近場での夫婦交換(スワッピング)が何だか良からぬ方向に向かい始めた『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』(テレビ東京系)第5話。
仁科志保(佐津川愛美)のママ友で資産家の妻・森尾裕子(橋本マナミ)からの依頼によって始まってしまった仁科夫婦と森尾夫婦のスワッピング。
ラマーズインポテンツだという森尾真司(黄川田雅哉)は志保との性行為後に、妻とはまだスキンシップが取り戻せていないようだ。マザコン、かつ親離れも子離れもできていない真司がようやく母親に食事を別にとることを切り出せたのは良かったものの、これまでずっと"なかった"夫婦関係を取り戻すのには時間がかかるのだろう。
仁科浩介(千賀健永/Kis-My-Ft2)の場合には、"自分の妻が他人に抱かれているのを見て妻への欲情を取り戻す"ことができ事後に必ず志保との関係を結べていた。そんな浩介でさえも時間が経過するとなかなか機能しづらくなり、志保に再度スワッピングの継続を頼んでいたのが思い出される。スワッピングの効果効能もきっと人それぞれに効き目が出始めるタイミングが異なるのだろうが、真司の場合にはそれともまた違う不安が過ぎる。
スワッピングを望んでいるのは自分なのに、それを裕子に受け入れてもらえないとなると、浩介が夫婦交換の継続を望んでいると嘘をつき、さらに浩介側には裕子の発案だと嘯く。そしてこの真司の嘘が、真司と裕子双方の眠っていた本性を目覚めさせてしまうことになるのだ。
窪塚夫婦からのアドバイスで夫同士が家の鍵を交換して相手の家に一晩泊まる"鍵遊び"に手を出してしまう2組の夫婦。これは互いに安心して素性を開示できる距離感にある夫婦同士でしか出来ないことではあるだろうが、あまりに近場で導入するのは泥沼化になる展開しか見えない。4人が4人ともに良識のある大人で、あくまで割り切って"その時だけ"の関係を楽しめないと、たとえ4人の内の1人だけでも私情を持ち込んでしまった途端簡単に崩壊してしまう危険な関係で、"遊び"というにはあまりに高度なものだろう。
真司は志保との行為中にスパンキングに手を出すし、夫以外の男性と関係を持ったことがなかった裕子は浩介との行為で新たな快感を知っていく。森尾夫婦の"夫婦間で互いに抑制し合い続けてきた"ツケがスワッピングをきっかけに露呈していくのが切ない。森尾夫婦のどちらが悪いということもないのだろうし、特に日本ではこのような夫婦が少なくないのだろうが、夫婦間で実は何も肝心なことが話し合えていない。"家族""夫婦"という体裁を守ることばかりに意識が向き、その中身を自分たち流にカスタマイズできていないのだろう。
案の定、この"鍵遊び"には昼ドラのような展開が待ち受けていた。"鍵遊び"をした日が危険日だったにもかかわらず浩介との避妊に失敗したことに気がついた裕子はアフターピルを処方してもらうも、それを飲まない選択をする。後継ぎを生まないとこの家に自分の居場所がなくなり、そうすると真司と一緒にいられなくなるという思いから、何とかして第二子を身籠もらねばならないとする裕子の暴走が始まった。しかし、真司との関係がない中で身籠ってしまえば、どんな行末が待っているかなんて簡単に想像できそうなものだが、彼女は何とかそれまでに帳尻合わせができると思っているのだろうか。
自分たちの本性に気づかずに夫婦を続けてきた、ある意味"仮面夫婦"森尾家に巻き込まれゆく仁科夫婦。どんどんホラーの様相も帯び始めた本作だが、仁科夫婦よ、健闘を祈る・・・。
文:佳香(かこ)
【第6話(11月9日[水]放送)あらすじ】
仁科志保(佐津川愛美)のママ友・森尾裕子(橋本マナミ)は、男の子の後継を早く作れという姑からのプレッシャーに相当参っていた。そんな話を聞いた浩介(千賀健永)は、仁科夫婦・森尾夫婦で温泉旅行に行くことを提案。しかし、裕子は仁科夫婦を泥沼に沈めるある危険な計画を企てていて・・・。そんな中、志保は裕子に今回を最後に夫婦交換とは距離を置くと伝える。果たして、裕子の暴走を止めることはできるのか!?そして、真司(黄川田雅哉)の抱える秘密とは一体!
◆放送情報
ドラマ Paravi『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』
毎週水曜深夜0:30よりテレビ東京系で放送
動画配信サービス「Paravi」で21:00より毎話独占先行配信
(C)「夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~」製作委員会
- 1