「戻ってる!」
小梅(飯沼愛)が、ようやく本来の自分の姿に戻ることができた『パパとムスメの7日間』第7話。パパ(眞島秀和)と入れ替わってから、"おじさん"の姿でしか健太先輩(長尾謙杜)と接することができなかった小梅。もどかしい思いを抱えてきたぶん、思い切って恋を進展させちゃってくれ! と思ったが・・・なんと、今度はパパと健太先輩が入れ替わってしまった。
パパと入れ替わった健太先輩、ちょっぴりウザいけど愛らしい
クールだった健太先輩が、パパと入れ替わったせいで陽気な青年に。「結構キュンだったぞ!」と言いながらキメ顔をするなんて、今までの健太先輩なら絶対にしない! それに対して、「何がキュンだよ。やめて! 見た目が先輩だと、やりづら!」とツッコむ小梅が、最高に面白い。
外見は健太先輩だけど、中身はパパだから、小梅はもう言いたい放題だ。「ラグビー部じゃ、エースだったんだから」と"ドヤ顔"をする健太先輩(中身はパパ)を、「うっざ」「オヤジ!」と睨みつける。同じ外見を持っていても、中身が違うとこんなにも変わってしまうのか。入れ替わる前の健太先輩は、硬派で近寄りがたい空気を纏っていたのに、陽気にファン対応も行うように。頼まれてもいないのに、「バーン」と決めポーズを取ってみたりする。「モテてるのは、パパじゃないから!」と言う小梅の気持ち、めちゃくちゃ分かります。でも、なんだか愛らしく思えてくる。第二の青春を楽しんでいる感じで。
小梅×健太先輩の夫婦漫才 凛花が嫉妬する気持ちも分かります
今までとは明らかにちがう小梅と健太の雰囲気に、凛花(鈴木ゆうか)はふくれっ面。それも、そうだろう。だって、幼なじみの自分が小梅に敵うのは"距離感"。どこか遠慮ぎみな小梅に対して、凛花は冗談を言い合ったり、わがままを言ってみたりすることができる。それなのに、夫婦漫才のようにテンポの良いやり取りをされたら、たまったものじゃない! だが、健太先輩の中身はパパだから、小梅のために、厳しいことを凛花に伝えることができる。
「俺は、川原のことが好きだ。凛花のことも、もちろん友達として、大切に思ってるからこそ、分かってほしい。俺の好きな人のことも、好きになってくれないかな?」
出過ぎた真似だったかもしれないが、健太先輩も凛花の本当の気持ちを知れば、こう言っていたはず。それに、大好きな小梅が、凛花に意地悪をされていたと知ったら、苦しむのは健太先輩だ。好きな人も、幼なじみも、大事にしたいからこその決断。ナイス、パパ!
しかし、ようやく小梅が元の姿に戻れたのに、今度は健太先輩がパパと入れ替わってしまうなんて・・・。いつになったら、本当の小梅と健太先輩で向き合うことができるのだろう。まるりが歌うEDテーマ「ホントの私」の歌詞が、胸に突き刺さる。
これって、素の長尾くんに近いのでは・・・?
筆者のなかでの"長尾くん"のイメージは、天真爛漫でちょっぴりヤンチャな男の子という感じ。なにわ男子のメンバーといる時も、場を明るく盛り上げている印象がある。だからこそ、パパになった陽気な健太先輩の方が、"長尾くん"に近いような気が...。SNS上でも、「大杉健太じゃなくて、長尾謙杜やん」「7話は健太先輩じゃなくて長尾謙杜全開だね」などの声が上がっていた。
だが、意外にもこれまでは"陰"の要素が強い役柄を演じることが多かった長尾。GP帯連続ドラマ初出演作『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)では、マスクを外すことができない内気な男の子を。続く『メンズ校』(テレビ東京)でも、乙女チックな趣味を持つ弱気な高校生を演じていた。『パパムス』の前に出演していた『となりのチカラ』(テレビ朝日系)で演じた託也も、認知症の祖母の面倒を看るヤングケアラー。闇を抱えているキャラクターが、がっちりハマっていた。健太先輩も、おとなしめの青年ではあるが、これまでの役に比べると"陰"の要素が薄いくらいだ。
だからこそ、長尾は"陰"に振り切った役柄で映える俳優だと思っていた。しかし今回、本来のキャラである"陽"を押し出した演技も、ハマることが判明。もちろん、小梅のために、パパと健太先輩がはやく戻ってくれること願いたいが、このまま長尾の陽キャ演技を堪能していたい気持ちもある。
(文・菜本かな/イラスト・月野くみ)
【最終話(9月13日[火]放送)あらすじ】
小梅 (飯沼愛) の奮闘も虚しく、恭一郎 (眞島秀和) と健太先輩 (長尾謙杜) は入れ替わったままだった。そしてついにやってきた、御前会議とサッカーの決勝戦。戻れないものは仕方ないと、恭一郎<中身は健太先輩>と健太先輩<中身は恭一郎>は気持ちも新たに熱い握手を交わす。だが、その瞬間突然空がピカッと光り・・・。
目を覚ました小梅は健太先輩がサッカーの決勝戦へ向かう一方で、恭一郎は遅れながらも御前会議が行われている役員会議室に飛び込む。御前会議はすでに終わったと告げられるが、恭一郎は覚悟を決めて社長に自分の想いを打ち明け始めるのだった。
そして、健太先輩が出場する決勝戦も延長の末、PK戦に持ち込まれ、健太先輩のシュートが決まれば優勝という大事な場面。小梅と会議を終えて駆けつけた恭一郎が必死に祈る中、シュートの行方は一体・・・!?
そして小梅と健太先輩が迎える恋の結末は・・・!?
◆放送情報
『パパとムスメの7日間』
毎週火曜深夜24:58よりTBSほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」では、1週間先行配信中。
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