榎木田記念病院院長の榎木田(鹿賀丈史)の元妻が自称21歳の看護師・西垣(浅田美代子)であることが明かされたかと思えば、続いて認知症を装っている老婆・三上(藤夏子)が何と榎木田の実母で、彼の旧姓は三上で榎木田病院には婿養子として迎え入れられたということがわかった。ということは、榎木田は西垣との夫婦関係が終わった後に、榎木田病院の先代の院長の娘と再婚したということなのだろうか。

「映像表現において特にショッキングなシーンがあります」というテロップと共に始まった『赤いナースコール』(テレビ東京系)第6話では、この三上が院内の駐車場で、何かこの病院の秘密について翔太朗(佐藤勝利)とアリサ(福本莉子)に伝えようとしたところトラックに跳ねられ死亡する。しかも、そのトラックには、2人がこの病院に運び込まれるきっかけになった衝突事故を起こした対向車にもあった特徴的なマークが入っていた。しかもこの運転手は1ヶ月前まで榎木田記念病院で入院していたという。

今話気になったのが、石原(板尾創路)が院長に「買って欲しい情報」があるとちらつかせていたが、その内容は何なのだろうか。その前に、石原が西垣とMRI室で密会のようなものを繰り広げており、そこで不自然にMRI画像がフレームインしていたが、彼が握った秘密と関係があるのだろうか。

さて「ショッキングなシーン」というのは老婆・三上だけではなかった。刑事の加藤(堀口紗奈)が病院の深夜潜入捜査を敢行。これまで怪しいフラグが立っていた加藤が何者かに襲われ、棺桶のような何か密封空間に閉じ込められ何と火を放たれる。チャイコフスキー連続殺人事件の犯人説のあった加藤が、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が鳴り響く中連れ去られた。しかし加藤の遺体はどこも欠損がないため、これまでの犯人とは異なるだろうし、チャイコフスキー連続殺人事件を装った別の何者かによる犯行だろう。ということは、チャイコフスキー連続殺人事件の犯人=加藤という説がこれで全くなくなったわけではない。

最後に気になったのは、加藤がなぜ入念にアリサの病室を捜査していたのかということだ。アリサの病室は個室で誰かが隠れていないかなどを捜査するのはまだわかるが、加藤はアリサの周りを電灯で照らししっかりとチェックしていた。もしかすると彼女は何かアリサに対して疑惑を抱いているのかもしれない。確かにこれまでもアリサが病院を脱出しようとしたり、彼女に近づいたりすると事件が起こる。今回もアリサの隣の病室から出てきた、大柄な影に加藤が襲われたことから、以前アリサと翔太朗が病院を脱出しようとした際に近づいてきた電ノコ男と同一人物、つまり院長の榎木田が怪しいと思えてしまう。

榎木田からアリサへの異様な執着、そして何としてもアリサを病院から出すまいとするところにヒントがあるのだろう。榎木田の家族関係が次々に明かされていることからも、彼の家庭"事情"と今回の院内での一連の事件が関わっているのは間違いなさそうだ。もしや、榎木田とアリサも実は家族関係があったりするのだろうか。

本作の最も恐ろしい結末としては、アリサが病院内の連続殺人事件の犯人で、それを恋人であり脚本家である翔太朗が解き明かしてしまうという展開だろう。

かなり登場人物が消えていき、怪しい人物が絞られてきたが、また新キャラの登場も待ち受けていそうで楽しみだ。

文:佳香(かこ)

【第7話(8月22日[月]放送)あらすじ】

夜中に潜入捜査をしていた加藤桜(堀口紗奈)が棺桶に閉じ込められた上、焼き殺されてしまう。しかも犯人らしき人物から通報があり、受話器からは殺害時の音声が。助けを求める加藤の声と共にチャイコフスキーのあの曲が流れていて――。相棒を失った工藤文世(池田鉄洋)は、殺意を覚えるほどの怒りに打ち震える。春野翔太朗(佐藤勝利)ら6人病室の患者たちも事件を知り、その状況から犯人が病院の中にいることを確信する。

◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「赤いナースコール」製作委員会