【ネタバレ】『持続可能な恋ですか？』杏花、最初の婚活は"惜しい"相手!?

エンタテインメント

2022.05.01

上野樹里主演、田中圭、松重豊らが出演する『持続可能な恋ですか？～父と娘の結婚行進曲～』（TBS）の第2話が4月26日に放送された。ヨガインストラクターで結婚願望のない主人公・沢田杏花（上野）が、妻に先立たれた父で辞書編纂者の日本語学者の林太郎（松重）と共に婚活にチャレンジする姿を通して、現代の様々な結婚観を描くオリジナルラブストーリー。前回ラストで、杏花は晴太（田中）の働く結婚相談所で、幼馴染の颯（磯村勇斗）と再会。彼は晴太の息子が通う英語学童保育の指導員だったことから、杏花の婚活にも、晴太との関係にも変化が生じる。

今回、焦点があてられたのは、「結婚」に最適な時期、恋愛で一番楽しい「サム」（something「友達以上恋人未満」）の時期、そして「相性」など･･･。恋愛や結婚において普遍的な疑問やモヤモヤした思いが、ストーリーの中で、そこに生きる人々の言葉で浮かび上がる、脚本の上手さ、心情の解像度の高さが際立つ回だった。

「友達」になった晴太から、颯に連絡先を教えて良いか聞かれた杏花は、ちょっぴり傷つく。そして、颯も「友達」だから良いと答え、一度AIが選ぶ見合い相手と選ぶことを晴太に告げるのだった。

マッチングされたのは、語学堪能なハイスペック男子・瀬川（シソンヌ・じろう）だ。和菓子が好きという話題から、「みたらし」が好きという杏花に「惜しい！」という瀬川。自分はあん団子が好きだからというが、杏花はもやっとした気持ちに。こうした言葉のセレクトや感じ方への微妙な違和感、初対面の居心地悪さは、案外大事で、確かなものだ。

ところが、瀬川は杏花を気に入り、ヨガ教室にやって来る。一方、颯もヨガのレッスンを受けに来て、積極的にランチに誘い、二人が一緒にいるところを瀬川が目撃したことで、騒動に。実は、瀬川はこれまで58人に断られて来たのだった。「条件だって人並み以上」「ランクも下げているのに」「誰にも選ばれない」と嘆く。思えば結婚相手に「3高（高学歴、高収入、高身長）」なんて掲げていたバブル時代は、なんてシンプルで楽だったのだろう。「自分」と向き合う必要も、「自分」が選ぶ必要もない、言ってみれば考えることを放棄できた時代だった。

結婚願望のない杏花は、その理由について「結婚って、相手の幸せを考えなきゃいけない」「自分のことでキャパオーバー」と言う。この思いに共感する女性は多いだろう。

一方、「条件」に苦しめられてきたのが、整形外科医・日向明里（井川遥）だ。「美人」で「医師」という「条件」は、婚活において、相手の腰が引けてしまうハードルなのだ。一方、自分自身が頑張り、そこそこ欲しいものを手に入れてきた今、相手の「持ち物（条件）」に期待しなくても良い、ピュアな恋愛ができるのではないかという。結婚は、その人に必要なときに必要な相手とする、その人に合った時期があるというのは納得だが、はたして杏花にとってのその時期、相手とは･･･？

強引に見える颯が、実は子どもの頃、杏花の家によく預けられていて、杏花の家族が大好きで、杏花のうちの子になりたかったのだということがわかる。単にフレンドリーで人との距離が近い、可愛い年下のワンコ系男子として消費されていないところが、本作の大きな魅力だ。一方、晴太は、杏花と食事に行く流れだったが、颯から杏花に着信があったことで身を引く。瀬川とのやりとりを心配そうに見ていたときもそうだが、晴太の察しの良さや優しさは、ときに杏花を傷つけ、苦しめることになりそう。

実際、杏花は「友達、しんどいです」と晴太にメッセージを送ろうとし、送信をやめるというモヤモヤした状態に。さらに、晴太が他の女性と仲良さそうに歩く姿を見て、ショックを受ける展開が描かれた。「サム」は恋愛の一番楽しい時期だが、一番苦しい時期でもある。そして、それは長くは続かないからこその輝きであり、苦しみだ。はたして杏花の「サム」はどこに向かうのか。

（文・田幸和歌子／イラスト・まつもとりえこ）