テレビ東京系にて、本日4月11日(月)23:06より放送開始となる『吉祥寺ルーザーズ』。企画・原作を秋元康が手掛け、人生の負け組6人がひとつ屋根の下、シェアハウスで一緒に暮らす日々を描いたシチュエーションコメディドラマとなっている。

今回、童顔な高校の非常勤講師・安彦聡を演じる増田貴久と、結婚退職するも夫に愛想をつかし家出してきた元女性ファッション誌編集長・大庭桜を演じる田中みな実に、撮影前のタイミングで直撃インタビュー。大量のセリフをこなすための変わった対策や、ドラマの設定にちなんで、二人が共同生活で気になってしまうことなどについて話を聞いた。

――台本を読ませていただき、一番印象的だったのはセリフでした。分量が多くて覚えるのが大変だと思いますが、台本を読んでみてセリフについてはどんなことを感じましたか。

増田:今はまだ個人的に考えながら台本を読んで覚えている段階なのですが、舞台みたいですよね。その場で生まれるギクシャク感みたいなものも全部生きてくると思うので、皆と合わせるとどうなるのか楽しみです。

田中:ところどころ一人でダダダダっと畳みかけるように喋るシーンがあるのですが、お家で練習しているときは言えても、そこに動作がついたり、皆さんのリアクションが加わったときに現場でセリフが出てくるか心配です。まだ合わせられていないので、みなさんの顔をプリントアウトした紙をお部屋の壁に貼って練習しています。

――面白い練習法ですね!

田中:洋服を置いている部屋に貼ってしまったから、着替える時に皆さんの視線に晒されているようで、少し気まずいんです(笑)。

――気になった、またはお気に入りのセリフはありますか?

田中:1話の、「女の自虐を簡単に受け入れる男は、古今東西モテたためしがないからね」というセリフはリズムも心地よく、「その通り!」で、ちょっと気に入ってます。こういう風にテンポよく四字熟語などを組み込みながら、とんとんとんとんっと聡を"桜論"で追い詰めます。聡に対しては特に上から目線で、その関係性も面白いですね。

増田:僕の演じる聡は、皆さんの中心でセリフを受ける方が多いのかなと思います。一番かきまわされているのが聡で、一言喋ってみたら、そこからまた違う火種が飛んで・・・みたいなタイプなので、そういうのを受けながらのお芝居になるのかなと思います。

――これからクランクインということで、役作りについて準備されていることがあればお聞かせください。

増田:学校の先生の役ですが、基本的にはリビングのワンシチュエーションで進んでいくお話なので、学校でどういるというよりかは、先生が家にいる感じってどんなだろうって。立ち方や髪型とかも、どうすれば学校の先生っぽく見えるかを考えながら生活しています。

田中:桜は皆の話を黙って聞いているのだけど、自分の正義に反するところがあると「ちょった待ったー!」と割って入ります。突如堰を切ったように喋り出すので、それはもう会話ではなく、口上のよう。毎度同じように爆発していてはつまらないから、撮影現場で監督と話し合いながら桜の見せ場を、より面白いものにしていけたらいいなと思っています。そのためにも、あらゆるバリエーションは持っておきたいなと思い研究中です。

増田:一人で喋るのって自分の中で完結しないといけないから、逆に掛け合いの方が覚えやすいよね。

田中:掛け合いもシーンが長いから大変よね。どっちもどっちだね。でも、長台詞をみんなに見られながらというのはやっぱり緊張しそうなので、少しでも慣れておこうと、共演者の皆さんのお顔をプリントアウトした紙を部屋の壁に貼って練習しています。

増田:僕のはどんな写真を選んでくれたんですか?

田中:いい感じの写真です。かっこつけてる写真でした。

増田:ありがとうございます(笑)。

田中:そういえば、國村さんだけ白黒なの~。プリントアウトできる素材が白黒しかなくて、部屋の中で異彩を放ってる(笑)。

――ご自身の演じる役柄をどのように捉えていらっしゃいますか?また、ご自身との共通点があれば教えてください。

増田:聡は、普通に生きてきた中で思うようにいかず心が折れてしまう事件を経験します。それがトラウマになって、女の人と話すのに苦手意識が生まれたりもするのですが、人柄的にはフラットで優しい、ほのぼのした感じの男性だと思っています。あまり、そういう意識で考えていなかったので、自分と共通する部分があるのかは分からないですね。

田中:(桜は)勝気で、独特な正義感がありますよね。"私のルール"がたくさんあって生きづらそう。でも、そんな私も独り身の生活が長くなってきて、自分のやり方や心地いい習慣みたいなものがどんどん身に付いてしまって、それを他者に侵されたくないと思うようになってきました。桜の気持ちがよく分かります。・・・例えば、聡にジャムを貸すシーン。ジャムの使い方一つとっても、桜には自分のルールがあるんです。一度すくってパンに塗ったスプーンを、また瓶に入れるかっていう話で。それだとパンくずが入るから、桜も私も気になるんですけど、全く気にならない人もいるじゃないですか。・・・まっすーくんはどっち?

