『赤いナースコール』(テレビ東京系)第10話、新たに明かされた事実の断片が随所に散りばめられ、点と点が一気に繋がりそうな回となった。

まず、翔太朗(佐藤勝利)と刑事の工藤(池田鉄洋)が行き着いた通り、313号室の入院患者が次々に殺されるのは「復讐のため、殺すために集められた」からだろう。

その"復讐"の原因になった出来事は、翔太朗が脚本を担当し、プロデューサーを殺された山之内(小堀裕之)が務めた『セクシー刑事』の「傷だらけの正義」回に隠されているのかもしれない。院長・榎木田(鹿賀丈史)が感動したと言うこのエピソードは、実際に起こった事件――コンビニの中でタバコを吸った人を注意した学生が逆ギレされて殺される事件――をモチーフにしているという。

ここまで聞いて、連想することがある。313号室の入院患者で殺された焼肉店店長の下塚(大水洋介)について、店員が似たようなエピソードを披露していたではないか。焼肉店の前のコンビニで全く同じ事件が起きた時に下塚は「下手に正義感を振りかざすと損をする」と話していたようだが、もしかするとその現場に下塚は居合わせていたのではないだろうか。

そして、この殺された学生というのが榎木田にとっての大切な人だった可能性はないだろうか。例えばこれが、榎木田が過去形で話す息子、何とも言えぬ表情で見つめる写真に写るあの男性だったりしないだろうか。

現場に居合わせたのに見て見ぬ振りをした下塚、そしてその事件をモチーフにおもしろおかしく脚色してドラマにした翔太朗が同じ病室で入院していたのだ。ラストで後藤田(森田甘路)が殺される前に明かしていた通り、入院患者へのお見舞いは特別な事情がない限り禁止されている中、プロデューサー・山之内だけは翔太朗と面会できていたのも不自然だ。そうすると殺された松井(木村了)や滝中(橋本淳)ももしかするとこのコンビニでの理不尽極まりない事件の目撃者だったのかもしれない。

津田(山本浩司)の正体はこの病院の不正を暴き金銭をゆすろうとしている悪質なフリーライターということで、彼は間違いなく病院にとって邪魔な存在に他ならず、確かにこの病室には榎木田が処分したい人間ばかりが集められているということになる。この病院の内情にやたらと精通している後藤田はむしろ何かしら病院側に恨みを抱いているような存在に思えるが、彼と病院の因縁も気になるところだ。

こうなってくると、もしかすると榎木田院長の息子らしき人物の隣に写っていたアリサに似た人物はたまたまアリサに酷似していただけで、交通事故を引き起こし翔太朗を誘き寄せたところ、たまたま自分の孫にそっくりなアリサが付いてきたということなのだろうか。両目が見えている状態であればそのそっくりさは際立ち、この復讐を遂げることに迷いが生じてしまうからこそ、アリサの片目を包帯で覆って見えないようにしたというようなこともあり得るかもしれない。

そして、榎木田院長の元妻で看護師の西垣(浅田美代子)が話していた「45年前に起きたあのこと」の概要が明かされた。西垣が新人ナース時代、入院患者の娘が父親に虐待をされていたと訴え、父親からのナースコールを取らないで欲しい、このまま生き延びても生活が立ち行かないという懇願に従ってしまい、帰らぬ人となったようだ。それを、榎木田院長は呼吸器不全だと診断書を偽装し庇った。つまり、西垣は榎木田に弱みを握られているということだ。この313号室の人間を次々に殺す院内連続殺人は、もしかすると榎木田からの指示を受けた西垣の手によるものという可能性も出てきたのではないだろうか。

さて、ショッキングすぎるラストを迎えた第10話。電ノコ男を目撃してしまうだろうアリサはどうなるのか。あと2話でどんな真実に近づけるのだろうか。

文:佳香(かこ)

【第11話(9月19日[月・祝]放送)あらすじ】

三森アリサ(福本莉子)の目の前で、後藤田健斗(森田甘路)の体が電動ノコギリによって真っ二つに!状況を聞いた春野翔太朗(佐藤勝利)は、テレビをほぼ見ないのに自分のデビュー作を知っていた、榎木田誠(鹿賀丈史)に疑いの目を向ける。なんと後藤田の殺害方法がドラマで描かれた殺人事件と酷似しているのだ。しかもそれは2年前、実際に起きた事件をモチーフにした話で・・・。さらに313号室の患者たちの共通項がついに判明する。

◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「赤いナースコール」製作委員会