秋元康が企画・原作を担当する『警視庁考察一課』(テレビ東京系)の第3話が10月31日(月)に放送された。本作は、事件の考察を専門とした部署「考察一課」を舞台とした物語。キャストには船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志ら、刑事ドラマやサスペンスドラマの"レジェンド"たちが勢揃いしている。

今回も、難解な事件の考察依頼が考察一課の元へと舞い込んできた。しかし、考察一課のメンバーは今日も揃わない。船越は定期健診、名取はドラマの衣装合わせ、高島は独自の調査で外出している。3週目にして、揃わないことが当たり前になりつつあるが、本来、それぞれが主役級の刑事と思えば仕方のないことかもしれない。

それはさておき、今回考察を依頼された事件の情報提供者は、なんと"犬"だった。犬が身にまとっていたウェアには、赤い口紅で「たすけて」の文字と小さな血痕。この迷い犬を飼っていた3人家族が行方不明の状態だという。

消息を絶った一家・立花家は、ごく普通の家族で、特にトラブルを抱えていた様子もなかった。筆跡から、口紅で文字を書いたのは息子・涼だと考えられているが、なぜわざわざ口紅を使ったのか。ナチュラル系のメイクの妻が、本当に赤い口紅を持っていたのか。謎は膨らむばかりだ。

次々と独自の考察を繰り広げるレジェンド達。しかし、新米考察官・藤井(藤井流星/ジャニーズWEST)も、自分が感じた違和感をもとに、負けじと考察を展開する。そんな藤井に西村は、迷言を残す。それは、「刑事は、なぜブラインドを少しだけ開けて外を見るか」という疑問に対する、「お前(犯人)からこっちは見えていないんだろうが、僕からはお前が見えているぞ」という答えだった。視聴者の中には、船越は下向きに、西村は上向きにブラインドを開けることを指摘する、コアな反応も。視聴者側の"考察力"も上がっていそうだ。

独自のブラインド論を展開した西村は、考察一課メンバーが刑事ドラマに協力することには否定的な様子。しかし、そんな西村の元にもドラマの監修の依頼が。すると、渋々といった感じで受け応えつつも、どうしても乗り気な様子を隠せない西村。あまりのツンデレぶりに、思わずクスっとしてしまう。

そんな中、捜査の進展が知らされる。ドッグウェアに残されていたのと同じような口紅のメッセージが、関越自動車道のサービスエリアのトイレの壁からも発見されたのだ。そこで、名取の勘が冴え渡る。口紅のメッセージを残したのは、涼とは別の人物ではないかと言うのだ。筆跡鑑定の結果、名取の考察は見事的中。文字の主は、事件発覚のきっかけとなった迷い犬を交番に連れてきた女性・藤間(松本海希)だった。

また、立花家の裏の川から、妻・香織里(松丸春奈)が通っていた美容室のカリスマ美容師・長谷(藤田智大)の遺体が発見されるという急展開。藤間は、香織里と同じ美容院に通っており、長谷に対して恋心を抱いていた。しかし、香織里と長谷が不倫関係にあることを知り、夫・直也にその事実を伝えた後、長谷に香織里と別れるように忠告するも冷たくあしらわれてしまう。そのことに逆上した藤間が、長谷の頭を近くにあった石で殴ってしまったのだ。藤間は、自分の罪を隠蔽すべく、立花家の一家心中のシナリオを作り上げた。

ここまで全て考察一課が一部屋の中だけで繰り広げた考察だが、事実も全て考察通りのものだった。おふざけを挟みつつも、しっかりと結果を残すところは流石レジェンド刑事達である。

次回は、これまでずっと京都にいた内藤がいよいよ帰ってくるという。また、今回大活躍(?)だった西村が刑事を辞めるらしき描写も。果たして、来週こそはメンバー全員が揃うのだろうか。

文:田幸和歌子

【第4話(11月7日[月]放送)あらすじ】

新進気鋭の華道家・東柊一(齋藤雪弥)が殺害された!死因はトリカブトによる毒殺。そして未来が嘱望された彼に手をかけたのは、実の母だった―。
しかし、柳沢慎三(柳沢慎吾)は別に犯人がいると睨む。根拠は刑事の勘、タイムリミットも送検までの3時間とかなりの難題だが、船越慶一郎(船越英一郎)らは考察を引き受けることに。由緒正しき華道家一族の裏には、誰も知らない愛憎うごめく跡継ぎ問題が!?

◆放送情報
ドラマプレミア23『警視庁考察一課』
毎週月曜23:06~23:55(テレビ東京系)
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「警視庁考察一課」製作委員会