増田:絶対入れたくないですね。

田中:でしょ!そういった共同生活をしてみないとわからない、日常に潜む、人の悪気ない細かな癖みたいなものが本作には沢山でてきます。共感できる人と、まったく分からない人とがいて興味深いです。本当に小さなことなんだけど。

――お二人が共同生活をした場合、絶対ここだけははずせないルールは何ですか?

増田:僕は、水まわりがびしょびしょになっていたら嫌ですね。洗い終わって手が濡れている時は肘で(蛇口を)止めます。

田中:めちゃくちゃわかります。水垢を残したくないですよね。私は、洗面所に二つ折りにしてかけているタオルが、誰かが使った後にずれていたりぐちゃっとなっていたりすると「なんで直さないんだろう」って、不思議に思ってしまう。

――お二人は、シェアハウスとか難しそうなタイプですね(笑)。

増田:僕は意外と憧れがありますよ。今、おしゃれなシェアハウスが増えているじゃないですか。一人一人の部屋は小さいけど、共同スペースが大きかったり。

田中:私はできないです。だって、水まわりびしょびしょにする人いたらどうします?

増田:意外とね、住んじゃえば自分で拭くよ。

田中:えらい。私はね、一人の空間に慣れすぎちゃって誰かと一緒に住むことなんて考えられない。たとえパートナーだとしてもギリギリ嫌だなって思うので、見ず知らずの他人5、6人と住むなんて無理(笑)。

――『吉祥寺ルーザーズ』というタイトルにちなんで、自分がこの点ではダメだな、負けているなと思うところはありますか?

増田:NEWSの中だと、他のメンバーがちょっと雑で、僕がきちんとしているタイプなんです。そういう方が生きやすいだろうし、かっこいいじゃないですか。キチキチしているキレイ好きな男の子ってモテない感あるなって。

田中:自分ではあまり思い当たらなくても、たまに番組のキャスティングで負け組みたいな立ち位置でお声掛けいただくことがあるんです。例えば、"既婚セレブ妻"と"結婚できない負け組さん"などとカテゴライズされたときに、世の中的にはそういう風に見られているんだ、「なるほど!」と納得。でも、そういうお仕事はお受けしないことにしています。自らがそれを認めてしまうと、自分や他の誰かの生き方を否定することにもなりかねないから。

――ドラマの中のシェアハウスには価値観も年齢も違う人たちが集まっていますが、ご自身がそういった人たちとコミュニケーションをとる時に心掛けていることはありますか?

増田:僕は経験値みたいなものを教えてもらうのが好きで、知りたい熱が僕自身の中にすごくあるので、何でも教わる側みたいなスタイルで生きているかもしれないです。あと歳上の方とカラオケに行く時は、絶対この世代だろうなっていう曲を入れますね。

田中:私は幸いにして、美と健康という誰しもが興味を持ってくれそうなテーマに多少詳しいので、助かっています。相手も私に対して「話が無かったら美容の話をしよう」って思ってくれているようで、若い方も歳を重ねられた方も、最近では男性も、「何使ってるんですか?」「いいエステあります?」「おすすめのサプリ教えてください!」などと話しかけてくださいます。嬉しいですね(笑)。

――シェアハウスで暮らす6人の中で、現時点で気になっているキャラクター、または俳優として気になっている方がいたら教えてください。

増田:やっぱり聡が一番気になっていますね。どうして"ルーザー"って呼ばれるようになったんだろう・・・とか。他の5人の中では、桜ちゃんと一番歳が近いのかな。悩みの世代感みたいなものも近いような気がします。お互い一番の理解者になってくると思うので、年齢が近いのも大事かなと思います。逆に、一番歳が離れている(國村隼演じる)池上さんとの関係性もルームシェアだからこそですよね。普通なら絶対に関わることがなかったような人と関わることになって、その二人の間に生まれる感じも気になりますね。

田中:以前、テレビ東京の『生きるとか死ぬとか父親とか』で、國村隼さんと共演をさせていただいたんです。同じシーンはなかったのですが、その時の國村さんの父親役がカッコよくて。今回は同じ作品でちゃんと関わることもできそうで、すごく楽しみです。キャラクターとしては全員気になりますね。ひとクセもふたクセもあるルーザーたちが、混沌としたシェアハウスの中でそれぞれのキャラクターを炸裂していて面白い!テンポがよく、明るい。けど、それぞれに背負っている過去やトラウマに苦しんでもいて、負けっぷりがどこか愛おしい。1週間経たないうちに、「そろそろあの6人に会いたいな」と思っていただけるような、クセになるような作品になるよう頑張ります!

◆番組情報
ドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』
2022年4月11日(月)スタート
毎週月曜23:06~23:55放送
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信

(C)「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会