アリサ(福本莉子)の顔右半分を覆う包帯の下は・・・なんと無傷だった。『赤いナースコール』(テレビ東京系)第3話で衝撃の事実が明かされ、そもそもの前提が覆された。

その後の「まだ見ちゃダメだろう?」という主治医・石原(板尾創路)のほくそ笑んだ囁きも非常に気味が悪く、今後の展開が気になる。どうしてアリサに対して、榎木田(鹿賀丈史)院長も石原もそして看護師も、彼女がいかに顔半分に深い傷を負っているか印象づけるような発言を繰り返し刷り込み、包帯に血がつくような細工まで施したのだろうか。

一緒に病院に運び込まれた恋人の翔太朗(佐藤勝利)と引き離すことが目的であることは間違いないが、むしろアリサは運よくあの事故でどこにも重傷を負わずに済み、本来であればもうとうに退院できていたということなのだろうか。あれだけ激しくトラックと正面衝突したというのに、それはそれで不思議にも思える。またアリサを引き止めるために、本人が自ら確認するのを躊躇するようにと顔に傷があると思い込ませ、そのショックから彼女から気力や行動力を奪おうとしたのだろうか。

今話では病院外と病院内でそれぞれまた殺人事件が起きる。しかも、病院内で狙われたのは購買部で働く女性で、今回は313号室の病室の人間ではなかった。ただ、その女性は殺される直前に313号室の入院患者・松井(木村了)と車内で話をしていたことが明かされる。松井があまりに不審な動きをし、怪しくフォーカスされすぎていたようにも思えるが、何か彼もこの件について犯人ではないにしても、隠していることはありそうに見える。

そして、それぞれの犯人は別人格で2人いるのではないかという説が警察内でも濃厚になっているようだ。病院外で起きている殺人事件の犯人は、殺害時にチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を流し、遺体の一部を持ち帰るのに対して、病院内で起きている連続殺人犯は遺体の一部を切断するにとどまっている。

この病院でまことしやかに囁かれている"ナースコール"に関する言い伝えについても語られた。それは、ナースコールを押して看護師が気がつかなかったらその患者は死ぬというもの。さらにそこから派生して、患者の家族から金を積まれて"ナースコールを取らないでくれ"と頼まれているだの、それで息を引き取った患者の臓器を取り出しているだの、相変わらずこの病院にまつわる噂はおぞましいものばかりだ。

ただ、実際にあの榎木田であれば人体実験など何かやっていてもおかしくはなさそうだ。警察署長とのツーカーぶりをアピールし、刑事の工藤(池田鉄洋)らの捜査にも"患者のプライバシー保護"を盾に全く協力的でないあの様子からして、探られたくない腹があるのは間違いないだろう。

顔に傷などなかったことを知り、より病院に対する不信感を募らせたアリサはきっと次週翔太朗に会いに行こうとするだろう。改めて病院側が隠している秘密が何なのか、そして連続殺人との関わりはあるのか。

文:佳香(かこ)

【第4話(8月1日[月]放送)あらすじ】

顔に傷などないことがわかり、三森アリサ(福本莉子)は言葉を失う。医師の石原祐二(板尾創路)は病院長の榎木田誠(鹿賀丈史)に指示されたと説明。しかしなぜか真意は明かそうとしない。一方、春野翔太朗(佐藤勝利)ら大部屋メンバーは、院内購買の販売員女性の殺人事件で再び聴取を受ける。最も疑われている松井時雄(木村了)は勝手に退院してしまったため、捜査員が自宅へ向かうが――。

◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「赤いナースコール」製作委員会