『赤いナースコール』(テレビ東京系)第2話では、また新たな死者が出てしまう。
1人目の被害者・滝中(橋本淳)の猟奇的な殺害方法について明かされていく。彼がまだ生きているうちに胴体を切断し、しかもその手際がやけに良い。さらに切除され持ち去られた下半身部分は病院食を作る厨房で寸胴鍋で煮込まれているところを発見され、正に"サイコパスみ"を感じさせる。
そこで刑事の工藤(池田鉄洋)が疑いの目を向けたのが同じ病室で、焼肉店を営む下塚(大水洋介)だった。そして、その下塚が第2話ラストで、今度は頭部を切断された状態で見つかるのだ。滝中同様、今回も患部が切断され持ち去られた。
滝中は殺される直前、翔太朗(佐藤勝利)に恋人のアリサ(福本莉子)の病室にこっそり忍び込むよう促し、手助けしていた。翔太朗のために車椅子を用意していたりと、やけに用意周到なのも気になるところだ。しかも事件当日、他の相部屋の患者たちは口々にすぐに睡魔に襲われたと言い、どうやら睡眠薬を投与されていた可能性が高い。他の患者がぐっすりと眠りについている中だからこそ、犯人は滝中の死体を翔太朗のベッドの下に運び込むことができたのだ。
なぜ、滝中と翔太朗にだけは睡眠薬が盛られていなかったのか。アリサの病室に翔太朗を誘い出したのはそもそも滝中だったことを思うと、何かしら彼自身が企んでいることがあり、それに気づいた真犯人が滝中を泳がせた後に殺し、動きを封じ込めたのだろうか。もちろん、相部屋の他の患者のうち「すぐに寝落ちしてしまった」と口では言っているものの、実際には寝た振りをしていただけの者もいるかもしれない。ただ、同部屋の患者の多くに睡眠薬を投入できるのはやはりナースなど病院側の人間しかいないようにも思える。
そして、一連の猟奇的な連続殺人事件とこの病院の関わりを窺わせる様々なヒントがまた散りばめられた。そもそも翔太朗とアリサがこの病院に運び込まれるきっかけになった衝突事故を起こした対向車のトラックが病院の駐車場内に停まっていたのだ。そのトラックにはあまりに特徴的なロゴマークがあり、同一車輌と見て間違いないだろう。やはりあの事故は意図的に仕組まれていたのだろうか。だからこそ、2人は救急車で運ばれたわけではなく、このトラックによって決め打ちでここ榎木田記念病院に運び込まれたと考えた方が自然だろう。
あの夜、翔太朗が駆けつけたナースステーションがもぬけの殻だったのも気になるところだ。考えてみれば、アリサが目覚めると院長の榎木田(鹿賀丈史)が病室におり、彼の口から病状説明がなされたところも不思議にも思える。翔太朗の主治医・石原(板尾創路)は巡回時に「巡回の間に呼吸が止まることはよくあることだ」という何やら気になる発言をしていたし、前話の看護師・山根(ベッキー)に続き自称21歳看護師の西垣(浅田美代子)も"ナースコール"については何か隠していることがありそうだ。
企画・原作:秋元康の考察ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)では、毎話死者が出ていたが、本作もその心づもりでいた方が良さそうだ。
文:佳香(かこ)
【第3話(7月25日[月]放送)あらすじ】
下塚半太(大水洋介)の遺体が首のない状態で発見される。つまり6人部屋の患者が2日で2人も殺されたことに・・・。春野翔太朗(佐藤勝利)の周囲で再び殺人が起きたことを知り、心配する三森アリサ(福本莉子)の顔には、今なお痛々しい包帯が。石原祐二(板尾創路)に傷が残る可能性を告げられ思わずうなだれるが、それでも気持ちの整理がついたら翔太朗に会いに行くと心に誓う。その矢先、例の連続殺人事件も新たな動きを見せる。◆番組概要
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送
地上波終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信
(C)「赤いナースコール」製作委員会
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