"クロサギ "こと黒崎(平野紫耀/King & Prince)と"特別なシロサギ"白石(山本耕史)が出会ってしまう『クロサギ 』(TBS系)第3話。
今回のクロサギの標的は「知的財産詐欺」に手を染める西岡崎(栗原英雄)だ。早々に接近する黒崎だが、その傍らには同じく彼をターゲットにした詐欺師がいて、横槍を入れられる。そう、それが西岡崎の片腕の弁護士で海外戦略担当の白石だったのだ。
そもそも白石が"特別なクロサギ"と呼ばれる所以は、詐欺界のフィクサー・桂木(三浦友和)から情報を買うのではなく、腐った大企業のみを詐欺のターゲットにしているためだ。彼には大手建設会社の手抜き工事による欠陥住宅が原因で家族を亡くした過去があり、黒崎同様に詐欺師によって家族の命を奪われていた。そして、この"クロサギ"と"特別なシロサギ"を引き合わせたのも結局は桂木が描いたシナリオ通りだったことも明かされる。
白石の本当の狙いは西岡崎の会社ではなく、アジアの大手エネルギー会社だったが、その会社の裏機能こそが桂木御用達の詐欺で得た資金を浄化するマネーロンダリング。白石に潰されては困るため先回りして、似たような境遇の黒崎と引き合わせ、2人が手を組むように仕向けたのだった。
そして今話、桂木の周囲が一気に騒がしくなる。御木本(坂東彌十郎)は長年張っていた大きなヤマを当てるために無茶な資金繰りを行い危ない筋からもお金を借りているようで、桂木の制止も効かない。そんな御木本について白石は「詐欺をやめさせるにはあいつの命を絶つしかない」と言い残し黒崎に彼の居所を明かす。
さらに甘味処「かつら」に氷柱(黒島結菜)がバイト先の珈琲豆を配達に来て、桂木と直接対面を果たす。氷柱について"法学部で検事を目指している学生"という情報は既に桂木の耳に入っていたものの、本人と接点ができ、すかさずどら焼きを大量に渡して唾をつけておくのが抜かりない。「桂」の文字が印字されたどら焼きが氷柱から黒崎に手渡されることで、暗に"彼女を人質にとっている。だからお前も下手な動きをするな"というメッセージを伝え、黒崎のことを牽制できる。
咄嗟の判断ながら、流石は詐欺業界を取締り牛耳る影のフィクサーだ。氷柱がデリバリーした珈琲豆をミルで挽きながら言う桂木の「自分の居場所を守っていきたいなら、その場所を提供してくれてる人間に迷惑をかけないことだ」「ここにはいろんな人間が出入りしてる。俺も後味の悪いことはしたくないからな」という忠告がより鋭利に緊急度を伴って聞こえる。
そして、桂木の憎いところは、なんとなく黒崎と氷柱の心の距離が近づき始めている時に、運命のいたずらとも言えるがたまたま自分のテリトリーにやってきた氷柱のことを見逃さず瞬時に人質にしてしまうところだ。あれだけ黒崎の"詐欺師には同じく詐欺をして報いる"というスタンスに異を唱え、嫌悪感を示していた氷柱が、自分が検事になって叶えたいことと彼が"クロサギ"としてやろうとしていることの根本にあるものは同じだと本人に伝え、涙を流すーそんな2人の交流の傍らに「かつら」のどら焼きがまるで彼らを見張っているかのようにそこにあった。
「俺のために泣く人間なんかもういないと思ってた」という黒崎の心の声に、氷柱の父・吉川(船越英一郎)が前話で言った「君はまだまだ大人に甘えて良い年齢だよ」という言葉が思い起こされ重なる。そして、シロサギに対する黒崎の心の声「誰だって日陰じゃなく日の当たる道を歩けるなら、その方がいいに決まっている」という声もリフレインする。
次話では早速黒崎が御木本との再会を果たすようで、圧倒的スピード感を持って進む本作から引き続き目が離せない。
(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)
【第4話(11月11日[金]放送)あらすじ】
黒崎(平野紫耀)は、白石(山本耕史)から得た情報をもとに、御木本(坂東彌十郎)の会社を調べていた。御木本と繋がる桂木(三浦友和)に黙っての行動だったが、桂木は知ってか知らずか急ぎの仕事を黒崎に押し付ける。
しかし、それがきっかけで御木本へ繋がる思わぬ道が開けることになり、黒崎は独断で御木本を喰うと決め、近付いていく――。
同じ頃、御木本が新たな詐欺を仕掛けているとの情報を掴んだ神志名(井之脇海)たちも、御木本逮捕に向けて動き出していた。
氷柱(黒島結菜)は黒崎の事情を知ってから、ますます黒崎のことが気になってしまう。だが黒崎は、これ以上干渉してこないよう突き放し続けていた。自分のために涙を流した氷柱に対して、感じた気持ちを思い出しながら・・・。
そして遂に、6年振りに御木本と再会した黒崎。果たして勝負の行方は・・・さらに宿敵を目の前にした黒崎は一体どうなってしまうのか・・・!?
緊迫の直接対決が、開幕!!
◆放送情報
『クロサギ』
毎週金曜深22:00よりTBS系で放送。
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」で配信中。
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