遂に刑事の工藤(池田鉄洋)まで刺されてしまう『赤いナースコール』(テレビ東京系)第8話。またしても実行したのはトラック運転手・宇多川(長野克弘)だが、これは亡き看護師・野田(上地春奈)経由で依頼された院長・榎木田(鹿賀丈史)からのお願いなのだろうか。そしてなぜ宇多川は工藤の携帯番号を知っていたのだろうか。

そして、話が大きく動いたのは榎木田とアリサ(福本莉子)の関係を匂わせるものが初めて映り込んだことだろう。榎木田が何だか愛おしくも複雑な表情で眺める写真に写っていたのはアリサのように見えたが、彼女は榎木田の孫娘なのだろうか。さらに映像のピント上はアリサの隣に写る男性の方にフォーカスされており、例えばこれはアリサの父親であり榎木田の息子なのだろうか。アリサは実家や父親の勤務先の大学に電話をするも、両親からの連絡がないのだと翔太朗(佐藤勝利)に話していたが、もしかするとサイコキラーであるアリサが両親のことも手にかけてしまった可能性はないだろうか。

ちなみに榎木田は実母である三上(藤夏子)の葬儀に花の手配をするも、喪主を務めた自身の姉から断られていたことも明かされ、姉弟仲も悪そうで何だかのっぴきならない家庭事情を抱えているのは間違いない。

榎木田記念病院の防犯カメラのデータには明らかに何者かによって編集された痕跡が見られ、これは榎木田の妻で理事長である榎木田玲子(渡辺真起子)の秘書・瀬尾(辻川慶治)の手によるもののようだ。さらにデータは自動的に消去される仕様になっており、もはや防犯カメラの意味をなしていない。きっと病院内で連続殺人をするアリサの証拠に関わる部分をカットしているのではないだろうか。

そして病室の半数が殺されてしまった313号室の生き残り患者・津田(山本浩司)も何やらきな臭そうだ。病院の広報担当者にこの病院の会計上の不正を調査するよう依頼していたようで、さらには防犯カメラのデータを入手するようトイレの個室の壁越しに脅していた。津田はおそらく単に金目的なのだろうが、この広報担当者も津田に何か弱みを握られており、こんなことをさせられているのだろうか。まともに見える広報担当者でさえも脛に傷を持っているとなれば、やはりこの病院は本当に全員が怪しく呪われている。

同じく313号室の生き残り組・後藤田(森田甘路)もこれまでも度々ナースステーションの影で聞き耳を立てていたり情報通だったりと、怪しさは拭い去れない。

次なる展開として考えらそうなのは、院内連続殺人犯(おそらくアリサ)とチャイコフスキー連続殺人犯の直接対決ではないだろうか。野田の遺体からは全ての歯が抜き取られていたようで、イヤホンからはチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が流れていたことからも、これはチャイコフスキー連続殺人犯による殺人なのだろうか。それとも、チャイコフスキー殺人を模倣した院内連続殺人犯による犯行なのだろうか。

次週予告によると、"解決編"がいよいよ始まるようで、なんだか後藤田もこれまで見せなかった表情を覗かせており、疑惑は深まるばかりだ。工藤の無事を信じながら次話を待ちたい。

文:佳香(かこ)

【第9話(9月5日[月]放送)あらすじ】

刑事の工藤文世(池田鉄洋)までもが病院の裏手で何者かに刺されてしまう。まだ病院内に犯人がいる可能性もあり、警察が敷地内を調べていると、ある部屋で思わぬものを発見する。畳まれた洋服と靴・・・「すべて私がやりました」・・・と書かれた1枚の紙・・・そして――。これまでの出来事を振り返った翔太朗(佐藤勝利)は、すべてこの6人部屋の病室から始まっていると考察するが・・・。

◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「赤いナースコール」製作委員会