"妻だけED"の夫・仁科浩介（千賀健永／Kis-My-Ft2）側からの視点でここまでのストーリーが描かれた『夫婦円満レシピ～交換しない？一晩だけ～』（テレビ東京系）第3話。
　
随所に『エヴァンゲリオン』を思わせる効果音やテロップが挿入されながら進む浩介サイドの物語は、いかにして彼が原因不明の"セックスレス"問題に立ち向かおうとしたのかが軽快に描かれていく。

浩介は製薬会社のMRとしてたまたま出会った窪塚祥子（板谷由夏）に、プライベートの悩みを言い当てられ、彼の素直さや人の良さもあって、彼女に手引きされる形で、夫婦交換（スワッピング）の世界の扉を開けたようだ。

あの手この手で妻・志保（佐津川愛美）に対して、セックスレス解消の手立てとしてスワッピングについての布石を打っては敗れ、また新たな手を打っては撃沈する浩介の姿はある意味健気でもあり、少し同情もしてしまう。排卵日であることを食卓にハンバーグを並べることで伝える"察して欲しい"志保、そして理性的な志保に出来るだけ嫌悪感を抱かせずにスワッピングへのハードルを下げていこうとジャブ打ちする浩介の姿は、やましさなど一切なく、ただただ必死で一生懸命だ。

"妻だけED"という突然の現象に見舞われ、自分の妻への気持ちも消えかけてしまっているのか、誰よりも浩介自身が不安に思い、自分のことが信じられなくなったりわからなくなったりしながら葛藤し迷い続けていたのだろう。その浩介の哀愁やもがきを千賀持ち前のチャーミングさを持ってして体当たりで演じてくれていた。

志保のことも家族のことも大切に想っている気持ちに嘘偽りはなく、だからこそ感情と身体がうまく連動せずに、自身の意志と反して機能しない手詰まり感や焦りを実直に表現できていたからこそ、なかなかに過激なテーマであるものの、それを何とか地続きの話として観ることができたように思える。

日常生活を共にしながら、家に帰ればいつでも会えてしまうその相手に欲情し続けるというのは互いの努力や工夫がない限りなかなかに難しいことだろう。祥子は「飢えのないところに衝動は生まれないの」と話していたが、"恋愛"は非日常要素も含むものの、日常でしかない"家庭"内に刺激を持ち込むのは至難の業だろう。特に子どももいる家庭生活ともなれば、思い切って場所をガラリと変えて２人だけの時間を持つようにするなど、いつもとは違うシチュエーション作りと脱マンネリのスイッチを互いに見つけないことには厳しそうだ。

窪塚夫婦と浩介の小芝居によって、仁科夫婦は見事セックスレス解消に成功し、子どもができるまでは窪塚夫婦と夫婦交換を継続することを決めたようだが、その際に娘・梢（紙崎瑛茉）を預けていたママ友・森尾裕子（橋本マナミ）より思いがけない交換条件が出される。なんと、森尾夫婦との夫婦交換を依頼されたのだ。そんな近場での交換は避けるに越したことがないのでは？と素人目にはヒヤヒヤしてしまうのだが、これが、仁科夫婦が夫婦交換に沼るきっかけになるのだろうか。

次週は怖いもの見たさでしかないが、彼らがこのなかなか周囲からの理解の得難いであろう環境下で、何を守って、何を打ち壊していくのか見守るしかない。

文：佳香（かこ）

【第4話（10月26日[水]放送）あらすじ】

仁科志保（佐津川愛美）のママ友・森尾裕子（橋本マナミ）は、厳しい姑から、後継の男の子を待望されていた。しかし夫の真司（黄川田雅也）との間に、男の子が出来ず焦る裕子は、テクニックの研究や刺激的な下着を買うなど色々試すが、どれも真司には効果がなかった･･･。
そんなある日、志保は家に訪ねてきた窪塚洋一郎（平岡祐太）とのキスを裕子に見られてしまう！全てを聞いた裕子は、志保や浩介（千賀健永）に「夫婦交換」をしてほしいと頼み･･･？

◆放送情報
ドラマ Paravi『夫婦円満レシピ～交換しない？一晩だけ～』
毎週水曜深夜0：30よりテレビ東京系で放送
動画配信サービス「Paravi」で21：00より毎話独占先行配信

(C)「夫婦円満レシピ～交換しない？一晩だけ～」製作委員会

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