功(杉野遥亮)はちょっと臆病すぎるのかもしれないのう・・・。

決意の告白で一気に恋愛ゲージが上がった『ユニコーンに乗って』。しかし、第6話にしてどうやら功の恋は実らなさそうな気配が俄然高まってまいりました・・・(涙目)。

功よ、傷つくことを恐れないで・・・!

「俺は、佐奈が好きだ」

功からの突然の告白を誤魔化すように、佐奈(永野芽郁)は「人としてってことだよね」とかわす。だけど、功はもう譲らない。

「ビジネスパートナーって便利な言葉だよな。相手の気持ちを誤魔化すのにちょうどいい」

堰を切ったように溢れ出す言葉は嫉妬と苛立ちの色を帯びていて、男の本音がむき出し。でも、エレベーターでひとりきりになった瞬間、「なんてことを・・・」と後悔する姿はいつものナイーブな功で。自分でもコントロールできない気持ちに振り回されているのが伝わってくる。可愛い・・・可愛いよ・・・功。

翌日はオフィスでもギクシャクムード。いつもなら笑ってかわせるリンクコーデイジリも流せない。次郎(前原滉)に前夜のことをツッコまれると思わず目が泳ぐ。このあたりの嘘のつけないリアクションは杉野遥亮が最も得意とするところ。恋をしたときの動揺を鮮度高く表現できる。だから、杉野遥亮がラブストーリーを演じるとついほっておけなくなるのだ。

次郎の計らいによって、一緒に食事をすることになった佐奈と功。仕事の話をしても、どこか気まずい。功はそのぎこちない距離感を元に戻すように「俺たちは最高のビジネスパートナーでいよう」と宣言。結局、あの日の告白はうやむやのままたち消えてしまった。

功の気持ちは痛いほどわかる。でもこれは佐奈のためでも会社のためでもなく、自分が傷つくことから逃げているだけにしか見えない。3年もずっと友達だったんだもの。それをいきなり男女の仲にしようとしたって、土台無理な話。多少の気まずさやぎこちなさは、友情が恋に変わる成長痛みたいなものだと思う。それを恐れて避けていたら、一生この関係は前には進めない。

しかし、功にはそのリスクが耐えられない。結局功のいちばんの弱点はお坊ちゃんであるがゆえに教育格差の苦労がわからないことじゃない。ずっと安全なレールを歩いてきた功は転んだことがない。すっ転んで膝をすり剥いたときの痛みを知らないから、過度に怖がってしまう。だから、佐奈との関係もせっかく一歩進もうとしたのに、また自分から「振り出しに戻る」を選んでしまったんじゃないだろうか。

でも、功に知ってほしい。痛みが、人を強くさせることがあることを。膝のすり傷くらい、いつの間にか治る。だから、傷を負うことを怖がらずに、もっとほしいものはほしいと言ってほしい。でなきゃ、手を伸ばせばすぐ届くところにあったものさえいつの間にか消えてなくなってしまうこともあるんだから。

今の佐奈はまさにそうだ。功と食事を終えて別れたあと、佐奈は思い出していた。3年前のビジネスコンテンストの夜、「もしお互いに30になっても相手がいなかったら、そのときは結婚するのもありだよな」と功にプロポーズされたことを。眠りこけていたかに見えた佐奈はちゃんと起きていた。つまり、あの「うん」はれっきとした佐奈からの返事だったのだ。この3年、あの日の約束が佐奈の心の中にあった。

でも、この約束の難しいのは条件付きであること。あくまで「もしお互いに30になっても相手がいなかったら」の話だ。30になる前に他に好きな人ができたらご破算。そして今まさに佐奈を支える小鳥(西島秀俊)は、30になる前に佐奈の心をかっさらってしまうくらい魅力的な人物なのだ・・・!

