倉科カナが主演するテレビ東京のドラマ『寂しい丘で狩りをする』の第6話が放送。
押本(丸山智己)に呼び出され、一人で会いに行った敦子(久保田紗友)だが、押本に抗えず襲われてしまう。だが、間一髪、みどりの助けが! 押本にみどりと久我(竹財輝之助)のことで脅され、危険も顧みず、押本の元に一人で向かった敦子。みどりはそのことを押本から聞き、さらに押本は「敦子もみどりが久我を殺したのではと疑っていた」と言葉を続ける。「私はやってない」と告げるみどりに対し、「俺にとってはどうでもいいよ」と押本。その一言があまりにも身勝手な押本の人間性を物語っていた。
みどりに対し、「これ以上、邪魔をするならな、お前も殺すぞ」と脅しをかける押本。そこへ、みどりの恋人で刑事の浅野(平山浩行)らが駆け付けるが、ギリギリのところで押本に逃げられてしまう。傷ついた敦子を前に、「悪人を狩るためには、それを上回る悪に、いや悪魔にならなければ」と心に誓うみどり。逃げのびた押本への恐怖が消えないなか、みどりがどう動くのか、気にならずにはいられない。
敦子が入院した病院で、浅野は「なぜ警察に通報しなかったのか」とみどりを追及、注意する。そんな浅野に、みどりは突然別れ話を切り出す。探偵を辞めたくないことを理由にするも、あれほど浅野からのプロポーズを喜んでいたみどりのことを思うと、自分の心に嘘をついているのは明白で・・・。真意を確かめようと呼びとめる浅野の言葉も無視して、みどりは立ち去ってしまう。
そして、浅野に伝えた「探偵を辞めたくない」という言葉とは裏腹に、探偵事務所に辞表を出すみどり。長年みどりを見てきた所長・岡庭正(高橋英樹)から「いつでも戻ってきてくださいね」と優しい言葉を掛けられながらも、「そういうの、迷惑です」といって事務所を後にする。そうして自らの味方であるはずの浅野や岡庭と線を引いたみどり。胸が痛むシーンながら、同時に"狩り続ける"ために"悪魔"になると決めたみどりの強い覚悟が感じられた。
一方、押本は怪我を負いながらも追手から逃れていた。そんななか、押本にみどりから電話が。押本の行動を監視するみどりは、押本をあおりながらも、なぜか今いる場所が警察のたまり場であることも伝える。逃げまどう押本のGPSを見つめながら、みどりは「味わいなさい、これが狩られる側の恐怖よ」とつぶやく。警察に任せずに単独行動をするみどりは、やはり自ら押本を"狩ろう"としているのだろう。
その頃、入院中の敦子が意識を取り戻し、浅野ら刑事の事情聴取に応じていた。「直接話して全部終わらそうと思ったんです。そうしないと一生あの男は私に付きまとうと思ったので」という敦子もまた、警察に通報していれば押本を逮捕できたと注意される。それに対し敦子は、「それで終わるんですか? 捕まえたとしても、復讐はずっと続くんです」と訴える。その恐怖は体感した人にしかわからないだろう。自分の無力さを知りながらも、たった一人で立ち向かうしかない敦子の言葉が心苦しかった。
監視を続けるみどりは、押本を翻弄しながら交渉を持ちかけ、自宅に呼ぶことに。そんな折、敦子から連絡が入る。敦子の病室でいつも通りの笑顔を見せるみどり。敦子は、みどりが久我を殺したのかを改めて直接尋ねるが、みどりは否定。それでも表情が晴れない敦子を気遣って、みどりは「退院したら何をしたいか」を聞いて笑顔を引き出そうとするが、敦子は真剣な表情でみどりの手を握り、「危険なことはしないでくださいね」と伝える。自分の親身になってくれたみどりを今度は守ろうとしている敦子。あれほど怯えていた敦子がこんなにも強くなるとは・・・と思わずにはいられない。とはいえ、みどりの決心は固く、笑顔を見せながら病室を後にしようとする。そんなみどりに敦子は、「景色がきれいな丘へ一緒にピクニックに行きたい」と伝える。その約束が叶えられてほしいと心から思うのだが・・・。
久我のことを口止めすること、敦子に会わせることを条件に、押本を自宅に呼び出したみどりだったが、そんなのはもちろん嘘。あおられて激高した押本は、みどりに暴力をふるう。「全部あの女(敦子)のせいだ!」と逆恨みする押本の言葉を聞いて、思わず笑い出すみどり。
「バカじゃないの? 全部、あんたのせいだから」
そんな正論にますますいきり立ち襲ってくる押本に、みどりはタクティカルペンを突き刺す! 自分のしたことに震え、声をうわずらせるみどりに、苦しみながら起き上がった押本が、今度は「もう敦子には付きまとわない」と言って命乞い。どこまでも身勝手な押本を、みどりはついに"狩る"のだった。だが突然、久我の声が聞こえ・・・。
押本との対峙もさることながら、久我と離れてもなお、その幻影にまで苦しめられてきたみどりの前に、再び久我が現れるという衝撃的なラストに凍りついた第6話。押本を"狩った"にも関わらず、みどりは終わったと思った恐怖に再び立ち向かわなければならないとは!
死んだと思われていた久我がなぜ生きていたのか、みどりが埠頭を去った後の行動が気にならずにはいられない。そんな窮地のみどりを敦子たちは救うことができるのか。終盤の展開からますます目が離せない!
(文:小松加奈/イラスト:たけだあや)
【第7話(6月3日[金]放送)あらすじ】
探偵の桑村みどり(倉科カナ)の自宅マンションで押本(丸山智己)が意識不明の状態で発見される。その後、押本の死亡が確認されると、警察は姿を消したみどりの行方を追い始める。一方、突然現れた久我(竹財輝之助)に殴られ意識を失っていたみどりが目を覚ますと、そこは人気のない海の近くにある久我の別荘だった・・・。縄で拘束され、常に久我の監視下にある地獄のような監禁生活を送るみどり。そんな中、探偵事務所を訪れた浅野(平山浩行)は岡庭(高橋英樹)にみどりの過去を尋ねる。また、敦子は同僚の遠山(黒羽麻璃央)と共に、みどりの行方の手がかりを探すべくみどりの家に侵入し、あることに気づく。一方、久我の歪んだ愛情は、誰もの予想を超えた異常行動へと発展し・・・。
◆放送情報
『寂しい丘で狩りをする』
毎週金曜深夜1:53からテレビ東京にて放送
動画配信サービス「Paravi」で全話独占配信中
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