気になる新事実が明かされた『赤いナースコール』(テレビ東京系)第4話。
まずはアリサ(福本莉子)の顔右半分が無傷だった件については、主治医・石原(板尾創路)ではなく院長・榎木田(鹿賀丈史)の指示による工作だったことがわかる。アリサのオペを執刀する石原に榎木田がそっと「顔に大きな傷を負ったと思わせろ」と囁いたようで、石原もその真意はわからないと言う。ここは一枚岩ではなかったようだ。
となると、必死でアリサが顔を負傷しているという設定を崩さず忠実に守ろうとする看護師の野田(上地春奈)も榎木田からの指示を石原と共に厳守しているということなのだろうか。なんだか彼ら2人が病室で死体を尻目に激しくキスを交わすシーンも見られた。ちなみにこの死体は、認知症を装っている老婆(藤夏子)が言う「退院したはずの患者がうちには帰ってないってこともある」という、正にそのパターンなのだろうか。
また、今話で気になったのは榎木田の意味深な発言だ。「よく結婚したら"喜びは2倍に、悲しみは2分の1に"とか言うけど、あれは嘘だ。結婚すると喜びはもちろん2倍になるが、悲しみも2倍になるんだよ。子どもができたら尚更だ」
院長室に飾られた写真立てには家族写真や子どもの写真が何枚も飾られているが、榎木田院長は何か家族について秘密や問題を抱えているのだろうか。そして、この病院で起こる奇妙な現象も、何かその家族、特に子どもに関する悲しみや喪失、あるいは復讐と関係があるのだろうか。もしかすると真犯人は例えば院長の子どもで、それに気づいている院長が子どもに入院患者の中から生贄を差し出しているのかもしれない。あるいは、子どもの犯罪を隠すために何か裏工作をしている可能性なども考えられないだろうか。
今話では、自主退院した313号室の元入院患者・松井(木村了)が自宅で毒殺されているのが発見された。ベランダの物干し竿に張り付けられた遺体は右肘から下が欠損しており、欠損部位はおぞましいことに洗濯物と一緒に乾燥機にかけられていた。これで313号室の入院患者6名のうち半分が何者かに殺害されたことになる。しかも遺体の一部が切り取られた状態で・・・。なぜこの病室に殺人のターゲットが集中しているのか、はたまたこの病院中でひっそりと人知れず患者が姿を消していってるのだろうか。
ようやくアリサとの再会を果たした翔太朗(佐藤勝利)だったが、彼らの逢瀬の現場に電動ノコギリの音と、そしてなんとチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が容赦無く鳴り響く。チャイコフスキー連続事件は病院外で起きる事件の犯人とされていたが、ここに来てその定説を覆してくる展開だ。
先クールの考察ドラマ『マイファミリー』(TBS系)では、真犯人は警察内部の人間だったが、本作でも刑事・加藤(堀口紗奈)を怪しむ声も挙がっているようだ。次週、翔太朗とアリサはこの絶体絶命のピンチをどう切り抜けるのか。また何か犯人の手掛かりになるものを掴めるだろうか。
文:佳香(かこ)
【第5話(8月8日[月]放送)あらすじ】
午前0時。病室を抜け出した春野翔太朗(佐藤勝利)は、三森アリサ(福本莉子)と再会を果たすが、電動ノコギリを持つ何者かに襲われる。だが突然、館内放送から大音量でチャイコフスキーのあの曲が!ふと気づくと、電ノコ男の姿はなかった。一方病室では、翔太朗の身代わりに山之内優馬(小堀裕之)がベッドにいた。だが翔太朗が戻るとある異変が。一方、記者会見を開いた榎木田誠(鹿賀丈史)は奇妙なトラブルにお襲われる。
◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信
(C)「赤いナースコール」製作委員会
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