誰もがわかっていたことではあるが、自称21歳の看護師・西垣(浅田美代子)は21歳ではなく、そしてなんと榎木田記念病院院長の榎木田(鹿賀丈史)の元妻であることが明かされた『赤いナースコール』(テレビ東京系)第5話。

前話に飛び出した榎木田の結婚や家族に関する発言を思い返すと、2人は何か子どもについて悲しい出来事を抱えているのだろうか。西垣が無理に身元を偽ってまで看護師としてこの病院に潜入しているのは榎木田からの指示によるものだそうで、備品をちょろまかしていたり、不倫しているのは誰かそれぞれの秘密を探る"内部調査"のためだという。例えば2人の子どもが何らかの事故や事件に見舞われ、それに関わっている疑いのある人物が病院内におり、その復讐のために元夫婦が手を組んでいるということはないだろうか。

気になるのは榎木田院長からのアリサ(福本莉子)への執着だ。彼女と翔太朗(佐藤勝利)が正に何者かによって電動ノコギリで襲われそうになっていた現場に潜入調査をしていたと言う刑事の工藤(池田鉄洋)には、「捕まえたのか?犯人の顔は見たんだろ?すぐに似顔絵作ったりモンタージュ作って指名手配すりゃいいだろ!」と強気なのに対して、アリサにはかなり慎重に犯人の顔を見たのか確認。「男・・・だよね?」と自ら限定し、背丈まで尋ねる。「病院長くらい」というアリサの証言に、榎木田は何か心当たりがありそうだったが、彼本人というよりは、例えば彼の息子に疑惑を抱いている可能性がないだろうか。これは完全な憶測だが、榎木田は息子の恋人(未来の妻)候補を探している、あるいは榎木田の息子が一方的にアリサのことを気に入り、翔太朗と引き離そうとしているなど有り得そうな展開にも思える。

2人を襲おうとした犯人と、翔太朗の身代わりに誤って殺害されたと見られるテレビ東洋のプロデューサー・山之内(小堀裕之)を手にかけた犯人はやはり協力関係にあるのだろうか。2人が襲われた時に突如病院内に鳴り響いたチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は何者かがそのタイミングで館内放送室まで行きCDを流したことを意味する。複数犯には間違いないが、一体何人関係者がいるのだろうか。

そして今話ますます存在感を強めたのは、認知症を装っている老婆・三上(藤夏子)だ。院長が開いた記者会見時にマスコミの前で「人殺し〜!!」と彼に迫ったり、何かとこの病院というよりは院長自身に恨みなど個人的な感情を抱いていそうにも見える。病院長や犯人の狙いがアリサだと薄々勘付いているからこそ、初期からアリサに「ここから逃げろ」とアドバイスしていたのではないだろうか。そう言えば三上も「ヤツらは用意周到なの!」と、複数形で話していた。

徐々に徐々に、病院関係者の相関図や謎が明らかになり始めたが、次なる標的は誰になるのだろうか。

文:佳香(かこ)

【第6話(8月15日[月]放送)あらすじ】

「私は事情を知りすぎている」そう怯えながら三森アリサ(福本莉子)に逃げることを促す老婆。だが病院長の榎木田誠(鹿賀丈史)が現れるなり狂気じみたふるまいを始め、アリサは老婆が認知症を演じているのだと理解する。ところが、野田千鶴子(上地春奈)から許しを得たアリサが、春野翔太朗(佐藤勝利)に会いに行ったある朝のこと。2人の前に再び老婆が現れ、鬼の形相で何かを告げようとする。だが――!

◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「赤いナースコール」製作委員会