『君の花になる』第3話は、"自分の色を大切にすること"がテーマ。敏腕マネージャー・香坂（内田有紀）が新たに8LOOMに就くこととなり、「私があなた方をCHAYNEYにして差し上げます」と宣言。8LOOMのマネジメント改革に乗り出すことに。

香坂の手腕もあり、次々と大きな仕事が舞い込む8LOOM。だけどその陰で軋みのようなものが生まれはじめて･･･というお話でした。

「ポスト〇〇」ってフレーズ、使用禁止にしてほしい

よく新たな才能が世に出ると「ポスト○○」と呼んで、既存のスターにこじつけたりしますが、ああいうのを見るたびに「別にポストとかなくてええやろ〜」「その人はその人で評価したれよ〜」と思います。その方がキャッチーなのはわかるんですけどね。新しく出てきた人にも、もともと活躍していた人にも、どっちに対しても失礼じゃろがい、と身内でもないのにキレ散らかしたくなる。

香坂もまたCHAYNEYの成功体験をもとに、8LOOM にもCHAYNEYと同じ道を歩ませようとします。が、CHAYNEY はCHAYNEY だから成功したのであって、同じ理屈が8LOOMに通用するかと言ったら別の話。

「いちばん怖いのは、周りにいろんなことを押しつけられて、そのうち自分の色を忘れちゃうことで」

そう香坂に訴えるあす花（本田翼）の言葉は、どことなく自分自身に言ってるようにも聞こえました。あす花もまた教壇に立っていた頃に、あるべき教師像に押し潰されて自分を見失った経験があるのか。あす花が8LOOMの夢を応援するのは、教師時代にできなかったことをもう一度やり直しているようにも見えます。

あす花の言葉に突き動かされた8LOOMは、翌日のテレビ取材に向けて作戦会議を決行。周囲の大人たちは代わりに寮の掃除をするなど8LOOMをサポートし、何とか取材を成功させるのでした。

そんなあす花たちを見て、香坂も改心。「あなた方のペースも考えずに、つい成功体験にすがってしまった点は私のミスでした」と謝罪します。基本的に悪人がいないのが、火曜22時枠のお約束。鉄眼鏡と呼ばれる香坂は、愛嬌のあるあす花につい嫉妬をしていたと打ち明け、人の顔色を窺ってばかりのあす花もまた凜とした香坂に憧れを抱いていることを告白します。結局、他人と比べて自分に自信を持てなかったのは、香坂もあす花も同じ。この着地は、"自分の色を大切にすること"という今回のテーマにもフィットしていて、爽やかな余韻をもたらしました。

弾のアイドル意識が低すぎて違う意味で胸がドキドキします

また、この第3話は8LOOMの成長を描くお話であると同時に、まだ謎に包まれているあす花の過去も見え隠れする内容に。香坂から寮母は不要と言い渡されても、反論することなくヘラヘラと愛想笑いを浮かべるだけ。そんなあす花のことなかれな態度に弾（高橋文哉）も苛立ちを募らせます。

「あんた、また簡単に夢ほっぽり投げんのかよ」

自分の夢を応援してくれたあす花が、どうしてこんなふうに変わってしまったのか。普段は寮母の立場も忘れてしゃしゃり出がちなのに、肝心なときは波風を立てたがらないあす花の煮え切らなさは、間違いなく教師時代の失敗が原因にある模様。このあたりが明らかになってくると、視聴者としてもあす花に感情移入しやすくなるかなと思っています。

どうでもいいですが、おんぶの次は2人で夜中にお散歩って、弾のアイドル意識低すぎん？？　自転車にぶつかりそうになったあす花を引き寄せるところとか、絶好のシャッターチャンスすぎて違う意味で胸がドキドキします。文春はもちろんのこと、古参オタのリリカ（川津明日香）に見られたら秒速で炎上するので、くれぐれも人目にお気をつけください･･･。

今回の推しのソロカットは5.0秒でした･･･（涙目）

それはさておき、今週の8LOOMですが、相変わらず巧（NOA）と宝（山下幸輝）がほとんど映りません！！　思わずソロカット（作戦会議中にカメラがパンしているのを含む）の秒数を数えましたが、宝は10.25秒。巧は5.0秒だけやった･･･。クズ男の満男（菊田竜大）より少なくて涙目。

オタクというのは、新譜が出たら必ず推しの譜割をチェックする生き物。これが『Mステ』ならもっと自担を映さんかい！　とTwitterで悪態をつくところです。

しかし、そんな中でも推しのいいところを探し出すのがオタク。今回の巧くんは香坂への「圧がすごい･･･」というぼそっと声が面白かったし、自己PRの「お肌スベスベ･･･」に今すぐビオレのCMとってきたくなったし、最後に「感謝･･･」と胸に手を当てるところとか可愛さが天元突破してた。すべての台詞に「･･････」のつくまったり口調が疲れた心を癒してくれるし、なんなら巧、「ヒロシです･･･」のモノマネとかしたらTikTokあたりでバズるんじゃね？？？

宝は「ぴよ～」があざとくて、やはりあざとい担当は君だったのか･･･と自分の目の狂いのなさに安心しました。早くケンジ（宮野真守）は宝に『あざとくて何が悪いの？』の仕事を振ってくれ。

そろそろ主役回が来るかなと思っているのですが、どうやら次回は弾の曲づくりにスポットが当たる様子。大丈夫？　メンバー7人いるけど1クールで全員に主役回まわってくる？

うっすらと危惧していたことですが、もしやこのドラマ、8LOOMの物語というより、あす花と弾がメイン･･･？

今のところボーイズグループというより安室奈美恵withスーパーモンキーズな気がして、僕の心が『TRY ME～私を信じて～』です。

モーニング娘。だって、なっちだけゴリ推しした『ふるさと』がめっちゃいい曲なのに今いち売れなくて苦渋を味わったんだから、どうか保田圭や飯田圭織にもスポットが当たる『うたばん』方式でお願いします！

（文・横川良明／イラスト・まつもとりえこ）

【第4話（11月8日[火]放送）あらすじ】

弾（高橋文哉）は花巻社長（夏木マリ）に新曲をプレゼンするも、「いつも通りの楽曲では１位は無理」と言われてしまう。初めての"ラブソング"へのチャレンジを命じられ焦る弾に、8LOOMのメンバーたちも協力しようと寮で恋バナ大会を開催。そんな中、あす花（本田翼）は周りの協力さえもプレッシャーに感じる弾を気づかい、新曲作りのための取材が決まる。そこであす花は、弾があす花に抱えていたある複雑な思いを知ってしまい、2人の関係に急展開が･･･！

◆放送情報
『君の花になる』
毎週火曜22：00よりTBS系で放送。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」で配信。
『8LOOM ROOM～君花アフターパーティー！』も配信中。

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