Googleアシスタントより小鳥アシスタントがほしい

とにかく今回は小鳥砲が炸裂しまくっていた。急停止した車で佐奈をかばってくれたり、帰る方向は逆なのに何も言わずに自分の話に付き合ってくれたり。なんつーか、女子がしてほしいことの詰め合わせセット。1箱5000円くらいで高島屋で売っていたら速攻で買って帰ります。

さらに、やや衝突気味の母・美佳子(奥貫薫)との関係を案じ、こっそりオフィスに招くという最高のアシスト。OK、Google。これからはGoogleアシスタントより小鳥アシスタントがほしいです。もはや年上の部下というより、執事。燕尾服着た西島秀俊に「Yes,My Lord」なんて言われたら、QUOカード100年分とかプレゼントしたい。

しかも、やはり図書館で佐奈に本を渡した相手は、小鳥だった。それも小鳥はちゃんと覚えていたというおまけ付き。これまで功が小鳥にリードをつけられる最大のアベレージが付き合いの長さだったのに、これによって小鳥の方が功よりずっと前から佐奈を知っていたことになる。あかんやん・・・もう功に勝ち目あらへんやん・・・。

その上、すっかり人をダメにするソファが気に入ったのか、今回はソファの上で三角座りする小鳥さんという、とんでもなく可愛い生き物が爆誕していた。本当のあざとくて何が悪いの?は、田中みな実でも松本まりかでもなく、西島秀俊でした・・・。

しかも西島秀俊だから、可愛いだけじゃありません。

「そんなふうに温かで豊かな心を持つ女性になれたのはきっとお母様からたくさんの愛情を受けて育ったからじゃないでしょうか」

そう美佳子に伝えたとき、途中から小鳥の声がかすかな湿りを帯びて揺れる。瞳も赤く潤んでいる。小鳥がこんなふうに感情を見せるのは新鮮で。そこに、あの図書館から生まれた佐奈との強い結びつき、そして佐奈の母に対する敬意が込められていて、こんなの全国民が花粉症になっちゃいます。

それを聞いていた佐奈の泣き笑いもすごく愛らしくて、佐奈という人間のまっすぐさ、純粋さが、永野芽郁の瑞々しい感情表現からにじみ出ている。永野芽郁の俳優としての魅力は、この圧倒的な透明感だと思う。

母・美佳子の再就職先も「NTSクリーンハウス」という大森南朋あたりが働いていそうな会社に決まり、これで佐奈の家庭問題も解決。早智(広末涼子)からの投資も決まり、順風満帆かと思いきや、まさかの特許問題という最大のピンチが訪れ、ドリームポニーの行く手には再び暗雲が。裏切ったのは、エンジニアの海斗(坂東龍汰)。

はたして佐奈はこの危機にどう立ち向かうのか。そして次回でさらに近づきそうな佐奈と小鳥の関係の行方は。功の巻き返しも含め、『ユニコーンに乗って』後半戦もまだまだ見逃せないところだらけです!

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第7話(8月16日[火]放送)あらすじ】

順調に進んでいた「スタディーポニーキャンパス」の制作。しかし、永瀬(松尾貴史)率いるゲームアカデミアが、ドリポニの技術を横取りし、特許を出願していたことが発覚! なぜ技術が漏洩したのかと動揺する佐奈(永野芽郁)たちは、ここ最近、海斗(坂東龍汰)が不審な行動を取っていたことに気付いてしまう・・・。須崎(杉野遥亮)が海斗を問いただすも、海斗は黙ったまま会社を飛び出してしまうのだった。

仲間の裏切りに落ち込む佐奈たち。そんな様子を見かねた早智(広末涼子)の計らいで佐奈たちはリフレッシュ合宿へ行くことに! 各々が気持ちを切り替えて豊かな時間を過ごす中、偶然、小鳥(西島秀俊)と2人きりになった佐奈は、小鳥といると心が穏やかになることに気がつき───

◆放送情報
『ユニコーンに乗って』
毎週火曜22:00からTBSで放送中。
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。