これは、功(杉野遥亮)の恋が実るフラグが立ったも同然・・・!

ついに残すところ最終回のみとなった『ユニコーンに乗って』。第9話は、M&Aという大きな岐路を前に、それぞれが人生の決断を下した回でした。

これは、1人の青年が夢を見つける物語だった

ローンチした「スタディポニーキャンパス」は絶好調。国外ユーザーからの評価も高く、予定よりも早く、海外展開を視野に入れて動きはじめた佐奈(永野芽郁)たち。だけど、現状のドリームポニーでは設備も人材も足りていない。どうすればもっと早く、もっとたくさんの人たちに、平等に学べる世界を提供できるか。佐奈が下した決断は、羽田社長(広末涼子)からのM&Aの提案を受け入れることだった。

この佐奈の選択に最も強く反発したのが、次郎(前原滉)。次郎もまた、佐奈と功と共にドリームポニーを立ち上げた創業メンバー。ドリームポニーへの思い入れは佐奈にも負けてはいない。ずっとムードメーカーとして支えてくれた次郎との絆を描きつつ、どの道を選ぶことがベストなのかを描いた第9話。今まで築いてきたドリームポニーのストーリーとしても納得感のある展開で、セミファイナルらしいエピソードになっていた。

そして、ドリームポニーの今後と同じくらい注目を集めたのが、功のこれから。情報漏洩トラブルによって窮地に立たされた父・征一(利重剛)。きっともう少し前の功なら、佐奈に促されても駆けつけることなどしなかったと思う。でも、少しずつ近づく距離が、功を素直にさせた。わかり合うことなどできないと思っていた父が、自分のことを大事に思ってくれていた。その事実が、少しずつ功の気持ちを揺り動かしていく。

そして功は決断する。今までは佐奈の夢が、自分の夢だった。でも今度は、自分だけの夢を自分の手で掴んでいく。ドリームポニーでの経験を活かして、父の会社で大企業とスタートアップをつなぐ架け橋になる。それが、功が見つけたやりたいことだった。

もうさ、大学生のときはあんなにやりたいことが何もないと言っていた功がさ、お父さんの前でいろんなスタートアップのビジネスを紹介していて。その顔があまりにも楽しそうだから、「やっとやりたいことが見つかったんだね」と担任の先生みたいな気持ちになりました。今すぐ『贈る言葉』とか歌ってあげたい。その先にあるのが悲しい別れだとしても、キラキラとした目で功がお父さんと話せていることの方が何倍もうれしい。

この『ユニコーンに乗って』は、夢も何もなかった1人の青年が夢を見つける物語でもあったのです。

2人の気持ちは何ですかと出題されたら、「恋です!」と答えたい

うわあああん。前回のレビューで功がドリームポニーを離れると予想したけど、当たっちゃったよ~~!!(涙) 功がやりたいことを見つけられたのはうれしい。どこかふわっとした印象だった功が、佐奈と次郎に決意を語るその表情はすごく真剣で、佐奈に「功が決めたことを尊重する」と言われたときの顔は、ちょっと寂しさもあったけど、でもすごくすっきりしていた。

今まで「学生の延長」とか「仲良しグループ」みたいな見られ方をすることもあったドリームポニーだったけど、遊びでやっているわけじゃないから、真剣だから別れを決める。そのことは納得するし、むしろ予想した通りの展開なんだけど、なのになんで観ているこちらの方がせつない気持ちになっているんだろう。

もう功が、自分がデザインしたというあのカラフルなオフィスで、佐奈や次郎や恵実(青山テルマ)や海斗(坂東龍汰)、そして小鳥(西島秀俊)とデスクを並べて働いている姿を見られないのが寂しい。いつの間にか、思っていた以上にドリームポニーの空気感を自分が愛しく思っていたんだなと気づかされた瞬間だった。

最後に功が佐奈に向けて腕を広げたとき、佐奈は功の胸には飛び込まなかった。きっとあそこで抱き合ったら、これが別れになると佐奈もわかっていたからだろう。口では功の気持ちを尊重すると言っている。だけど、功がいなくなることを心がまだ受け入れられていない。そんなもどかしさが、あの何秒間のためらいにあった。

