テレビ東京で毎週火曜深夜0:30より放送中のドラマチューズ!『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』。どん底に陥った若手女性アナウンサーが、美容のカリスマ社長と出会い、様々な困難にぶつかりながらも人間的に成長する姿が描かれる。今回、そんな本作に坂巻役で出演する岩崎う大 (かもめんたる)にインタビューを行い、作品への思いなどを聞いた。
――まず、オファーを受けて企画内容を聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?
テレビ東京の太田(勇)さんとMEGUMIさんとは、『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』でご一緒させていただいたんです。そのときに僕は作家と出演と、監督も少しだけやらせてもらっていて。今回その流れで、脚本を作る企画段階からお声がけをいただきました。
最初は、「女性を応援するドラマ」って難しそうだなと思いました。女性って何をしてもらったら応援されている気持ちになるのか分からないし、男がでしゃばると地雷を踏みかねないということもありますしね(笑)。コメディといえど、ちゃんとしたテーマやメッセージ性があったので、どうやって関わったら良いのかなというのがあって、意外と不安でした。
――プロデューサーとしてのMEGUMIさんは、どのような方ですか?
プロデューサーというより、僕に見せているのはクリエイターの面なので、同じ目線になってやってくれていますね。クリエイターとしてのMEGUMIさんのセンスや視点を共有するということを心掛けてくれているなと思います。「これ違う!」という感じではなく、丁寧に会議をしてくれますね。
――第5話の脚本・監督も務められるということで、「楽しくて"向いているかも"と思った」とコメントもしていらっしゃいましたが、改めて詳しく感想をお伺い出来ますか?
ドラマで脚本/出演/監督をするという経験はあったのですが、そのときは自分が監督した回には出演していなくて。今回は自分の書いた第5話にも僕が結構出ているので、演技し終わってカットがかかって確認ということをしているのですが、そういうのは本当に初めての経験です。楽しかったですね。
ただ、ドラマの撮影は時間に追われるじゃないですか。じっくり自分の演技を見返すような余裕はあまりなかったです。頭を使って大変な作業をしているときって、あっという間に時間が過ぎていくので、本当に無我夢中でした。
――ご自身の役柄をどのように捉えて、どんなことを意識して演じていますか?
僕の役は、やや胡散臭い感じで人を洗脳していくような感じですね。僕は演出家をやっているのですが、今回の役も人をプロデュースする、すなわち演出している人なんです。そういうシーンでは、大分デフォルメはしていますが演出家モードと言いますか、パワハラな感じでイカれた感じでやっています。演じるのはすごく楽しかったですね。
――芸人さんもたくさん出演されていますが、ドラマで共演すると少し感覚が違ったりもするのでしょうか。
実は、あまり共演のシーンはなかったですね。芸人ととらえるのは違うかと思いますが、YOUさんはコントとかもたくさんやってこられていますよね。一緒のシーンはすごく楽しくて、アドリブなんかもありました。
――主演の深川麻衣さんのご印象はいかがですか?
すごく優しいお姉さんという感じで、芸能界で擦れてしまったようなところが全くなく、親近感を抱かせてくれるような方ですね。個人的には、「一緒に仕事をしたかった」って言ってもらえて、「好きだな、この人」って思いましたね(笑)。
僕が監督をしているときも、演技プランを色々と考えてきてくれますし、僕の演出をすごく熱心に聞いて、それを100%表現しようとしてくれているのもすごく感じました。それに甘えて、結構細かい注意なんかもさせていただきました。コメディということで、難しい部分もあったとは思うのですが、僕が偉そうに「こういうことができるといいね」と言っても嫌な顔ひとつせず聞いてくれましたね。
"う大ワールド"というものがあるとして、そこではモノづくりや演技をこう考えています、というものを経験してもらいたいなと思って演出をさせていただいています。いつか「う大さんと仕事をさせてもらえて良かったです」って言ってもらいたいですね。
――タイトルにかけて、う大さんは「完全に詰んだ」経験はありますか?
言えないかなあ(笑)。「詰んだ」とはいえ、その後の人生もあるわけじゃないですか。僕ら芸人なんかは、気合を入れて挑んだ賞レースで負けたときは絶望することもありますが、結局1年はあっという間で、また挑戦することもできますしね。「詰んだ」と思ったあとには、何かしらの発見があります。"ピンチはチャンス"とか、そういうことかもしれませんね。
とはいえ、今の社会は本当に「詰んだな」という状態になってしまうこともありますよね。SNSとかで許さない人の声が常に聞こえてきてしまいますから。それで、「詰んだ」と思うことは結構あると思うんです。でも結局、今生きているということは詰んでいなかったっていうことなのかもしれません。
――もうひとつタイトルにかけて、う大さんにとってのカリスマは誰ですか?
「カリスマ」と言ったら僕はやっぱりダウンタウンの松本人志さんです。やっぱり「カリスマ」って唯一無二で、他人に影響力のある人っていうのが僕の定義かな。その人の喋っている言葉が正解であるとか、その人が白と言えば白、という感覚をこちらに気持ちよくそう思わせてくれるっていうのが重要だと思います。その人の意見に従うとか、賛同できる自分が嬉しいとか思わせる人。今(の僕にとってのカリスマ)は、娘とかかもしれません(笑)。
――最後に、見どころと併せて視聴者の方々へメッセージをお願いします。
「詰んで」人生が変わってしまったとしても、「詰む」前には味わえなかった人生を歩むことになる。それがより大きな幸せに繋がっていたり、そんなに悪いものじゃなかったりもすると思うので、そういうものを感じてもらうドラマでもあります。すごく簡単に言うと"「詰んで」いる人はこれを観て頑張れ、そうじゃない人も「詰んで」いる人がいたら手を差し伸べてあげましょう!"。どう考えても、お互いに厳しい世界よりお互いに優しい世界の方が良いですもんね。
◆番組情報
ドラマチューズ!『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』
毎週火曜深夜0:30~1:00(テレビ東京ほか)
動画配信サービス「Paravi」にて見逃し配信
(C)「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」製作委員会 Photo by Shohki Eno
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