「金魚妻」で話題の人気漫画家、黒澤Rの同名漫画を原作とし、愛する夫の自殺の真相を探る主人公・鈴木密/美月の復讐劇を描いたドラマ『復讐の未亡人』。今年7月クールに予定されているテレビ東京での放送に先駆けて、動画配信サービス「Paravi」にて全8話が独占先行配信されているほか、テレビ東京YouTubeドラマ公式チャンネルでも第1話のみ無料配信中だ。

今回、そんな本作で主演を務める松本若菜にインタビューを行い、役作りや撮影現場の雰囲気について話を聞いた。

――『復讐の未亡人』というタイトルを最初に聞いた時はどう思いましたか?

題名のインパクトがかなり強めだったので、どれだけドロドロしたものなんだろうと思いましたが、実際読んだら想像以上に強烈でした(笑)。

――実際演じてみての感想を聞かせてください。

密は過去にいろいろな経験をしているからこそ、復讐の方法をとても大事にしている。ただ人を傷つけるとか、命を奪うとかではなく、どうやったらその人に一番苦しみを与えられるかを考えていて、それぞれに違ったやり方で復讐をしています。密は、ただのスナイパーではなくて、いろんな人に憑依するというか。その人に取り入るためには体も使ったりもしますしね。女優以上に女優だなと思います。

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――セクシーさも求められる役柄ですよね。それを表現する上での苦労や工夫はありましたか?

原作での表現方法としては、女性の武器を使って相手に近づいて復讐をするのですが、どうしても(ドラマで)表現できるところの壁もあって。ただ単純にセクシーさを表現するといっても、肌を見せる範囲が大きければ大きいほどセクシーになるかと言えば、そうでもない。いかに想像させるかも大切です。密の衣装も、普段からあまり肌が出てはいないんですよ。人間の五感に近いものを使って艶っぽさを表現できたらなと思いながら演じていました。

――共演者の方々の印象はどうでしたか?

桐山(漣※しんにょうの点はひとつ)君と淵上(泰史)君と平岡(祐太)君と私は同い年なんですよ。なので話をしていてとても気が合うなと思いました。

桐山君はすごく優しくて紳士的な人なんですけど、ちょっとおっちょこちょいな部分もあったりして。そういうところも人間的に素敵だなって。

淵上君は今回2度目の共演だったのですが、衣装合わせで会ったときに、「座長・松本若菜を支えられるように、俺頑張るから」って言ってくれて。それだけでぐっときちゃって、絶対モテるでしょ!って(笑)。みんなが同じ方向を向いて同じ気持ちでいるからこそ、一つの作品が成り立つんだなって改めて思わされました。勝手に、自分が座長だから引っ張らなきゃ!と思っていたのが、彼の一言ですごく楽になって救われました。

平岡君も共演は2回目でした。自殺に追い込まれるという役なので、気持ち的にも辛かったと思うのですが、普段はフランクに、役とは全然関係ないことを話したり笑ったりとか。そういうふうにして役とのバランスをうまくできていたらいいなと思いながら、コミュニケーションをとっていました。

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――原作とは違う、ドラマ版ならではの面白さはどんなところだと思いますか?

原作物をドラマ版で見ていただく時って、やっぱり別物として見ていただきたいなというのがあります。自分の中の「密」像というのは必ずしも100人が100人こうだっていうのはないと思うんですよ。ただ、皆さんが感じている「密」が、松本若菜が演じたら、プラスアルファでこうなったなっていう楽しみ方をしてもらえたらいいなと思っています。

――松本さんの、原作の表紙とそっくりのビジュアルを拝見したのですが、とてもお綺麗でしたね。

私の中でも密って原作のイメージがすごく強かったので、それに似せて撮りたいってなった時は、首がつりそうになりながら、「もう・・・この辺かな」って、頑張りました(笑)。

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――本作は放送が7月クールを予定していますが、すでに「Paravi」にて先行配信がスタートしています。松本さんが配信サービスで観た中で、最近面白かった作品はありますでしょうか?

『金魚妻』という、自分が出ている作品です(笑)。これも(『復讐の未亡人』と同じ)黒澤R先生の原作で、高層マンションのマウントの取り合いとか、人間の奥底にわだかまっている部分、三大欲求の一つ"性欲"を我慢できない妻、そういうところをいろいろ絡めて描いた作品なんです。自分が出演しているエピソード以外も、最初から最後まですべて楽しめる作品でした。

――松本さんが出演されている「Paravi」で配信中の作品だと、『ラブファントム』とか『アルジャーノンに花束を』なんかもありますね。

その二つもすごくおすすめです(笑)。それこそ『ラブファントム』は、桐山君が出ている作品なので、そこにも勝手に私は縁を感じていたりしています。

――本作の主題歌はゲスの極み乙女。さんの「青い裸」ですよね。その発表があったとき、松本さんがツイッターで「書き下ろし・・・震える・・・」とツイートされているのを拝見したのですが、もともと聴かれたりはしていたのですか?

オープニングを撮っている時に、井樫監督がこの曲に合わせていたんですよ。後日、それが主題歌に決まって、しかもまさかの書き下ろしと知って「すごい!」って思いました。その後情報が解禁されて、川谷さんのインタビュー(「刺激的な内容をいかに美しく書き上げるか悩みに悩みました。僕の悩んだ形跡と今のゲスの極み乙女。がリアルにそこにあります」)を見たときに、これこそコラボレーションだなって。何よりも監督が熱望されていたし、自分が演じているところにこの曲が流れているのを見ると、鳥肌たっちゃいましたね。

――最後になりますが、作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。

まず、なぜ未亡人になったのか、なぜ復讐という手段をとっているのか。そういうところを表面上だけではなく、過去からいろいろと丁寧に描いています。復讐の方法一つとってもそうなのですが、「この人だったらどうやって陥れられるか」ということを、体へのストレスと心にくるストレスで、ものすごく練って密は考えているので、観ていただいている方にとっても、スカッとする方法になっていると思います。でも、よく考えるとすごく怖いよねっていう恐怖も与えてくれるドラマにもなっているので、そういうところも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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◆番組概要
『復讐の未亡人』
2022年7月~テレビ東京で放送(予定)
動画配信サービス「Paravi」にて全話先行配信中
テレビ東京YouTubeドラマ公式チャンネルで1話のみ無料先行配信中
https://youtu.be/abP45P11tmw

(C)テレビ東京