人生最悪の事態に見舞われた家族の絆が試される、二宮和也主演のノンストップファミリーエンターテインメントドラマ『マイファミリー』(TBS)の第4話が、5月1日に放送された。誘拐された娘・友果(大島美優)を救い出した、鳴沢温人(二宮和也)と未知留(多部未華子)夫妻。鳴沢家の事件後の様子と新たな事件の始まりが描かれた。

解決されたかのように思えた事件だが、残された傷は深かった。友果は、暗闇や閉鎖された空間を怖がるように。本気で殺すつもりであった犯人に長時間拘束されていた友果の恐怖を思うと胸が痛む。

そんな友果に対しても、容赦なく事情聴取が行われる。思い出したくない記憶を掘り返され、次第に友果は耐え難くなっていく。なんともいたたまれない様子だ。元刑事の東堂(濱田岳)は「誘拐は最も卑劣な犯罪だよ」と呟く。なにかしら個人的な思い入れがありそうだ。

帰宅し、家族や友人と過ごすうちに徐々に笑顔を取り戻していく友果。しかし、時間の経過と共に、前回の意味深なラストシーンに向けてのカウントダウンは進んでおり、どこか落ち着かない。

ある日、「鳴沢友果さん誘拐事件の真実」という暴露本が出版される。友果救出を手伝った三輪(賀来賢人)が出版したのではないかと疑い、怒りをぶつける温人。同時期に、ハルカナゲームズの新作ゲームがリリースされる。新作発表の記者会見でも、暴露本について触れられる。記者会見を事件のちょうど1年後に設定した温人に対して、宣伝のためにわざとこの日にしたと責める未知留。「結局、仕事が一番で何も変わってないよね」と一言。関係が修復したかのように思えた前回から一転、また夫婦喧嘩をするようになっている。しかし、喧嘩の息はぴったりである。

友果は、温人が迎えに来た車の中で、暗さと閉塞感によりパニックを起こしてしまう。また、未知留のお腹には二人目の子供がいた。なんとか平穏に過ごしてほしいと願うも、温人のスマホに非通知の着信が。いまだ行方を掴めていない犯人からの連絡だった。なんと「新たな誘拐をした」とのこと。しかし、今度の被害者は友果ではなく、三輪の娘である優月(山崎莉里那)だった。

連絡を受け、三輪の離婚した元妻の家で集まることに。再び犯人からの連絡があり、交渉の条件を提示してくる。条件は、明日の18時までに5億円を用意することと、前回と同じく警察には連絡しないこと。そして、交渉人には温人を指名してきた。身代金欲しさというより、温人への異常な執着を感じてしまう。犯人はどうしてこうも温人にこだわるのか。真犯人が気になるところだ。

娘のために三輪は温人に身代金の5億円を貸してくれと頼むが、暴露本を書いたという三輪を許せるはずはなく、金を貸す以外の協力はしないと告げる。ところが翌日、身代金を三輪の代わりに受け取りに来た東堂が突然、暴露本を書いたのは自分だと告白する。

友果の事件と同一犯によるものと考えられている5年前の誘拐事件。その被害者である心春(野澤しおり)は東堂の娘だった。身代金受け渡しの際に、警察の介入がばれてしまい、取引は終了。温人の時と異なり、東堂には二度目のチャンスは訪れなかった。心春はいまだに消息がわかっていないという。暴露本を出したのも、犯人の情報を掴むためだった。

娘のことを涙ながらに話す東堂だが、「心春ちゃん」と実の娘をちゃん付けする様子にまた哀愁が。5年前から時が止まってしまっているのだろう。濱田岳の演技が光る名シーンだった。また、最低だと思っていた三輪は、東堂をかばっていただけと判明。「ただのいいやつ」で、呆気にとられてしまう。

次週は、いよいよ優月ちゃん救出に向けて動き出すようだ。今度こそ真犯人に迫ることができるのだろうか。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第5話(5月8日[日]放送)あらすじ】

翌朝、温人(二宮和也)と東堂(濱田岳)は、三輪(賀来賢人)の元に再び集まった。
三輪と沙月(蓮佛美沙子)の娘・優月(山崎莉里那)を無事取り返すには、警察には知らせず、自分たちだけで犯人と交渉するしかない。

一方、葛城(玉木宏)は「鳴沢友果ちゃん誘拐事件」の捜査から自分が外されることを焦っていた。このままでは5年前の「東堂心春ちゃん誘拐事件」の二の舞になってしまう。
そして、怪しいと睨んだ阿久津(松本幸四郎)に対し、思い切った行動に出る。

ついに犯人から連絡が! 温人たちは5億円を持って車を走らせる・・・。
そんな中、未知留(多部未華子)からの思いも寄らない通達に窮地に立たされる温人!?

そして、再び訪れる驚愕のラスト・・・。

◆放送情報
日曜劇場『マイファミリー』
毎週日曜21:00からTBS系で放送中。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」で配信。