テレビ東京にて、本日7月8日(金)深夜0:12より放送スタートとなる『雪女と蟹を食う』。冤罪によって人生を狂わされ自殺を決意した男・北(重岡大毅)と、謎多きセレブ妻の奇妙な2人旅が描かれる。そんな本作で、ベストセラー作家を夫に持ち、時に雪女を彷彿とさせる雪枝彩女を演じる入山法子にインタビューを行い、役作りや撮影の思い出について話を聞いた。

――今回演じた彩女についての第一印象と演じてみての感想を教えてください。

原作を読んだ第一印象は、男性の思い描く"良い女"を具現化しているという感じでした。もちろん、その原作の彩女のことはリスペクトしつつ、ドラマ版ならではの彼女を演じられればということで、すごく悩みましたし、監督とも色々とお話をさせていただきました。

――彩女は何を考えているか分からない不思議な女性として描かれていますが、入山さんご自身が共感できるところや共通点はありましたか?

なかったですね(笑)。なので、とても悩みながら台本を読んでいて、今までにないくらい緊張しながらクランクインしました。お芝居は普通、相手の感情を受け取って、それで動くものだと思いますが、今回はそのまま返したくなるところを、「無でいてほしい」というふうに監督からよく言われていたんです。それを掴むまでに苦戦しましたし、何度も微調整してもらいながらの撮影でした。最初はもどかしさもありましたが、撮影が進むうちに、彩女が近くにいるように感じられるようになってきて、意識をするのではなく、自然と寄り添えるようになっていったんじゃないかなと思います。

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――ラブシーンも多く出てきますが、どのように取り組まれたのでしょうか?

食べることと性的な欲求というのは生きることに直結していますよね。そして、生きることと死ぬことが遠いようで表裏一体という意味では、その時々での感情を、そのままそういったシーンに表したいというのは(重岡さんと)お互いありましたし、監督や他のスタッフさんにもあったと思います。北と彩女の行き場のない思いをお互いがぶつけたり、消化したり、そういう感じでした。

――入山さんから見て、北というキャラクターはどう映りますか?

そんなことにならなければ・・・という風には思います。ふさぎ込んでしまったり、独りぼっちになってしまったりしたことを思うと、彼にとって彩女と出会えたことが、「もう少し生きてみよう」という"灯"みたいなものになったのかなと。すごく応援したい気持ちです。

――そんな北を演じるジャニーズWEST重岡さんの印象や共演してみての感想を教えてください。

重岡さんとは初共演だったのですが、以前ジャニーズWESTの濵田(崇裕)さんと舞台で共演させていただいて、その座組が今でもとっても仲が良いんです。それで、濵田さんに誘っていただいてライブに行ったことがあるので、アイドルをしている重岡さんは何度か見ていて。お芝居をしている姿も目にしていたので、そこからは、真っ直ぐな裏表のない方という印象でした。実際共演してみても、そのままの方だなという印象です。

――夫・雪枝一騎役を演じた勝村政信さんの印象を教えてください。

独特の空気を纏っていて、独特のペースを持っていらっしゃる、すごくお優しい方でした。毎回、その空気に包み込まれていましたね。あと、地元が埼玉の中でもすごく近所で、うちの近くの中華料理屋を知っているくらい(笑)。地元トークをしましたね。

――男性監督3人とお仕事をしてみて、いかがでしたか?

内田(英治)監督はいつかご一緒したいと思っていたので、今回このドラマのお話をいただいたときはとても嬉しかったです。役者に寄り添ってくださって、言葉数は少ないけど、とても信頼のできる監督です。是非、またご一緒したいです。

セカンドの柴田(啓佑)さんは、彩女の綺麗なところを本当に丁寧に調整しながら撮ってくださるので、私自身も知らなかった一面に気づかせていただいて、すごくありがたかったです。松本(優作)さんは、とてもお若い監督で、新しい空気をもらったようで、とても新鮮でした。

――撮影で巡った中で印象的だった場所や食べ物はありますか?

実際にその土地の空気を感じながらの撮影ってとても贅沢なことだと思いますし、お芝居をする上ではとてもありがたいことなので、思う存分、空気を吸い込みながらのびのびと撮影させていただきました。旅の始まりで栃木に寄るのですが、中禅寺湖に行ったときは、「いよいよ旅が始まるんだな」と思いましたね。景色的にも心情的にもとても印象に残っています。それから、北海道で食べたホタテ美味しかったです!・・・あ、ここは蟹っていうところだったかな(笑)。あと、会津で食べた馬刺しも美味しかったです。思い出がありすぎて選べませんね。

――人気の漫画が原作ということで、何か反響などはありましたか?

漫画や彩女のファンの方がたくさんいらっしゃると思うので、「私で大丈夫かな?」って、プレッシャーは感じています。でも、ドラマならではの人間らしい彩女になっていると思うので、原作を読んでからドラマを観るでも良いし、ドラマを観てから原作を読むでも楽しめると思います。別物ではないけれど、原作のファンの方にも楽しんでいただければと思っています。

――入山さんの思うドラマ版ならではの見どころ、注目ポイントを教えてください。

映像が本当に綺麗で、私たちが出会ったそれぞれの土地の空気感が画にも出ていると思います。「日本にこんなに綺麗なところがあるんだ!」と思ってもらえると思いますし、ご当地のご飯も魅力的です。あとはやっぱり、そういうものに触れながら、旅の中で二人の関係性や感情が変化していくので、旅の末路はどんな風になるんだろう?と期待していてほしいです。

――ドラマをご覧になる方に向けてメッセージをお願いします。

自分の近くにいる人たちを思いやれる力を貰える作品になっていると思います。皆で一丸となって心を込めて作った作品なので、楽しみにしていてください。

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<衣装クレジット>
ジャケット ¥45,000
パンツ ¥40,000/全てSHIROMA

◆番組概要
ドラマ24『雪女と蟹を食う』
2022年7月8日(金)放送スタート
毎週金曜深夜0:12~テレビ東京系にて
動画配信サービス「Paravi」にて配信