「褒めるのってその人のことをちゃんと見てるよってことじゃないですか。誰にも気づかれないのってすっごい寂しいです。そんな時にふと誰かが見てくれてたら嬉しいな~って」
無敵メンタル・白川さん(井桁弘恵)が"褒め活"の極意を語った『メンタル強め美女白川さん』(テレビ東京ほか)第10話。
これは白川さん自身の実体験に根ざしている言葉で、高校時代に姫子(黒木ひかり)たちからいじめられていた白川さんを救った"宝物"である1通の差出人不明のラブレターが教えてくれたことのようだ。白川さんの可憐な外見など誰しもに見えている部分ではなく、彼女の内面の豊かさ、魅力について丁寧に書かれたその手紙に白川さんは「言葉は人を救う」ことを教えられたのだという。
姫子も谷口さん(藤野涼子)も、「何でいつもあんたなの?」「何であの子ばっか・・・」と白川さんについて口を揃えて言うも、それはつまり「何で私じゃなくて白川さんなの?」「もっと私のことを見て欲しい」の意である。そして厄介なのは、白川さんはマウントを取ろうとしている訳ではなく本人は極々自然に振る舞っているのに、白羽の矢が立ちやすく注目を集めやすいタイプであることだ。これには太刀打ちできないのだろう。姫子も谷口さんもどうにか彼女を陥れなければ、彼女の揚げ足を取らなければ自分を保てずやってられないのだ。
しかしそこでも「気づいてほしかったのかな?・・・誰かに。努力してる自分を」と思いやれるのが白川さんだ。「報われなくても私は努力できる自分が愛おしいです」とは白川さんの言葉だが、なかなか誰しもそうは思えないもの。白川さんに触発された町田さん(野呂佳代)のように"自分で自分にご褒美"が出来れば一番良いのだが。自分のご機嫌を自分で取るには、自身の満足や精神的安定を自給自足するには、白川さんの一番の趣味である"人を褒めること"が有効なのかもしれない。「親切って突然もらったプレゼントだからお返ししたくなる」と言い、"人を褒めること"は「どんなポイントカードを集めるよりお得」だと梅本さん(秋元才加)に力説する白川さん。ゼロ円でできる、言われた方もハッピー、言った方もハッピーの3大特典付きだ。
そんな白川さんを無視し続けることしか術を持たない谷口さんは、無視すれば無視するほど自分の狭量ぶりが際立ち、それでも普段と変わらず接してくれる白川さんを目の当たりにする度に惨めさに襲われるだけだ。もうそろそろこの無視を解きたいのに、引き返し時を完全に見失ってしまっており苦しそうだ。
そんな風に揺らぐ自分さえ一貫性がなく嫌になるのだろう。そんな迷いや躊躇いを振り切るように谷口さんの態度がより強固なものにならなければいいのだが・・・。次回、白川さんの用意した重要書類が紛失する事件が起きるようだ。入社当初は仲の良かった白川さんと谷口さんはどこで、何がきっかけで決定的にすれ違ってしまったのだろうか。そして、そのもつれた糸を解くことはできるのか。
文:佳香(かこ)
【第11話(6月15日[水]放送)あらすじ】
どんな時でも挨拶は必ずするという白川さん(井桁弘恵)だが、同期の谷口さくら(藤野涼子)に無視をされ続けていた。ある日、白川さんの出した提案書が採用され、メインで働くことに。みんなに応援される白川さんを谷口さんは妬んでいた。そんな中、取引先から預かっていた重要な資料を紛失してしまう。必死に探す白川さんだったが見つからず、盗まれたのでは?という疑惑も生じ始め・・・。昔は仲の良かった同期2人の間に、一体何があったのか!?◆番組情報
ドラマParavi『メンタル強め美女白川さん』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日21:00より毎話独占先行配信中
- 1