そして、そういう戸惑いを全部受け入れた上で、功から佐奈を抱きしめる。功は功なりに決着をつけようとしていたんじゃないかな、この長い片想いに。だから、小鳥と飲みに行ったとき、「小鳥さんがいれば大丈夫ですね、佐奈も」と自分に言い聞かせるように口にした。功にとって、あのハグは"ビジネスパートナー"からの卒業であり、同時に決別のハグだった気がする。

身長185cmの杉野遥亮のハグは大きくて、永野芽郁の体がすっぽり入るみたいだった。それがまた画になるからいとおしい。「今までありがとう。楽しかった」と言って、ほんの少し口角を上げてから、「楽しかった」という言葉を打ち消すみたいに寂しそうな表情になるところもグッと来た。

もうね、こんなの、全然ビジネスパートナーじゃないっす! 明らかに男女のハグ! お互いがお互いに想いを残しているから、こんなにせつない気持ちになるの? わかる? 「この気持ちは何ですか」「恋です!」っつって、「スタディーポニーキャンパス」で出題してもいいレベルです。

西島秀俊は、出走する気のない当て馬として伝説を残しそう

とりあえず最終回の1話前でこうなるということは、もう2人が結ばれるエンドで確定です。今までさんざんいろんなドラマを観てきた僕が言うんだから間違いない。これで佐奈×功エンドじゃなかったら、プロデューサーを愛の説教部屋に呼び出したい。さんまさんにピコピコハンマーでどついてもらいたい。

だって、今日のスーツをご覧になりましたか。まさかのダブルですよ。20代でこんなにダブルスーツをおじさんっぽくならずに着こなせるのは、細身で上背があって、顔立ちが涼しげな杉野遥亮だからこそ。

去り際にお父さんが「あのプレゼン資料のデータ、俺のパソコンに送っといてくれ」と名刺を渡したあとのガッツポーズなんて、可愛いの極み。豪快にガッツポーズを決めるんじゃなくて、ちょっと控えめに、はにかみながら腕を振り下ろすところが、シャイで育ちのいい功らしくて、政府~、すぐにこの可愛い生き物を保護して~ってなった。やっぱり杉野遥亮は、こういう喜びが漏れ出たときのリアクションが飾ってなくて最高にいいのよ。

こうなると、最終回はもういかに佐奈と功が結ばれるかしかない。場所はどうだろう、やっぱり2人が出会ったあのキャンパスとかいいんじゃないかな。あのとき、できなかったキスを交わして、2人の時が動き出す。そんなエンディングが見られたら、僕が代わりにユニコーンに乗って宇宙まで飛んでいきます。

クラッカーを用意してお待ちしているんで、どうか2人の最高のハッピーエンドを見せてください!

追伸、それはそれとしてキックボードでやってくる小鳥さんが可愛すぎてひっくり返りました。西島秀俊は、ラブコメ史上に「出走する気がまったくない最強の当て馬」として伝説を残すことになりそうです。

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【最終話(9月6日[火]放送)あらすじ】

サイバーモバイルとM&Aという形で手を組み、新たなスタートを切ったドリームポニー。念願の世界進出へ向けて動き出し、佐奈(永野芽郁)は充実した日々を送っていた。

しかし、ふとした時に思い出すのは会社を去った須崎(杉野遥亮)のこと──
"ビジネスパートナー"ですらなくなってしまった今、佐奈は須崎に連絡を取ることもできずにいた。心に空いた穴を誤魔化すかのように、ひたすら仕事に打ち込む佐奈だったが、無理がたたり体調を崩してしまう・・・
そんな佐奈にそっと寄り添う小鳥(西島秀俊)。佐奈の異変をずっと気にかけていた小鳥は、佐奈にある助言をする。

一方、新たな職場で夢を追い始めた須崎もまた、日常の中でふいに佐奈を思い出していた。蓋をしたはずの気持ちがぶり返し、もやもやを募らせる。

ついに結末に向けて動き出す、佐奈と須崎、そして小鳥。戸惑いながらも、前に進んできた彼らが最後に見出す希望とは・・・!? 大人の青春の行方をお見逃しなく!

◆放送情報
『ユニコーンに乗って』
毎週火曜22:00からTBSで放送中。
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。