舞 (田島芽瑠)に続き、幡多(片桐仁)の"秘密"が明かされた『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京ほか)第8話。

幡多の"秘密"は「まだ芸人としてデビューしていないこと」――やはり芸人は自称であり、あくまで芸人"志望"だったのだ。そして今回このシェアハウスにやってきた招かれざる客は、そんな彼の妹・弥生(藤井美菜)だ。家柄の良い相手との結婚が決まり、そのご両親が兄・幡多の職業を気にしていると言う。「家族に変な人がいると結婚はできない」とまで言われているようで「いつまでも夢を追っかけているなんてみっともない!」と言い捨てる。妹との口論の最中、幡多はこんな言葉を思わず口走った。

「俺がどんな思いでこれまでやってきたか、どれだけ家族に足引っ張られてきたと思ってんだ!」

そして、これこそが彼の"本当の秘密"だったのだ。両親が始めた弁当屋がうまくいかず借金返済に追われることになり、代わりに幡多は高校を中退して働きに出て、家族の生活費と妹の学費を自分が肩代わりしていた。「金の稼げる仕事探してさ・・・それこそなんでもやったよ」と言う幡多がその生活を終えられたのは30歳を過ぎてからだった。

「やっといろんなものから解放されて芸人やってみたいって思えた」のだと言う。しかも、そのことを妹は知らず、両親にも黙っておくように言ってあるようだ。幡多、どこまで出来た奴なんだ、お前って奴は・・・。シェアハウスでカップ麺のストックを高値で販売していることも全部許す!

"なぜ自分だけこんな目に..."など口に出さず、オーディションでいくら年齢のことをバカにされようとも、夢を見て今ある自分の時間を目一杯楽しもうとしている。妹がシェアハウスの住民のことを見下すような発言をした時も「俺のことはいい、だけど他の人のことをバカにすんだったら、あんちゃん本気で怒るぞ」と叱っていた。単にフラフラしているだけかと思いきや、そんな事情を抱えていたとは。

幡多のこの秘密に触れた聡(増田貴久)は「何でそんな平常心でいられるんですか?幡多さんすごいです!自分のためじゃなくて人のために動くってなかなかできないです!」と語気を強め、当然のごとく家族のためにがむしゃらになって過ごしたもう戻らぬ時間を受け入れ、これからもそれを妹に話す気がないという幡多に詰め寄る。何とか本当のことを幡多の妹に知らせたいと他のルーザーズに相談し、妹がたった1人フォローしている幡多のユーチューブで真実を訴えた。

幡多の二つの秘密が白日の下に晒された訳だが、そのおかげで彼は放置していたユーチューブチャンネルに毎日動画をアップし、遂にファン第1号を得た。ようやく"芸人"への一歩を踏み出せたのだ。さらにこのユーチューブチャンネルのおかげで妹の誤解も解け、その婚約者とも家族ぐるみで仲良くできそうだ。

弥生の婚約者の両親について、"自分の両親と似ている"とこぼしていた聡。交際相手の家族構成や親の職業を気にするそうで、そもそも聡が教師になったのも親が公務員を勧めてきたからだと言う。最近、聡が書けなくなってきているとこぼしていた「ハロー、ママ」から始まる報告文も、シェアハウスの様子を学校での様子に差し替えて、さも現役教師であるかのように装っているようだったが、世間体を気にする親にはなかなか今の自身の状況を正直に話せないのだろうか。第9話ではその聡のママがこのシェアハウスを訪れるようだ。

池上さん(國村隼)も自身に何度か婚姻歴があると口を滑らしていたし、いよいよここに集う人たち全員の"ルーザーズ"たる所以がはっきりと見えてきた。

(文:佳香(かこ)/イラスト・月野くみ)

【第9話(6月6日[月]放送)あらすじ】

大庭桜(田中みな実)の仕事相手を通じて住人たちにテレビ出演の依頼が舞い込む。シェアハウスの密着取材をしたいという。最初は乗り気でなかった安彦聡(増田貴久)たちも桜の言葉巧みな交渉術に屈服。様子のおかしい池上隆二(國村隼)以外はOKとなる。しかも「あくまで人生のウィナーとして出演」と息を巻く桜は、「ウィナーズ大作戦」なる特訓を開始して備えるが、当日やってきたディレクターを見て、態度が豹変する!

◆放送情報
ドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』
毎週月曜23:06~23:55放送
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信