を舞台とした物語。キャストには船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志ら、刑事ドラマやサスペンスドラマの"レジェンド"たちが勢揃いしている。
なんと今回、考察一課に舞い込んだ事件の被害者は、西村だった。美術収集家であり、アーティストでもある二階堂犬千代(児玉頼信)の喜寿を祝うパーティーに参加中、何者かにボウガンで撃たれたという。
幸いなことに命に別状はなかったが、事件の真相はわからずにいた。しかし、事件の性質上、犯人はパーティー会場にいた人物に絞られ、その内の5人が被疑者として挙がっているという。
事件現場と化した二階堂の屋敷は、十二角館だった。中には「十二角館」と聞いて、人気推理小説家・綾辻行人のデビュー作『十角館の殺人』を思い浮かべた人もいるだろう。そんなあなたは、山村派。今回の事件現場の間取り図を見て、「十二角館の殺人!」とはしゃぐ山村に対し、「西村まだ死んでないんだよ」とツッコミを入れる柳沢(柳沢慎吾)。そんな柳沢に対し、「まだなんて言ったらこれから死ぬみたいですよ」と冷静なツッコミを重ねる徳永(徳永えり)。ボケ担当が渋滞する中、ツッコミ係の負担は大きい。
いつも甘いものの話をしている船越も合流したところで、考察は再開する。犯行現場となったのは、二階堂が収集した美術品が展示されている部屋で、凶器となったボウガンもこれらの展示品の一つだったという。ボウガンに付けられたタイトルは「行き過ぎた欲望の破壊」。
このボウガンには細工が施されており、スイッチを押した1時間後に矢が放たれる仕組みになっていた。殺人を行うには、かなり確実性に欠ける凶器である。
被疑者の1人・郷間吾郎(春海四方)は、日本有数の陶芸家で、その作品の大半を二階堂が所有しているという。また、郷間は西村の小学校時代の同級生で、今でも交流がある仲であった。
状況が整理されていく中、手術を終えて目を覚ました西村から電話がかかってくる。命からがら生還した西村をいたわる考察一課メンバーは誰一人としておらず、口を揃えて犯人を見ていないか問い詰めるばかり。挙句、「被害者ヅラ」とまで言い放つ始末。見舞いに来る人もいない、ただただ広い病室が侘しい。
そんな中、名取の閃きが冴え渡る。事件前後で、事件現場となった部屋からなくなった壺の存在に気が付いたのだ。この壺は、二階堂が9年前に発表した、時価3億円とも言われる最高傑作。少しずつ手掛かりは掴めてきたが、解決までには至らず、難航する考察一課。そこで、ここまでの考察を入院中の西村に投げてみることに。
すると、ゴーストライターならぬ"ゴースト陶芸家"をしていたことについて、西村が郷間から相談を受けていたことが発覚。現場から消えた壺も郷間の作品であった。壺の内側には、本当の作者の証であるサインが残されていたが、それは壺を割らなければ示すことができなかった。そのため、郷間は、ボウガンで壺を割ることを画策したのだ。西村は、運悪くボウガンの矢に当たってしまっただけであった。
しかし、割った壺の破片を持ち去った人物は他にいた。破片が世間に明らかになると困る人物、二階堂の仕業だった。
今回、考察一課の仲間たちに、何度も死んだことにされていた西村。"殉職した"西村のために高島が手向けた花は、西村のデスクで(仮)という文字と共に飾られている。不憫キャラが定着してしまいそうだ。
ラストシーンでは、柳沢が電話口で「西村、生き残りましたよ。で、次は?」とつぶやいている。考察一課外の関係性が気になるところだ。
文:田幸和歌子
【第6話(11月21日[月]放送)あらすじ】
柳沢慎三(柳沢慎吾)からの新たな依頼は、アプリ開発で大儲けした有名ITセレブ上杉健二(永沼伊久也)の遺体が、奥多摩の野天風呂で見つかった事件。昨晩IT仲間2人と温泉宿に集まっていたが、調べによると彼らはアプリの権利配分でかなり揉めていたという。さらに野天風呂には戦国武将の霊が出るという噂があって・・・。内輪モメか呪いか――山村楓(山村紅葉)は、温泉で起きた不審死という得意分野の謎解きに思わず胸を高鳴らせる。◆放送情報
ドラマプレミア23『警視庁考察一課』
毎週月曜23:06~23:55(テレビ東京系)
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信
(C)「警視庁考察一課」製作委員会
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