人生最大の事態に見舞われた家族の絆が試される、二宮和也主演のノンストップファミリーエンターテインメントドラマ『マイファミリー』(TBS)の最終話となる第10話が6月12日に放送された。 

5年前に誘拐された心春(野澤しおり)と阿久津実咲(凛美)が親友だったことがわかった矢先、実咲から友果(大島美優)が預かっていたタブレットをきっかけに、未知留(多部未華子)が誘拐された。

自動音声で接触してきた相手を東堂(濱田岳)だと思い込み、導かれるままにタブレットを持って外に出る未知留もさることながら、誘拐事件の重要な情報が入っていると思われるタブレットを若手刑事・梅木(那須雄登)に一人でとりに行かせる上司も、何者かに襲われて倒れている梅木自身も、みんな迂闊だ。しかし、この迂闊さこそがエンターテインメントを盛り上げる秘訣なのだろう。

未知留を誘拐した犯人は、未知留の身柄と引き換えに東堂を渡せと要求する。温人(二宮)は三輪(賀来賢人)と東堂の協力のもと、東堂を引き渡し、犯人が示した場所に向かうが、未知留の姿はなく、「探さないでください」というメモが。そこに犯人からの連絡があり、東堂の妻・亜希(珠城りょう)と名乗る。実は5年前、東堂は不倫しており、相手は未知留だったこと、誘拐事件は父に目を覚まさせるための心春自身の狂言だったと語るが・・・。

もちろんそれは犯人の描いたシナリオで、監禁された東堂と未知留の前に真犯人――捜査一課長の吉乃(富澤たけし)が現れる。しかし、そこに温人が。吉乃の言動に違和感を覚えた葛城(玉木宏)が温人と協力し、吉乃を捕らえたのだった。ずっと凡庸に見えた葛城が前回からにわかに冴えを見せ始めたが、なんと最終回で事件を解決に導くとは。

それにしても、吉乃の供述は不快なものだった。吉乃は亜希と不倫しており、その浮気現場を心春に撮られ、両親の仲を回復させたいと願う心春に「狂言誘拐」を提案される。しかし、浮気写真の入ったスマホを奪おうとしたところ、心春が階段から転落。その後、心春自身が作った誘拐計画書をもとに、"営利誘拐"を実行することに。一方、浮気相手の亜希は犯人が吉乃と知らず、吉乃に請われるまま供述を二転三転させ、やがて後悔により失踪。吉乃は自身の立場を利用して捜査を縮小させた。

ところが、東堂が模倣誘拐をしたところから、全ての罪を東堂に擦り付ける計画に。誤算だったのは、心春が実咲に母親の不倫を相談し、証拠の写真を送っていたことで、阿久津家にやってきた吉乃を見て、浮気写真の人物だと気づいた実咲は吉乃に真実を問い質す。そこで吉乃が実咲を誘拐し、タブレットを奪うために未知留も誘拐したのだった。

吉乃のおぞましさは、自身がおそらく命を奪った少女の計画書をそのまま利用した点、「決めるのは私です」という心春の言葉を恨みがましく多用していたこと、「不倫」というくだらない罪を隠すために数々の事件を起こしたこと、さらにそれを東堂になすりつけるために、あえて東堂の「不倫」というシナリオを描いたこと。友果を誘拐した罪は消せないとはいえ、妻に裏切られ、最愛の娘も奪われた東堂があまりに気の毒すぎる。

また、スッキリしないのは、温人を犯人と思い込み、追い詰め、自身の軽はずみな判断で事件をさらにおおごとにしたにもかかわらず、謝罪もしない阿久津(松本幸四郎)。そして、おそらく事故死した心春をはじめ、誘拐事件によりPTSDとなった友果、喘息発作で苦しんだ三輪の娘・優月(山崎莉里那)、監禁場所から自力で脱出しようとして大怪我を負った実咲と、子どもたち全員が深い傷を負ったこと。

なかでも悲惨だったのは、「悪人」に直接対峙した勇敢かつ無鉄砲な子ども二人・心春と実咲の運命・・・。事件が解決し、なぜか「合コン」している警察とハルカナ社員たちという大人たちの暢気さの裏で、子どもたちが心身に受けた傷を思うと、彼女らが大人になったとき再び「模倣誘拐」が繰り返される可能性はないかと、ちょっと心配になってしまった。それでもこの事件を通して家族として"再生"を果たし、新たな生命にも恵まれた鳴沢家、そして三輪家の幸せを願わずにはいられない。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

◆放送情報
日曜劇場『マイファミリー』
動画配信サービス「Paravi」で全話配信中。