動画配信サービスParaviのオリジナル連続ドラマ『-50kgのシンデレラ』第4話では、太っていようが痩せていようがどこかで外見に囚われてしまっていた主人公・佐伯陽芽(大原優乃)が随分前向きに変化し、さらに脱皮する気配が見られた。

⼤⼿製菓会社の御曹司・富⼠崎宰(犬飼貴丈)がたとえ"ぽちゃ専"だろうと今の自分を好きになってもらえるように、そして宰の隣に立っても恥ずかしくない人になりたいと仕事にダイエット、自分磨きにますます余念がない陽芽。親友・宮野加奈⼦(谷まりあ)のアドバイスにあった通り、「相手に合わせるのではなく今の自分を見てもらえるように」と気持ちを切り替えられた陽芽は、なんだか清々しく日に日にパワーアップしている。

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そんな陽芽の頑張りと成長を間近で見ていた宰は、新しい企画の提案を彼女に任せる。しかし、あれもこれもと手を抜かず全てを全力で真面目にやり遂げようとする陽芽は睡眠時間を削ってしまい、遂に無理をきたして職場で倒れてしまう。せっかく宰がくれたチャンスをモノにできず、周囲に迷惑をかけてしまい彼に幻滅されたのではとまたしても落ち込む陽芽に加奈⼦からの一言が染みる。

「大丈夫。陽芽の好きな人はこんなに頑張ってる陽芽のこと、ガッカリしたりしないと思うよ」

思い返せば、たった一度会っただけの記憶の中の宰に再び会いたいというその一心で50キロものダイエットに成功できた陽芽なのだから、その頑張る原動力である宰が近くにいて、自身の頑張りを見ていてくれ褒めてくれるとなれば、際限なくどこまでもやり抜こうとしてしまうのだろう。ダイエットを始めたての頃にも体重が落ちないことに焦り、食事を抜いてしまって倒れてしまったかつての陽芽が思い出される。加奈⼦からのアドバイスを元に、生活リズムを立て直し、自分自身を労り慈しみ体調だけでなく自信も取り戻していく陽芽の姿はなんだか爽快で頼もしかった。

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ライバル・田嶋凌介(綱啓永)の出現に続く陽芽の突然の不在に、むしろ宰の中では彼女への想いが確信めいたものに確実に変化しているように見える。無理をして職場復帰を急ごうとする陽芽に思わず語気を強め、しっかり休むように伝えるのは彼女のことを本気で心配していたからこそだろう。

「元気に出勤してきてくれた日、すごくホッとした。帰って来なかったらどうしようって思ってたから。(中略)俺はただ陽芽さんのことが心配だったんだ」とこぼす宰だが、今の宰であればかつての"ぽちゃ"陽芽との再会が叶わぬことよりも、今目の前にいる陽芽に会えなくなることを悔やむのではないだろうか。

陽芽が宰に感謝を伝えた「改めて、部長の部下になれて良かったって思いました」には彼女のこれまでの影の努力を散々見守ってきた視聴者としては、なんだか感慨深いものさえ込み上げてくる。

陽芽へのアプローチを本格化させた凌介が起爆剤となり、さらに宰と陽芽の距離を近づけてくれそうだ。

(文:佳香(かこ))

【第5話(11月7日[月]放送)あらすじ】

佐伯陽芽(大原優乃)は、富⼠崎宰(犬飼貴丈)と清水(南りほ)に推薦され、ダイエットに役立つお菓子の新プロジェクトに参加することに。最近体重が落ちず焦っていた陽芽は、加奈子(谷まりあ)から新しいダイエット方法を紹介してもらう。一方、社長の御曹司である宰は社員からの悪口に心を痛めていた。宰を慰めようとした陽芽は、思わず宰の手を握ってしまう。加奈子は大胆な陽芽の行動を喜ぶが、陽芽が相変わらず自分に自信がないままだった。加奈子のアドバイスで企画提案も順調に進んだ陽芽は、会社から帰ろうとする時に、疲れてうたた寝してしまった宰を見つける。周りに誰もいない状況で、つい宰の頭を撫でてしまった陽芽に対し、寝ぼけていた宰は陽芽を抱き寄せて・・・。

◆放送情報
Paraviオリジナルドラマ『-50kgのシンデレラ』
毎週月曜深夜25:35よりTBSほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」では、全話配信中。
(C)Paravi